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魁!断筆姉さん!!  作者: 西洋司


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15 王都を散策する_18

   *         *


 これから一日は、丸々フリータイムだ。

 私(英子)にとって、こんな休暇はホンと久しぶりのことだった。


 ホンの数か月前、……。

 私は連日連夜、エース展という老舗の美術展公募対策に、日々を費やしていた。


 バイトの合間のわずかな時間を工面して、ただひたすら絵筆をはしらせ続ける。

 その結果、何とか締め切りには間に合ったんだけど、……。


 でも、せっかく出した自信作が選外という扱いとなり、……。

 私は、身体も心もボロボロとなった。


 その後しばらくのことは、現在いまでも記憶が曖昧なんだけど、……さ。


 私が深夜のコンビニバイトを終えて帰宅しようとした時、誤って大通りに出ちゃってさ。

 危うく大型ダンプカーに引かれるところを、寸でのタイミングで斎木さんが救ってくれたんだ。


 私は斎木さんに介抱され、そのまま意識を失ったと思ったら、……さ。

 目を覚ましたら、何とそこは大病院の大部屋の一室だったんだ。


 どうやらその時の私は、極度の疲労と寝不足と栄養失調で、いつダウンしてもおかしくなかったそうなんだ。


 ふふっ。それが若さ故の過ちってヤツなんだろうね。


 入院中、私のことを救ってくれた斎木さんは、毎日必ず会いにきてくれた。

 ホンと、嬉しかったんだよ。


 私って、こんな見たルックスをしているから、……。

 元々、周囲まわりからは大事にされ易かったりもするんだけどさ。


 でも、こちらから誰にも連絡できなかったものだから、バイト先の人も友人達も、誰も病室までお見舞いにはきてくれなかったんだ。


 これは、後で斎木さん本人から直接聞いた話なんだけど。

 私が入院したという話は、極めて内密な話として、箝口令かんこうれいかれていたそうなんだ。


 つまり、私が病院に隔離されたことで、斎木さんは異世界ゆきのプロジェクトのリクルーティングを、始めたってことらしいんだ。


 それだけ、斎木さん達役所の人は、私が異世界に転移することを期待していたし、……。

 そのためには、形振なりふり構わず、役所の権限をフル活用して、私を囲い込んでしまおうとしたみたいだね。


 王都にきてから、そのことで斎木さんから直接謝罪を受けたんだけど。

 まぁ、こちらとしても、……。今さら怒ったりするつもりもないからさ。


 その謝罪を、ちゃんと受け容れて上げましたとも。

「魁!断筆姉さん!!」をお読み頂き、ありがとうございます!

英子の作家魂や、仲間たちとの冒険を楽しんで頂けたら嬉しいです!

この物語を気に入って下さったら、☆評価やブックマークで応援して頂けると、作者の励みになります!

英子と一緒に次の展開を盛り上げるため、ぜひ力を貸してください!✨

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