才能。
「やはり公爵家の血筋なのでしょうか。マリアンヌ様もクローディア様も聖女となり得る才能がお有りになりますわ」
そう言ってふんわりと微笑む大聖女レティーナさま。
淡い金色の髪。碧い瞳。お肌もきめが細かくて白く透き通るようで。
とても噂で聞くような高齢とは思えない、そんな大聖女様。
でも、わかる。
今ならもっとはっきりわかる。
この世界この大聖女様よりも魔力の大きい人は見た事がない。
マリアンヌ、よりも。
ハクア、大導師イクシア様よりも。
この大聖女レティーナ様の魔力量は別格に大きいということが。
才能があるのだとしたらそれはこのレティーナ様のことをいうのじゃないかな。全盛期のラギレスの魔力量がいったいどれだけのものだったかはわからないけれどもしかしたらそのラギレスにも匹敵するのじゃないだろうか? そんな気にもなるのだ。
「レティーナ様、貴女は大賢者ラギレス様ってご存知、です?」
あ、思わずそんなセリフをはいちゃったけど、ちょっと言葉としておかしい? だって、伝説の大賢者、って事なら知らない人なんかいないはずだもの。
「えーっと、それはどう言った意味でしょう? わたくしが大賢者様にお会いした事があるのか、と、いう意味ですか?」
はう。そう受け取れるよね。
まあそう言う意味なんだけど。
「え、ええ。レティーナ様はラギレス、ううん、大賢者ラギレス様に会ったことはあるのですか?」
わたしは今日もカモフラージュのためにラギレスのマトリクスを纏っている。このわたしを見てもレティーナ様は驚きもしなかったけど、でも。
「ふふ。まあラギレス様はそのお姿をお隠しになってから随分と経ちますからね。でも、今の貴女はラギレス様に生写しですよ」
え? じゃぁ!
「やっぱりご存知だったのですか!?」
「そうですね。貴女たちがラギレス様の生まれ変わりなのだろうとは思っていましたけど」
「はう!」
「マリアンヌ様からもクローディア様からも、ラギレス様のマナを感じますわ。それはもうしっかり、と」
——ふむ。しかし、俺が居たあの時代にはこの大聖女とやらは居なかったがな。
へ?
どう言う事? ノワ?
「まあただ、わたくしが実際にお会いした事があるのはラギレス様では無くてセリーヌ・ラギ・レイズ様。魔道王国ラスレイズの姫であり大賢者であった頃のあのお方ですけどね」
はう! って、そんな!
じゃぁいったこの大聖女レティーナさまって、おいくつなの? いったい何年生きていらっしゃると言うの!?




