レッドクリムゾン。
栗色のふわふわした髪が肩の長さで整えられ、風に揺れる。
日本人、女子高生だった茉莉花の容姿そのままのマトリクスなのだということだけど。
本来のマリアンヌの容姿は今のわたしとよく似通ってるけどマリカはもっとカモシカのような俊敏さを思わせる顔立ちで。
すらっとした手足はグリーブやガントレットによって護られ、黒のミニゴスドレスにはブレストアーマーが装着されていた。
右手と額に見える龍玉。そして、その背中にはわたしと同じアウラ・フェザーが。
「マリカ! どうして? どうやってここに?」
「もう。マリアたちが戻らないからって聞いて跳んできたのよ!」
ふぇ?
「なんでかわかんないけどマリアの魔力紋は感知できなかったからそこのアジャンさんの魔力紋頼りにね!」
魔力紋を頼りに跳ぶって、そんなアニメの主人公じゃあるまいし。
「っていうかマリア、その姿の時には魔力紋も変わるのね」
そんな、とんでもないことをしてるっていうのにそんな事微塵も感じさせないような雰囲気でウインクする彼女。
わたしと同じラギレスのレイスのカケラを宿してる、そんな存在?
ううん。今の彼女はわたしなんかよりもずっと強い。そう感じた。
「でも、跳んできたって」
「うん。空間をね、ちょっとジャンプしたんだよ」
「アウラ・フェザーで?」
「まあね、アウラ・フェザーでもできないわけじゃ無いんだろうけど、あたしにはまだそこまでコントロール出来ないかな。ここまでこれたのは別の魔ギアのおかげ。この、アウラ・クリムゾンの力で!」
マリカの姿が一瞬光り、そしてそこから分離する様にもう一人の少女があらわれた。
紅い髪をなびかせた10歳くらいの少女。ツノがある?
「あれ? そこの人、マリカと同じ匂いがするね?」
ちょっとコケティッシュにこちらを覗き込むように見る彼女。
はうあう。
この子かなりの美少女だよ。
「今はあたしの魔ギアしてるんだけどね、この子。空間転移はお手の物、とにかくすごいんだから」
と、マリカ。
「じゃぁごめんアウラ、あの竜を倒しちゃって」
「おっけー」
そう無邪気に答える彼女。
え? 倒しちゃってって、流石にそんなの……
「あははー。ジラーフかぁ。相手にとって不足はないかなー」
わたしがそんなの無理でしょと口に出す前に彼女、アウラ・クリムゾンは紅いルビーのような瞳を煌めかせ、黄竜ジラーフに向かって飛んだ。
「え!? 危ないよ!」
思わずそう叫んだわたしを手で制止して、
「まあ、あの子は大丈夫。なんといっても最恐の災厄竜、紅竜レッドクリムゾンだからね」
うそ! あんな幼い子が!?
でも。
目の前で紅い竜に変化するアウラ・クリムゾン。
黄金に輝く黄竜ジラーフと、紅い炎を纏った紅竜レッドクリムゾン。その2頭の巨大な竜が目の前の空で絡みついたように見えた。




