わたしはわたしだもの。
肉弾戦? ぶつかり合い絡みつくその二体の姿。
魔法やブレスはお互いに防ぐし相殺しちゃうからなのか、もう完全に力勝負になっている。
「ありがとうマリカ……」
「あは。でもほんとその姿、姉様とあたしは元は同じレイスを共有してるっていうの、納得、かなぁ」
え?
「今のクローディア姉様、完全にラギレスの姿そのままだもの。背中のエンジェルフェザー、魔ギア、アウラ・フェザーもあたしと一緒だし」
「はう。そんなの、変だって思わないの? だって、わたしとマリアンヌは別人だよ? それなのに魂が一緒だなんて、信じられるの?」
「まあ、ね。あたし、もうすでに三人合わさってるからさ。マリアンヌとマリカとみーこ。同じレイスを持ってる別の自我だったのに、今は融合してるんだ」
「そんなの!」
ラギレスのカケラ、それって融合して一人になっちゃうって事?
「そんなの……、怖いよ……」
「うん。怖いよね。ごめんね。姉様は姉様だもの。別人だって言われても怖いよね。それってすっごくよくわかる」
マリカはわたしに近づいて、軽くハグして。
「元は同じ魂だって、いいじゃない。今は別の自我同士、仲良くしましょ? あたしも姉様が消えちゃったら悲しい。ね? それでいいんじゃないかな?」
ああ。
心の中のわだかまりが少し軽くなった気がする。
そう、だよね。
わたしはわたしだもの。元がラギレスだったとかそんなの関係ないもの。それで、良いよね……?
わたしもマリカに抱きついて。
「いいの? わたしはわたしのままで居て、いいの?」
「うん。姉様は姉様、あたしはあたし。それでいいのよ」
滲んだ涙をちょっと拭って前を見た。
ノワールが沈黙しているのが少し気になったけど。
それよりも。
竜達の戦いには決着がついたのか、つかなかったのか。
その巨体が空気に溶けるように粒子になって消えて行く。
気がつくと空には天井が現れ、砂漠も消えた。わたし達がいる場所が、ドームのような半円球の建物の中に変わっていた。
「どういう事!?」
床には半円の盾に身を隠すアジャンさん達の姿もある。
竜の戦っていたはずの場所からこちらに戻ってくるアウラ・クリムゾンの姿も見えた。
「ごめんねえ逃げられちゃった。っていうかあれほんとにジラーフだったのかな? 呼びかけても返事も無かったよ」
そうてへぺろって舌を出す少女。
「全てが作り物だったって事なのかもね?」
そう、マリカ。
そっか。ここはあの遺跡の下層、そのままの場所だったってこと、かな。
まるで仮想現実の空間のように、外の空間のように勘違いさせられていたって事?
《魔拡張現実フィールドという技術なのですよ》
どこからかそんな声が聞こえる。
《何度も警告したのに。しょうがないですね。まあ、いらっしゃったのがあなたであれば、さもありなんと言ったところでしょうか》
はう。
「誰! 誰なの!?」
「貴女、マハロ?」
《ええ。アリシア、お久しぶりですね。お元気でしたか?》
え? なに?
何がおこってるの?




