生命のプール。
開けた扉の向こうに見えたのは下へと降りる階段。
とりあえず怪物は出てこなかったので少し拍子抜け。
「一応、次の扉も開けてみてからどっちに進むか決めようか?」
「背後から化け物に襲われるのは勘弁なのデス」
「ああ。確認しておいた方が無難だな」
油断は禁物だけど、ちょっと張っていた気が緩んだ気もする。
アジャンさんがさっと次の扉を開ける。
そこはにあったのは……。もしかしてエレベーター? 四人入るといっぱいいっぱいな感じの小部屋。ボタンが付いてる感じも完全にエレベーターだ。魔道士の塔にあった昇降機は未来な魔法な感じだったけど、こちらはなんだか令和な時代のものに近い?
「なんだろうこの狭い部屋」
「今はカラデスが何かが入れてあったのでしょうか?」
「押し入れ?」
はう。三人ともエレベーターっていう存在を知らない?
みんなその中を覗きながら首を捻ってる。
「あの……、たぶんこれは昇降機だと思います。魔道士の塔にも似たようなものがありましたし」
「昇降機?」
「別のフロアに移動するための装置です。この箱のような部屋毎上下に移動する仕組みになってるような……」
ボタンの数を見ると六つ。ここを含め6フロアあるのかな?
「ここに少なくともこの場所を含め六つのフロアがあるみたいです」
わたしがそう言うとアジャンさん、
「ふむ。ではまず一番右の扉の先の探索からだな」
そう言ってこの扉を閉める。真ん中の扉も閉め創造魔法で扉にかんぬきになるような棒を創り出しはめ込んだ。
「まあ念のためだ」
ウインクしてわたしたちみるアジャンさん。まあね、このフロアの探索中に化け物にここを占領されるのは避けたいしね。
わたしたちはそのまま一番右の扉を開けて、その先へと足を踏み入れたのだった。
☆☆☆☆☆
廊下を照らす薄暗いわずかな照明を頼りに進む。
迷路のような廊下、所々にある部屋は煤汚れて灯りも無い状態だった。
ライトの魔法を使い部屋の中を探索すると、やはり何か火事のようなものでもあったのか、すべて煤に覆われ資料らしきものは見当たらない。
壊れた試験管があちらこちらに散乱し、ここが大規模な実験施設だったような印象をわたしたちに与えている。
ここは、なんなのだろう?
ハクアの言ってたイシスプロジェクトに何か関係があるんだろうか。
魔道王国以前の遺跡、という触れ込みは、最初に書かれていたカタカナの文字からそう推測されたのだろうとも思われるけれど、中の様子を見ていても確かにわたしが居た世界の未来の施設な気がしないでも無い。
イシスプロジェクトのシェルターは生命のプールとしての役割を担ってたわけだし、ここってそんな生き物のプール場所? 保管庫?
そんな可能性もあるのかなぁ?




