イシスプロジェクト。
「わたくしは、イシスプロジェクトを見守り、サポートをするために自身のクローンに意識を記憶を移しながら生きながらえて来たのです」
はう。そんな。
一体どれだけの間そうしてたんだろう。っていうか今でもそんなクローンの技術が残っているの?
「そして、それは成りました。この地球は散布した環境再生用ナノマシン、『ギア』に寄って無事に人の住める世界へと再生されたのです」
え?
ギア? って。
「しかし、シェルターの設備、コールドスリープ装置の機械としての寿命は残念ながらそこまで持ちませんでした」
ハクアは目を伏せ、そして黙祷し。
「無事、この未来にまで辿り着けた人類は、眠りについた人々のうち僅か数人。わたくしのクローンを製造する機械も同様にまた故障し、最後の身体を残すのみとなって居たのです。それが今から約五千年前になります」
はううう。
「残った人々を目覚めさすと、わたくし達は地上を目指しました」
「そこで見た景色、それはもう綺麗で。ギア達は基地に残してあった動植物の遺伝子サンプルや種子を無事世界に播いてくれたのでしょう。見事に自然が再生されておりました。わたくし達は生き残った数人の人々とともにその自然の中で残された人生を過ごすことにしたのです」
「え? ちょっと待って。それじゃ、今の貴方は? それに、そんな状態からどうやってこの世界の文明はここまでになったっていうの?」
「そうですね。そこからは貴女方も知る神話の通りなのです。神が降臨しこの世界を御創りになったと」
「はう?」
神話って。
確か最高神デウス・エクス・マキナがこの世界に降臨し、そして世界を創ったのだっていうあれ?
でもそんなの。
わたしがそう疑問を浮かべていると、目の前の席のマリカがすくっと立ち上がった。
「ねえハクア。あたしが大聖女様から教わった話だと、
“過去、人類はその過ちの為、滅びの道を辿りました”
“しかし、神はわたくしたちをお見捨てにはなりませんでした。地下深くに方舟をお造りになり、そこで数千年の時を命のプールにてお守りになったのです”
“神は、この世界にお子達をお遣わしになりました。
火のアーク。
水のバアル。
風のアウラ。
土のオプス。
これら四大元素の子らと。
時のエメラ。
漆黒のブラド。
金のキュア。
光のディン。
これらの四大天使の子らを。
物質の化学変化に干渉するアーク。
物質の温度変化に干渉するバアル。
空間の位相、位置エネルギーに干渉するアウラ。
そして、それらの物質そのもの、この空間に物質を創造し生み出すことのできるオプス。
時空を司るエメラ。
漆黒の、闇、重力を司るブラド。
全ての命の源。金のキュア。
光の、エネルギーそのものを司る、ディン。
彼らはこの世界に満ちて、滅び去ったこの地を再生させたのです。
遥かな時が流れ、命のプールで眠る者たちは再びこの世界に根を下ろし、繁栄していったのでした“
って流れだったんだけど? これってイシスプロジェクトの話なの? だったらどうやってデウスが降臨してって話になるのよ!?」




