世界の謎。
ハクアの掲げた手から闇が広がり、天井にまるで夜空のように星が散りばめられた。
ポッカリと浮かぶ月が見える。ん? ひとつだけ?
この月齢だと月が二つ見えるのはこの世界じゃ常識なのに、空に浮かぶのはたった一つのまん丸な月。
「ところでマリア様。貴女は西暦何年のお生まれでしょう?」
はい?
「あたしが話したの。マリアもあたしと同じ異世界の記憶、日本の記憶を持ってるって」
ああ、なら。
「わたしは西暦1990年生まれです。でもそれが何か?」
「はう、あたしは2003年だよー。ここに来たのは十七歳の時」
「そうですか。わたくしは1999年の生まれです。ほぼ同年代ですね」
え?
えーーー?
ハクア様も転生してきたの?
「ああ、わたくしは1999年に生まれてから今まで、ずっとこの星で生きてきましたよ。この星は過去「地球」と呼ばれて居ました」
はい? え? ちょっと待って。
はうあう、頭が追いつかない……。
「ここって未来の地球なんですか!?」
異世界だと、ゲームの世界だとばっかり思ってたのに!
どういう事!?
「その答えには、そう、とも言えますし、違う、とも言えるでしょう。マリア様が居た世界がそのまま歴史を経てこの世界になったかどうかは定かではありません」
「あたし、アリアの世界に跳んだ時に会った。あれは天城麻里子、あたし、アリシアの親友でイシスプロジェクトの実行責任者だった麻里子。間違いないよ」
「そう、ですか。マリカ様は天城麻里子博士にお会いになりましたか」
「でも、どういう事? アリアの居た世界ならあたし本城茉莉花は存在するはず。でも、麻里子が居たなら親友のアリシア・ローレンだってあの時代にすでに居るはずだよね? アリシアも1999年生まれだから」
はう? 何?
アリシアって誰?
もう、お願いだからもうちょっとちゃんと教えて。
わたしがそう困った顔をしてるのに気がついたのか、マリカ、
「はうごめんマリア」
と、わたしの方を向いて両手を合わせあたまを傾げた。う、く、あざといなこの子。
「もう。お願いだからもう少しわかるように話してね」
「そうですねえ。思わせぶりな言い方は辞めて、もう少しわかりやすくお話ししましょうか」
と、ハクア様。
「はうう、お願いしますー。もう何がなんだか混乱しちゃう」
そう、両手を胸の前で握って。ちょっと上目遣いでお願いしてみた。




