モブですらない。
「ねえ。そんなに見つめられると流石に照れるよ? お嬢さん」
そんな台詞にふっと我にかえる。
「はう、ごめんなさい」
あうあう。顔がカーッと熱くなる。
ああ恥ずかしい恥ずかしい。ちょっと見つめ過ぎたかも。
「もうアーサーったら。姉様真っ赤になっちゃったじゃない」
「うーん。でも、そんな真っ赤な顔も可愛いよ」
ひゃう。わたしはますます恥ずかしくなり、そのまま下を向いてしまった。
「あーん、もう、アーサーったらしょうがないなぁ」
そういうマリカの声がなんだか甘い。はう、そっか。マリカが好きになった人ってこのアーサーなのかも?
なんだかそう直感して。
でもたぶん。間違ってはいない様な気がする。顔をあげ、二人の顔を見るとなんだかすごく優しい笑顔で向き合ってるし。
このアーサーもそう。ああ、マリカが好きになるのもわかる気がするな。だってマクシミリアンのお顔そっくりでその上性格がすごく良さそうなんだもの。
やっぱりね、マクシミリアンってお顔は凄く好みだったしクローディアの時はほんと好きだったけど、今にして考えるとちょっと性格にきつい所あったし。
ゲームの中でクローディアを断罪する時だって情け容赦のカケラも無かった。
あの冷たい表情に、わたしこういう男性は嫌だなぁって思ったもの。
だからかな。今こうして生まれ変わっても、マクシミリアンが怖くてどうしようもない。
でも。
そういう意味でもこのアーサーは理想のマクシミリアンって言えるかも。
きっとこの人ならマリカは幸せになれそうだな。そう思って。なんとなく顔がほころんだ。
「あ、姉様もう大丈夫? アーサーにはちゃんとダメって言っておいたからね。さ、続きを食べましょう?」
「ああごめんねマリアさん。っていうか僕そんな変なこと言ったかなぁ?」
「もう、自覚なしなんだからー」
「あは、あはは」
その二人のやりとりを見ながら。
わたしは笑い出してしまった。
浮かんだ涙を拭って。
「ごめんなさいアーサーさん。わたしが勝手に赤くなっただけだから気にしないで。マリカもそんなにアーサーさん責めないであげてね」
と、そう。二人に向かって笑顔になって。
マリカとアーサーもお互い顔を合わせて、ふっと吹き出し笑った。
アーサーも交え仲良く談笑しながら食事をして。
ジルやアマリエは周りが貴族ばっかりなのにちょっと緊張していた様子。言葉も少なめで。
アジャンさんは豪快に笑い、そしてお酒をたくさん呑んでいた。
夜も更けて皆それぞれにテントに戻り。
わたしも先ほどのテントに戻る。アジャンさんとアマリエ、そしてジル。その四人で寝る事に。
と言ってもわたし、アジャン、アマリエは固まってお布団に入り、一応ジルは寝袋だ。まあこのパーティーで遠征する時の装備なんだけどね。
皆が寝静まってからもわたしはまだ眠れないでいた。
アーサーの事が気になって。
って、恋しちゃった、とかじゃ、無いよ?
そんなことよりも、だ。
アーサーはマリアクエストの攻略対象の中には居なかった。モブにすら出て来なかった。それが不思議で。
あれだけのハンサムだよ? それなのに。
ゲームの中での本命の騎士団なのに。それでも。
白騎士団の団長フェリス様はちゃんと物語に出てきたのに。此処はマリアクエストの世界をなぞっている筈なのに。
それでもアーサーはカケラすら出なかった。って、あれだけマクシミリアンにそっくりな人がゲームに居たら、忘れるわけがないもの。
まあ、出て来なかったのはマリカも一緒。ううん、マリアンヌはちゃんと居たよ? クローディアとマクシミリアンの従姉妹。マクシミリアンの婚約者だったけど早世したキャラとして。
で、傷心のマクシミリアンの前に現れたのが主人公。マクシミリアンルートの始まりだったはず。
それでもって、マリアンヌの代わりにマクシミリアンと結ばれるのは自分だとそう信じて疑って無かったクローディアが怒りと嫉妬に塗れ主人公を虐めまくるようになるんだよね。たしかそんな流れだった。
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