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幸せ。

 暖かい焚き火や篝火、空の上にはまん丸な月がふたつ浮かぶ。そっか今日はフタツキか。道理であたりは明るいはずだ。


 外では大勢の騎士さま達がおもいおもいに食べ、そして呑んでいた。


 みな笑顔なのがなんだか嬉しい。


「長期遠征を覚悟してきてたからね。こんな早くかたがついてるとは思ってなかったの」


「はう。そうなの?」


「流石にね、騎士には魔法を使える人少ないし、使えたとしてもせいぜい魔法剣程度。正直姉様達のパーティーって騎士団一つ分相当の実力があるんじゃないかな?」


「えー?」


 それはいくらなんでも言い過ぎじゃない?


「それだけ強力な魔法を使える人材が不足しているってことなんだけどね。大体、この世界の市民権制度っておかしいよね。孤児なら無事初等教育を終えたら市民権与えられるのに、両親共に揃ってたらダメだなんて」


「え?」


 そっか。


 市民権を持たない両親から生まれた子にはやはり市民権が与えられない。教育も受けられない。だから魔道士の塔に入ることもない。


 アジャンやアマリエの様な優秀な魔法使いであっても冒険者の道を選ぶしかない、のか。


「あたしは気に入ってるけどね。この生活。力だけが全て。自由気ままなのがいいやね。まあそんな辛気臭い話は後にして、飯にありつこうぜ」


「あれ? アジャンさんはもう食べたんじゃ……」


「はは。マリアの様子を見るために中断しただけさ。さあ呑もうぜ」


 ジルやアマリエが座る丸太の椅子を勧められそこに座ると、アジャンさんやマリカがお皿に料理を運んで来てくれた。


「マリカちゃんのシチューも美味かったけど、ほらこれ、リザードドラゴンの尻尾肉だ。高級品だよ?」


 串に刺されたお肉。タレがかかっててすごく美味しそうだ。


「リザードドラゴン、なの?」


「ああ、きゅっと身がしまってて美味いんだ。食べたことなかった?」


 そういえばわたし、この世界で食べ物にあまり興味が無かったな。


 クローディア時代は黙っていても美味しい食事が出てくるのが当たり前で、あまり食に感謝したりとかしたことがなかった。


 口に合わなければ作り直させ、気に入らなければ食べなかった。


 ああ、ほんと今思い起こせば申し訳ない事をしてたなと、そう思う。



 差し出されたその串を手に取って、パクッと口に入れる。


 ジュワッと肉汁が溢れ。


 旨味が口の中いっぱいに広がった。


 ああこれ、松坂牛の串焼きみたいで美味しい。


 思わずほおに手を当て、笑みが溢れる。


「なんだか幸せそうなお顔してますわねお姉様」


 あは。そうかもしれない。


「マリカ、口調がお嬢様言葉になってますわよ」


 クスクスっと笑いながらマリカの耳元に囁いて。


 美味しいものをたべて。仲のいい子と笑い合う。そんな幸せを感じて。




「やあ、大丈夫かいマリアさん」


 そんな声をかけられふっと顔をあげると、あのマクシミリアンそっくりの美丈夫がそこに居た。


 一瞬、ドキッとして。


「あ、ありがとうございますもう大丈夫です」


 そう答えて。彼の顔をまじまじと眺めてしまい。


 うん。やっぱりマクシミリアンそっくりだよこの人。そう思った。

ブクマ、評価、ありがとうございますにゃぁ。おかげさまでまさかの異世界転生恋愛ジャンル日間137位に載ることが出来ました。ほんと奇跡なのです。応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。


興味深いなって思ってくださったらブクマ、評価⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎を押してくださると泣いて喜びます♬

執筆の励みになりますのでよろしくおねがいします(はあと

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新連載はじめました♪
『あたしのお母様は異世界転移ヒロインでした。』 もよろしくおねがいします♬
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