ドラゴンスレイヤー。
蹴散らして蹴散らして、そしてまた蹴散らして。
アジャンが放つ剣で倒れた魔物のその屍を乗り越えて現れるグール。
サンダーブレイドを周囲に放ち敵を蹴散らすジルにもそろそろと疲れが見える。
上空に群がるキラービーをその炎で焼き尽くし、あとはワイバーンとばかりにブリザードスピアを放つアマリエ。
回復魔法に防御魔法を立て続けにかけつつ前方に向かって浄化魔法を放つわたし。多少なりともグールとかには効果があるはず。それでも。
このパーティーは強いよ。ほんとそう思う。でも。
やっぱり物量だ。果てしなく続くスタンピードを抑えるには四人ではきつい。
ドラこもわたしを守って戦ってくれてる。それでもね?
もっと、もっと、大きな魔法を使わなきゃ。
わたしの回復魔法じゃ皆の体力は回復させられても魔力までは無理。
じりじりと押されるこの状況じゃいずれ……。
攻撃に防御に、強力な全体魔法を使い続けてるアジャンさんの魔力消費が一番厳しい。
「アジャンさん!」
わたしは目の前で、ちょうどわたしを庇う様に戦い続けていたアジャンの背中に抱きついた。
「え!? 何? 邪魔だよマリア!」
まあ、ね。普通はそういう反応だよね。
でも。構わず続ける!
「補助、します! 竜の剣、使いましょう!」
「ああ、でも。残念だけどもうそこまでのマナが残って無いよ」
「わたしのマナ、使ってください。魔力の流れ、補助します!」
「ふっ。生言っちゃって。まあでも、あんたの魔力はなんだか気持ちいいね。いけるかも、だ!」
わたしはアジャンの魔力に自分の魔力をのせて。そして。
空間に存在する魔力の媒介者を意識して増幅する。
そして。
手を広げ天に掲げたアジャンの上空に現れた数千? 数万? のドラゴンスレイヤー。
「嘘! これって。数が多すぎる!」
「大丈夫です! そのまま集中してください!」
普段のアジャンの魔力では考えられないほどの多さの剣が空中に浮かぶ。その全てに意識を保って。
「うん。やってみる! いっけースレイヤー!」
その一本一本に光の加護を纏った、それ一本であってもドラゴンに対峙できるというそのドラゴンスレイヤーが数万。周囲の魔物の上空から降った。
その隅々まで意識を繋ぎ、そして百中の精度で魔物を貫いていくそれ、に。
わたしたちの周囲は沈黙した。
そして。
そのままわたしはアジャンの背中に崩れ。
振り向いた彼女に抱き留められた所で、意識が途切れた。




