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2026年 皐月上旬の短歌集


  五月雨を無心にあそぶ同胞(はらから)

  天海(あまわた)おもう庭池の鯉



  ありもせぬ切れ目を嗤いまなこ掻き

  東の海に軌跡ひと筋



  縄文も見えぬ未刻(みらい)も愛しゆけ

  虹いろの蝶 白き神器よ



  別れても暮らせる恋を見つめつつ

  我が子愛おし谷に咲く百合



  身の丈にあわぬスリッパ得意げに

  立てる足音いとをかしけり



  ピカチュウのメットを笑う老医背に

  バイクまたがり風の声きく



  意地と夢 小舟ひとつで綿津見へ

  運とぞ味方『老人と海』



  主権者の声をばひろう代議士(マイク)がさ

  ハウリングしてターミネーター



  朝も夜も砲爆撃に抗って

  伝え残りし詩の墓標あり



  あの日から立つも座るも顧みず

  君の居場所は御帳台だよ



  平安の皐月の匂い人隠す

  陽だまり木漏れび初夏の緑風



  くちなしの実を転がせばあか(たがね)

  色艶薫る伽羅の冬歌



  苦丁茶の泥沼()いて知りぬるは

  諦念の川 音叉の瀬歌

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