14/14
2026年 皐月中旬の短歌集
日盛りにたむろする熱 颯爽と
袖裾なびく 自転車のひと
乳離れ家や学校 歯こぼれて
硯に見えし筆の白髪
夏空のをかしあはれな浮かれ雲
眺む心は古今かわらで
流れ果て裂けて捻れた大木に
辛苦を重ね胸に火の燃ゆ
頼まんと差しだす右手の奇っ怪な
姑息な手口 斬り捨て御免
江戸端じゃ左様はまからぬ覚悟せよ
令和なる虎 誅伐なるぞ
猿やまに忘れしものを取りにゆき
戻りて気づく我なき吾よ
あの人を撃墜すると定むれど
言葉か薔薇か引き絞れむに
亡きものを人となしては語りあう
われは狂える詩人なるとぞ
阿寒湖の深なる湖底に攫わんと
レンジャーDelta藻がDeathす
筆と笛 風に抗い立ちてあれ
シルクロードの和なる詩歌よ
辛口は甘さに蔵れ旅をする
道連れするは虎か子象か
雨に濡れ日たまりに照る戯曲花
嘘に気づいた睫毛が痛い




