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「天眼 風をみる」   作者: 魔法使い
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第二章 「胎動」 第二十四話 「再び、はぐれ村」

「天眼 風をみる」


 第二章 胎動


 第二十四話   「再び、はぐれ村」


 

  さらに、剛力が、話を続けた。



剛力「大日坊様から、この書状を手渡された時、この太風子の


    「塗り方」を教わりやした、まずそれを「はぐれ村」と言う


    場所で試してみよ、と、言われました。


    玄海殿、「はぐれ村」に案内しては、くれませぬか。 


    それと、「吾平」と言う人にも会わねば、なりやせん。 


    吾平さんに、この「種」と「枝」を見せ、この信濃の地で太風子を


    植え、増やせないか?


     そう大日坊様は、おっしゃっていやした。」


玄海「なるほど・・・、 確かに、大きなかめではあるが、


   「はぐれ村」の住人に施すとなれば、いずれ無くなるのは、


   必然じゃの・・・。  長・いや「大日坊」殿は、そこまで考えて


    おったのか・・・。  


    よし、わかった。  せっかく着いたばかりじゃが、今から「はぐれ村」


    に向かうが、それでも良いかの?」


剛力「もちろんでございやす、 私は、その為に、ここに来たのですから、」



    剛力がそう言うと、再び甕を背負い、立ち上がった。 


    剛力が旅の途中で、何度も同じように甕を背負ったが、


    この時ほどこの甕が軽く感じた事は、なかった・・・。



    玄海が表に出ると、懐から、「犬笛」を取り出した。 


    あの、忍犬を呼びつける「犬笛」である。


     龍気親子三人の事件の後、玄海にも、用心の為、 


    龍気が玄海の「匂い」を小鉄達に教え、


  「犬笛」も新たに造り、玄海も持つようになっていたのである。


    玄海が犬笛を吹くと、小鉄の妹にあたる、「桜」が来た。 


    いつものように、首輪についている「竹筒」に手紙を入れると、


    「龍気」と唱え、「行け」と命じる。


    「桜」は、一目散に「龍気」の匂いの方角に走り出した。


     傍らでは、剛力がその光景を不思議そうに見ている。



玄海「さて、これでよい・・・、 では、剛力殿、参ろうか」


剛力「は・はい、 あの~今の犬っころは、何なのでやすか?」


玄海「ふむ、そうじゃの~、「はぐれ村」に歩きながら、ボチボチ、


    話そうかの~」



   そう言うと、玄海は、「忍犬」の事、「大日坊」の正体の事、「龍気」の事、


   「はぐれ村」の長末の事、「吾平」と言う人物の事などを、


   事細かに話した。


   剛力は、「大日坊」が大日方 長政と言う、「武士」である事が一番、


   驚いていた。 ただ、 「只者ではない」と言う、気持ちはあったので、


    「やっぱり!」という感情の方が強かった・・・。


    話をしながらの「はぐれ村」までの時間は、そう長く


    感じぬまま「はぐれ村」に着いた。


    はぐれ村の柵の前では、忍びの「頭」・「半兵衛」が待っていた。  


     先程、玄海が龍気に伝えた事が、すでに、「半兵衛」にも


    伝わっているようだ・・・。



玄海「おお!半兵衛殿、すでに、そなたにも伝わっているようじゃの・・・、 


    こちらが、剛力殿じゃ、わざわざ、「長崎」から太風子の塗り薬を


    運んでくれた方じゃ、長政からの手紙にも信頼のおける男とある、 


    事のほとんどを、「今」話していた所じゃ・・・、 


     わしも最近、「風読み」の力が、備わってきた、剛力殿は、


    真っすぐな、お人じゃ、案ずることは無い。」


半兵衛「ふむ、玄海殿が、そう言われるのであれば、間違いはないで


      あろう・・、失礼いたした、


      わしの「名」は半兵衛と申す、元、小笠原家に仕えていた、


      「忍び」でござる。


       今は、忍びの「元・頭領」・龍気様と共に、長政様に仕える身でござる、


       以後、よろしく、お願いいたす」


剛力「こちらこそ、よろしくお願い、いたしやす、 さっそくでやすが、


    「長末殿」の所に案内しては、もらえやせぬか? 


    早く、この塗り薬をお渡ししたいので、ございやす。」



半兵衛「ふむ、では、こちらへ・・・。」



     半兵衛は、「はぐれ村」の柵を開け、三人で中に入る、 


     今では、このはぐれ村の「長」(おさ)となっている末長の家は、


     一番、奥にあった。


     半兵衛は、すでに長政からの使いが、長崎から、「薬」を持って


     来た事を長末に伝えてあった。


     長末の住む家に近づくと、すでに家の周りには、はぐれ村の「住人」が


     家の周りを取り囲むようにしている。 


     中には、顔に巻いた麻布が、涙で濡れているものも居る。


     「住人」は、口々に、


     「長政様が、約束を守ってくださった、」


     「ありがたい事じゃ」


     「長政様・・・、信じておりました・・・、、」


      と話している、


      初めは、立っていた住人達が、三人が近づくにつれ、


      地面に座り、両手を合わせ、拝み始めた。 


      三人が通れるだけの、間を空け、それが、長末の住む家の前まで


      続いていた。


    

      家の前では、末長が、待っていた。  



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