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「天眼 風をみる」   作者: 魔法使い
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第ニ章 「胎動」 第一話 「小太郎」と「刺客」



「天眼 風をみる」


 第二章 胎動


  第一話  「小太郎」と「刺客」


 

   長政(大日坊)の姿が、山間いの道から見えなくなると、


 一人の男が動き出した。「半兵衛」である。


  半兵衛は、龍気に最後の頼みを言われていた。



 

龍気「半兵衛殿、わしの最後の頼みを聞いてはくれぬか。 


   長政殿には、きつく言われておるのじゃが、


   このまま、長政殿を、供もつけずに、旅に出し、もしもの事があれば、


   わしらの生き様も終わってしまう・・。   


    長政殿に怒られるのは覚悟の上じゃ、忍びの里で、


   手練てだれの者を一人、「護衛」として、出しては、くれぬか。  


    本来であれば、そなたに頼むことなれど、「お頭」となったそなたは、


    ここを離れる訳には、いかぬであろう。 


   人選は任せるゆえ、一人、出せそうか?」


半兵衛「無論でございます。 拙者は、龍気殿を未だに、


     「頭領」とお慕いいたしております、


     故に、我を 「お頭」と言う、身分にいたしました。 


     思う所あれば、ご随意に我ら忍びの者を


     お使いくだされ、 早速、「小太郎」に追わせます。」



龍気「かたじけない。 小太郎か、あやつなら、申し分ない、


    じゃが、出来れば、「見守る」だけに徹しよ、手助けするのは、


     本当に危ない時だけじゃ、 お鈴が申していたように、


    三回、危ない時があるという・・。


    本当かどうかは、わからんが、あの子が、言うことじゃ、


   何かあると思った方が、間違いない!


     「本当に危ない時」は、 三回目かも知れぬ、


     その事も「小太郎」に申し付けてくれ、頼む!」

                 


半兵衛「は、わかり申した、 その旨も小太郎に命じておきます。」


  と、 ここまでの会話が、「握り飯」を食べながらの会話であった・・・。   


   ここで、「小太郎」について話しておこう、 その者、身の丈、


  五尺ちょっとであるが、その分、身が軽く、加えて、 


  手裏剣をはじめ、弓、吹き矢、などの飛び道具が得意である。


    通常は、高い木に登り、「木化け」と言う術を使い、木と同化して


  気配を絶ち、「監視」・「暗殺」などが担当である。   


  長政(大日坊)を「見守る」には、打って付けの忍びである。


  半兵衛は、長政の姿が見えなくなった頃、 小太郎に話をつけ、


  さっそく、小太郎は、長政の後を追った。



    この龍気の決断は、旅の最後で長政(大日坊)の


命を助けるのであった・・。


   一方、小笠原家の長棟も、長政 暗殺に動き出していた・・・。


   長棟は、家臣に、長政 暗殺を命じては、後々遺恨が残るやも


知れぬと考え、町で拾った浪人に金を渡し隙があれば、


  いつでも長政の命を狙い殺せと命じてある。 


   上手く事が運べば、小笠原家の家臣として仕官させる「お土産」も


   言い渡していた。


    もちろん、それは嘘であり、最後にその浪人を始末する為の


   方便である・・・。



     長棟は、事を、闇から闇に葬り去るつもりであった・・・。     


    そして、「刺客」も長政の後を追うのである。  


   かくして、長政の後を二人の男が追う事となった・・。



  長政が旅に出てから三日が過ぎた・・・。


  今日から、永光寺で本格的な修行が始まる。


  

 道願が言うには、




道願「わしの修行は、独自に練り上げたものじゃから、


    わが師クリシュナの教えとは、若干の違いがあるが、


    基本は同じじゃ、とりあえず、


   日が昇る前から初めるので、夜明け前に永光寺に来られよ、


   その時は、飯は食わず、厠に行ってから寺にくるようにするのじゃぞ」



    そう言われた玄海と龍気は、道願の言う通りに、朝早く、


    永光寺に向かった。



    本堂では、すでに道願が、仏像の前で、瞑想をしていた、


    薄暗い本堂で、一本の和ロウソクを灯し、ゆらゆらと揺れる


    道願の影が仏像に落とされ、 南無釈迦牟尼仏が


    今にも動き出すようである。



    本堂に入ってきた二人を気配で感じた道願は、


    「半眼」で瞑想していた目をすっと開け、静かに語った。



道願「お二人とも、来られたか、まずは、座りなされ・・・、 


    修行に入る前に、いくつか注意をしておこう。


    今から行う修行は、「明」の国での「気」の考えと、


    わが師クリシュナの「ヨギの行」を合わせた独自のものじゃ。 


    ある意味、「秘伝」に近いものがあるゆえ、ここ永光寺の雲水でさえ、


    話しておらぬ。 じゃから、「他言無用」とする。 よいな。」



     二人は、緊張しながら、静かにうなずいた・・・。



龍気「じゃが、道願殿、 そんな大切な事を、何故、我ら二人にお話して


    いただけるのかな?」



道願「うむ、不思議と思われるのもわかるが、今は、そなたら二人と


    お鈴ちゃん、そして、長政殿の為に成る事と、言っておく。 

   

    今のそなたらには、実感、出きぬであろうが、


    「縁」(えにし)と言うものは、この現世にあるだけでは無い、


    過去世からの繋がりもあると言うことじゃ・・・。」


 

   龍気と玄海は、二人とも、「ひょっとして・・・、」と考えたが、


   それ以上は、何故か聞けなかった・・。



道願「まずは、何故、このような明け方前から瞑想するのかを説明しよう。


     一日の中で、日が昇る時から、


    「昼の九つ」(真昼・現在の12時・午前中までの意)までを「生気」


    と言う、文字通り「生きた気」じゃ、「気の質」が充実している時での、 


    特に、日が昇る瞬間が一番良いとされている。


    その「良い気」を体全体に受け、さらに「呼吸」によって「気」を


    取り入れるのじゃ。      

  

    ちなみに、「昼の九つ」を過ぎてからは、「死気」と言って、


    気の力が弱っているので、瞑想には不向きの時間じゃ・・・。   


    この本堂は、仏像に背を向けるように座ると、


    東の方に向くようになっておる、じゃから、まず、わしと


     同じように、東に向き座る、この時、「蓮華座」と言う座り方を


    するのじゃが、あぐらの状態から、右足を左の太ももに乗せ、


    左足を右足の太ももに乗せる、慣れぬうちは、普通にあぐらでもよい、


     無理に「蓮華座」で座り、力が入り、そこに意識が飛んでしまうようで


    あれば、意味が無い。


     要は、無理な力が入らない座り方でよい。」



    龍気は、何なく「蓮華座」で座る事が出来たが、


    玄海は、足が太く、関節も堅いようで、断念して、普通に


    「あぐら」で座る事にした。






道願「次に、座りながら、背筋を伸ばす、背中に一本の木が沿うて要る様な


    感じじゃの、「目」は、「半眼」、半開きのような感じじゃ、


    あごを少し引き、そう、そんな感じじゃ、


    手は、基本的に親指と中指の指先をふれるか、ふれないかで、


    「輪」を作る、それを、両膝の上に軽くのせる、  そうそう、そうじゃ・・。 


    「手」の形は、「印」と呼び、その結び方は、色々あるが、


     印の形は修行が進んでからボチボチ、学んでいく事にしよう・・・。


     次は呼吸法じゃ、」



     道願は、ひとつひとつ、丁寧に龍気と玄海に教えるのであった・・・。  



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