表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「天眼 風をみる」   作者: 魔法使い
38/173

第一章 「旅立ち」 第三十七話 「予知」



「天眼 風をみる」


 第一章 旅立ち


   第三十七話 「予知」


  


  龍気「今日ばかりは、どうしても長政様の元服を祝うのだと


     聞きませんでな、そこで、一計を案じました。


     お鈴が風よみ出来る範囲は、その日の体調にもよりますが、


     およそ五間から六間(9mから10,8m)


     と解りましたので、お鈴を中心に周囲六間を,


     我ら忍びのもので囲みます。


     結界のようなものですな。


     お鈴の周囲を忍びの者で囲めば、入ってくる風(心)は、


     気心のしれた者ばかりになりますので、お鈴も


     安心して、出かけられるということになりまする。



長政「なるほど、考えたものよな・・・、 お鈴や、そう駄々をこねんでおくれ、


    この旅は、わし一人で行くときめたのじゃ」


お鈴「だって、長にい~が、危ないもん、あたいが居れば、避けられるもん」


長政「何が、危ないのじゃ?」


お鈴「わからん! けど、危ないの!」


長政「旅の道中でわしが危ない目に遭うというのか?」


お鈴「うん! 三回ある!」


長政「三回・・・、  何故、そう思うのじゃ?」


お鈴「わからん! でもわかる!」


長政「そうか・・・、 逆に言えば、一回目と二回目は、命があると言う事


    じゃな・・・、用心しなければならぬのは、三回目か・・」



     長政は、お鈴の言霊を疑いもせず聞いた。   


    お鈴がわがままで、このような事を言わぬと


    解っているからである。  


龍気「今まで隠しておりましたが、 先日から、その事ばかり、


    申しましてな・・・、


     長政様、やっぱり「お供」はお連れになりませんか?」


長政「・・・、そなたとお鈴の気持ちは、ありがたいが、危険なのは、


    承知の上じゃ、


    後は、天運に任せるのみじゃ・・・、


     三回と言う回数は、忘れずに、覚えておくぞ、それだけでも、


    ずいぶん違うものよ。」


龍気「そうでございますか、わかりました、では、この信濃の地で、


    長政様のご無事をご祈念いたします」


長政「うむ、苦労をかけるの、少々早いが、   


    皆の者  「永光寺」へと参ろうか」


    長政が、皆に呼びかけると、また「おおーーー」と「勝ちどき」があがり、


    大男が担いでいる大太鼓を「ドーーーン」と鳴らす。


     長政は春風にまたがり、お鈴を春風に乗せ、永光寺に向かう。  


    春風の「シャン・シャン」という鈴の音に合わせて、女衆は、


     持っている鈴を鳴らす、  男衆は、鈴の音の合い間に小太鼓を


   

   「ドン・ドン」と鳴らす、 「シャン・シャン・ドン・ドン・シャン・ドンドン、」



   そして、間隔を開け、大太鼓が「ドーーーーン」と鳴る


   その調子に合わせて、お鈴が笛を奏でる・・、 


   今度の笛は、長政の身を守るがごとく、力強い音色である。



    「お~~い、待ってくれ~~」   遠くで、男の声がする。  玄海である。


     玄海が幟旗を持ちながら、かけてくる・・・。

  

玄海「遅れて、申し訳ない、まだ、時があろうと、ゆっくり歩いておったら、


    太鼓の音が聞こえての、じゃが、ちと早くないか?」


長政「うむ、ま~、これで、揃ったの・・、では、改めて参ろう」


   玄海は、長政の前に立ち、「大日方 長政 」と書かれた幟旗を掲げ、 


   胸を張り、意気揚々と歩き始めた。


   玄海を先頭に、春風に乗った長政とお鈴、その周辺を囲むように、


   忍びの者達。



   「シャン・シャン・ドン・ドン・シャン・ドン、ド~~~ン」


   「ピュィ~~~~~ピィ~~~~」 



    信濃の山々に、太鼓と笛の音がこだまする、その音色に惹かれて


   町中の者が集まりだした。  


   初めは、忍びの者50程の集まりが、永光寺に向かう道のりで


    少しずつ増えてきた。 


   いつの時代でも、「音楽」とは、人の心を惹きたてるものがある、 


   特に、心が、想いがめられた音色には、感動すら与えてくれる。


    音色が人を呼び、人が人を呼び集める。  徐々にその列が長くなる。


    永光寺に着く手前では、 その数が500程になっていた。


    その中には、小笠原家の家臣の姿も多い、今回の家督相続に関しては、


    父、貞朝と長棟、長政の三人の秘密裏で行われたのであるが、


    秘密と言うものは、漏れるものである。   


    家臣の中には、長政を慕う者も多く、言葉には言わぬが、


   長政が家督からはずれたのを、面白く思っていない者も多い、


   今日来ている小笠原家の家臣は、長棟の元服には、行かなかったが、


   長政の元服には来ていた。

   

   この事が、後ほど、さらに長棟に遺恨を残す事となる・・・。


    永光寺では、お菊を始め、多くの人が長政を待っていた、


   その数、四百から五百程か、 列の五百と合わせて、千人程の集まり


   となった、その後も、続々と集まりだして来る。


   お菊の耳に初めは、 大太鼓の「ド~~~~ン」と言う音が聞こえ、


    笛の音と鈴の「シャン・シャン」という音が段々と近づいてきた、


   玄海の幟旗が長政の「名」を皆に報せ、五色の布と鈴に彩られた


   春風の上で、長政が満面の笑みでお鈴と共に、永光寺の門前に着く。


    ひらりと春風から降りると、お鈴を気遣う、



長政「大丈夫か、お鈴」


お鈴「う、うん・・・、すこし、気持ち悪い・・・。」



   そこに、永光寺の住職、道願が、現れた。 




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ