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「天眼 風をみる」   作者: 魔法使い
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第一章 「旅立ち」 第三十八話 「永光寺の住職 道願」





「天眼 風をみる」


  第一章 旅立ち


    第三十八話  「永光寺の住職  道願」



道願「これは、これは、長政殿、  ようこそ、おいでくださいました、 


     まずは、元服、おめでとうございます」


  

長政「道願殿、今日は、本堂を貸して頂き、 ありがとうございます。 


    真に申し訳ないのですが、 この少女「お鈴」の具合が悪くての、


   どこか落ち着ける所が、あると嬉しいのじゃが・・・。」



道願「ふむ、どれどれ・・・、なるほどの・・・、お嬢ちゃんは、


   龍気殿の娘じゃな、」



お鈴「はい、そうです、おじいちゃんは?」



道願「わしか、わしは、この永光寺の住職で「どうがん」と言うものじゃ、


    どうじゃな気分は?」



お鈴「あ、あれ? 長にい~、 急に、 風(心の声)が聞こえなくなった・・、


   このおじいちゃんのそばなら、大丈夫だよ!」


  

道願「どうじゃ、長政殿の心の声も聞こえなくなったかの?」



お鈴「ううん、長にい~心の声は聞こえるよ、でも、その他の声は聞こえない」



道願「ふぉ、ふぉ、ふぉ、  そうか、そうか、深い絆じゃの・・・、



   長政殿、この子の事なら、心配ご無用じゃ、


   存分に「舞」を披露なされよ」



長政「ふむ、どんな理屈か、存ぜぬが、道願殿は、


    不思議な力をお持ちのようですな、後ほど、ゆっくりと


    お話出来ぬかな?」



道願「良いですぞ、はぐれ村から戻られたら、もう一度、


   この永光寺に参られよ、色々とお話しいたしましょうぞ、


   その時には、このお嬢ちゃんと龍気殿、


    後は、あそこで幟旗を持っている御仁も連れて参られよ」



長政「玄海もじゃな・・・、 ふむ、何かお考えがありそうじゃの、


    わかり申した。 仰るとおり、後ほど、皆で伺いましょう」



道願「ふむ、ふむ、 では、長政殿、こちらに、参られよ、


    本堂まで、御案内いたします。」



  

長政「うむ、かたじけない・・・、  そうじゃ、お鈴、他の者の


   風(心の声)は聞こえぬが、わしの風は見る事が出来ると申したの」



お鈴「うん、いつもの通り、はっきりと、わかるよ、」



長政「そうか、ならば、お鈴よ、ひとつ頼まれて、くれぬか・・・、」



お鈴「うん、いいよ、「舞」に合わせて「笛」を吹けばいいのね、


   うん、あ、なるほどね、うん、うん、出来るよ、任せといて」




  

   長政とお鈴の会話は、いつもこんな感じなのである・・・。 


   長政は、自分の「舞」に合わせて、お鈴に笛を吹いてもらうつもり


  なのである、


   「舞」の動きを、頭の中で描き、 それをお鈴が瞬時に読み取り、


  合わせて笛を吹く、本来であれば、 双方の「息」を合わせる為に、


何度となく修練しなければならぬ事なれど、


   この二人には、ちょっとしたやりとりだけで、十分なのである。



    本堂では、長政の父、貞朝と家督を継いだ長棟、


   三男の定政さだまさなどが先に来ていた、


    だが、今日の主役は長政と言う事で、龍気や玄海、忍びの者達は、


   本堂の「上座」に座らせれている。


    「舞」を見るには、絶好の場所である。


  小笠原家の当主、貞朝や、長棟、定政などは、隅の方に


 追いやられていた、 すぐそばには、本堂の中に入れず、


外から、見ている町人や小笠原家の家臣などが居た。



貞朝「なんじゃ、この席は、小笠原の当主である、わしら親子が何故、


    このような隅っこに追いやられておる。



     勘弁ならぬ、もう、帰るぞ、長棟!」



長棟「ま~、父上、今日の主役は、長政じゃから、致し方あるまい、


    それよりも、気になるのは、あやつら「家臣」


    の者共よ、あやつらは、「わし」の元服の時には、姿を見せなんだが、


    この長政の「舞」を見に来ておる・・・、


    それに、この客人の数は、なんじゃ!  千人は、いるのではないか?


    「わし」の時など、二、三十人程しか、集まらなんだ・・・、  


    長政は、是ほど、皆に慕われていたのか・・・、」



    本堂を取り囲むようにして、始まりをまっている町民達は、皆、口々に


   「いや、すごい、数の人だ、」 「永光時で舞いを観れるとわの~」


    「長政様の元服したお姿を一目見たい」  「早く、始まらないかしら」 


   「長棟様の時より、多い人じゃの~」などと、話している。


   それらは、長棟の耳にも聞こえていた・・・。  決定的な一言が、


   「長棟様より、長政様に家督を継いで頂きたかったの~」


   の、一言であった。   誰が、発したかまでは、わからぬが、


   おそらく、家臣の一人であろう、


   言った本人も、 まさか、こんなすぐそばに、長棟本人が居るとは、


   思ってもみなかったのであろう、



   それを聞いた長棟は、「耳」まで真っ赤にして激怒していた・・。


  そして、そんな客人達の中に、これからの長政の基礎を


  築いてくれる「男」が二人居た・・・・・。   



   

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