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ピング村で補給と出会い

偶には集団行動に混じってみるようです。

「戦いって…何かあったんですか?」

「なんだ、あーた達は違うのかい?今朝早くに高山帯の男達がやってきたのよ。なんでも悪い奴らに奪われたものを取り返すために追いかけてきたっていうのさ。物騒な話よね?」

「そんな事があったんですか。で、その人達はどこからきてどこへ行くんですか?」

「ここからそう遠くない北東の高山帯から来たって話だけど、何処へ向かってるのかは知らないねぇ。羊人と山羊人だからすぐわかると思うわよ。気になるなら聞いてみるといいわ。」

「羊人と山羊人ですかぁ。機会があったら聞いてみます。」


人の良さそうなペンギン族のおばちゃんはひとしきり喋り、満足したら去っていった。


「あの人、嫌だ嫌だって言ってたけど、とっても楽しそうだったね。」

「見た限りとても平和そうな村だから、ちょっとだけ物騒な話題ができて程よい刺激になってるんだろうね。」


街に入ってみるとたくさんのペンギン人がパタパタ行き交っていてなんとも…かわいい雰囲気の村だった。野菜を運んでいたり、畑仕事用と思わしき道具を持って先を急いでいるものもいる。なんだか忙しそうで声をかけるのも気が引けてしまい、とりあえずブラブラ村を歩いてみる。比較的寒くなる地域だからだろうか、どの家も石造りとなっていてそれぞれに煙突が見える。家の側には畑と蔵のような小屋がセットで作られている。


「そういやぁこの村ってなんて名前なんだろ?」

「あんれま、この村は初めてかい?ここはピング村だば。」

「畑がいっぱい見えるけど、なんの作物が多いんだろう?」

「おや、旅の人かい?大根やキャベツ、ここではなんでも作っておるぞ!」

「あの小屋に作物を保管してるのかな?」

「ここは初めてぇ?あの小屋は冬に畑を守るための道具を入れてるのよぉ。」

「冬に畑を守る?」

「Yo!旅人San!畑が凍りすぎないように布で覆うんだZe!」

「やっぱ越冬させてるみたいだな。越冬させると野菜は甘くて味が濃くなるから旨いんだよな。俺達もどっかで食材調達しておきたいな。」

「お、ニイちゃん、村の野菜は中央広場に集まるからぜひ寄ってってくれい!うちのキャベツは格別だぜ!」

「そういやぁ、高山帯からきたっていう人達はどこにいるんだろう?」

「おやおや、旅人さんはあの人達の友達かい?お友達なら中央広場だねぇ。」


この村の人達はかなりのおしゃべり好きらしい。俺が疑問をつぶやくたびに通りかかった人が即返事をくれる。でも忙しいのかそのまま立ち止まる事なく行ってしまうので、入れ替わり立ち替わりで答えてくれる状態だ。中には個性的な喋り方の人も混じっているし、何故会話が続けられているのか謎でしょうがない。しかし情報収集の手間が省けてとても助かる。食材調達も気になる高山帯の人達も中央広場に行けば良いとのことだ。そこで早速中央広場を目指すことにした。中央広場への道のりももちろん村人達が代わる代わる教えてくれるので迷わせてくず、直行することとなった。


「羊さんいっぱいいる!」

「山羊人も混ざってる。ペンギンのおばさんが言ってた通り。」


中央広場へ入ると高山帯から来たと思わしき一行はすぐに見つかった。羊人はカーリーヘア&首回りにも柔らかそうな毛が生えていてまるでスカーフを巻いているような感じで優雅。そして山羊人は太くグリンと丸まったツノがドーンと頭の上についていて、勇ましい感じだ。服装は滑した皮で作ったと思われる防具を身に纏っているがスピード重視なのかかなり軽装だ。


「おじいちゃんがいっぱい!」

「ん。若い人一人もいない。」

「確かに…。高山帯は若者が不足しているのかな?」


羊人も山羊人も皆真っ白な毛並み。もともと白い毛並みなのかもしれないが、その毛には艶があまりなく、顔にも深いシワが刻まれている。中には腰を摩っていたり、肩を叩いていたりとご老体に鞭打っている感あふれている。


「おじいちゃんお友達を助けに行くの?」

「ん?えらいちっこい子じゃのぉ。そうじゃ、ワシらは家族を追いかけているところじゃよ。」


クルは羊人、山羊人のピリついた雰囲気に臆することなく、いや気づくこともなく話しかけていく。するとクルのあどけなさに緊張が少し緩和したのかおじいさん達が優しく教えてくれる。ペンギン人達みたいに、根は人懐っこい種族なのかもしれない。


「追いかけてる?」

「そうなんじゃ。突然現れた人族に遊牧食を奪われてしまってのぉ、若い連中が取り戻すって言って追いかけて行ってしまったんじゃが、よりによってラグジュン平原へ向かってしまったんじゃ。なんの準備もなくラグジュン平原へ入るなんて無謀だとあれほど教えたというのに…。」


この老人達は遊牧民なのだそうだ。そして食べ物を奪われ、取り戻そうと追いかけていった若者を更に追いかけているのだと。


「盗んだ人族もラグジュン平原へ向かったんですか?」

「いや、奴らはラグジュン平原の外を回り込むように移動しているようだ。若いもんはラグジュン平原を抜ければ先回りできると考えたみたいじゃのぉ。本当にばかもんじゃ。」

「ラグジュン平原ってそんなにやばいんですか?」

「あそこは寒すぎる。体を温めるためにも多く食材を持ち込まねばならんのだが、その食糧を奪われてしまっておる…。それに体を温めるために火を起こすと魔物が寄ってきてしまう。ラグジュン平原はエネルギー補給が鍵となるんじゃ。」

「火を起こすと魔物が寄ってくるんですか?」

「ラグジュン平原に住む魔物は獲物を捕らえるために、温度を感知する能力に優れておるからの。体温だけでも危ないが、火なんか起こせばあっという間に囲まれてしまうじゃろう。」

「それは落ち着いてご飯も食べれないですね。ちなみに遊牧食って?」

「わしら遊牧民は移動しながら暮らしておるんじゃが、何せ頻繁に移動をするのでな、食糧を転々と保存しているんじゃ。肉を乾燥させたり、チーズを乾燥させたりしたもんで、そのまま食べられる便利な食料じゃ。ところが村の娘が脅されての、保存場所を聞き出して人族が残さず奪っていったんじゃ。」


この爺さん達、遊牧民はノマディ族といい、北東の間の森がリアス式海岸のように入り組んだ地帯を遊牧しているのだという。本来の遊牧民族は飼っている羊などの餌を求め転々としているのだが、ノマディ族はそれに加えて入り組んだ間の森から発生する魔物を避けるように転々としているため常に動き続けている状態になるそうだ。放牧しているのはサテュロスという羊と山羊の間みたいな魔物で食べてよし、ミルクを縛ってよしの家畜なのだそうだ。共食い感が否めないのだがノマディ族の好物だと言うので考えないことにした。なんか、マトン食べたくなってきたな。俺も大概である。


「クルもラグジュ…げん?行くの!」

「なんじゃ、お前さん達もラグジュン平原に行こうと思っておるのか?」

「クル!」

「あ、そうなんです。いろいろあってラグジュン平原を突っ切って、俺達も人族を追い抜こうって思ってるんです。」

「なんと!また人族じゃと!?」

「クルのお友達のお父さん助けるの!」

「ねぇ、もしかしたら、食べ物を盗んだ人族は、俺達が追いかけている人族と合流しようとしてるんじゃない?合流場所がどうとかって話してたよね?」


確かにリアの言う通りだ。加えて言うなら黒男が食料はコウウが集めてるとかなんとか…。絶対関係している気がする。


「なんと!お前さん達が追っている人族とわしらが追っている人族は繋がっているかもしれんのか。よし、途中までわしらと一緒に来たらよいぞ。かって知ってるもんがいた方が何かと安心じゃろ?」

「クル!」

「え、いいんですか?」

「かまわんかまわん。それじゃ、お前さん達も旅の準備を急いでするんじゃ。1時間後に村の入り口に集合じゃ!」

「い、一時間後?それは急がなきゃだ…。リア、クル、急ぐぞ!」


こうして俺達は遊牧民、ノマディ族の爺さん達と旅を共にすることとなった。

仕事が立て込んでてえらいノロノロ投稿になってしまっている…。

もっと頑張ります!

と、ここに書いたら頑張れる…気がする。

仕事なんかに負けないぞ。やー!

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