表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/106

空飛ぶ巨大ムカデ

魔の森の中心に近付いたからでしょう。一際強そうな魔物に襲われました。新たな展開のテンプレですね。

蛇螻蛄(ヘビケラ)っておっきい羽4枚ついてたから飛んでるのもわかるけど、現れた巨大生物は空飛ぶ平べったい節足動物。何で飛べるの!!!そして足のないムカデの体先頭にはひらべったい嘴と生毛の生えたカモノハシのような顔。宙をまるで水の中を泳ぐように飛んでいる。うん、可愛くはないな。


ガガガガガガッ


呆気にとられていたら変な鳴き声で3匹いっぺんに突進してきた。慌てて横に転がって避けたが危ないところだった。魔力ゼロは襲われづらいって油断してたな。

敵と認識されたならば攻撃あるのみ。試しにボウガンで打ってみるが硬い体はびくともしない。関節を狙ってみるのだがさっぱりだ。こうなったらワシッポーンの投げエティ攻撃。


「任せたぞ!」


もはやワシッポーンを受け入れているエティ。氷の乱れ打ちしながら向かっていきます。魔法攻撃に危険を察知したカモノハシムカデが投げつけられたエティをよければ、エティも対応して魔法の乱れ打ち。しかし魔法が当たるとカモノハシムカデは急浮上からの急降下で応戦。魔法もあんまり効かないようだ。どうやって倒したらいいんだ?


「あの平べったさ、乗り心地は良さそうだな…。」


逃げながらそんなことを考えていたら閃いた。ポケットからラクティスの実を取り出し、カモノハシムカデに投げてみる。すると瞬時に食べ物と察知し空中キャッチ。嘴がもごもごしている。しばらくもごもごした後、再びこちらに向かってきた。あのスーパーボールまで食べたのか…。今度はラクティスの実に縄をくくりつけ、まっすぐ向かってくるカモノハシムカデの進行方向を右に逸らすようにラクティスを投げれば狙い通り右に逸れてラクティスに食いつく。


「エティ!」


叫ぶと同時にエティが俺の頭にしがみつき、俺は縄をぐっと引っ張りながらカモノハシムカデに向かってジャンプ。すると振り子のような軌道で弧を描き背中に飛び乗ることができた。イメージ通りだ。縄が食いちぎられる前に急いで縄をたぐり頭の方まで走り、一番安定して乗れそうな頭にしがみつく。するとエティがカモノハシムカデを凍りつかせにかかる。エティが魔法を発動した瞬間、爆発的に急浮上した。


「エディ待った!こいつ魔力で浮上してるんじゃ…!?」


魔法をやめさせると、案の定下降していく。どうやら外的な魔法をも浮力のエネルギーにしてしまうから魔法が効かなかったのだろう。ただ浮上して逃げているわけではなかったようだ。そこで背中のボウガンの先に縄を括り付けたラクティスの実を吊るしカモノハシムカデの前に。馬の鼻先に人参作戦だ。2つのラクティスを食したばかり、その美味しさを知ってしまったカモノハシムカデは目の前の実に夢中に。自由自在に操れればこっちのもの。


「エティ!大地にでっかくて硬い氷柱を生やすんだ!!」

「でっかくて硬いのだな!オラ得意だぞ!!」


すると大地に本当に大きくて鋭く硬そうな氷柱が生えていきます。そうなれば後はラクティスで操って高く高く上空へ、十分な距離を稼げたら今度は意図がバレないように目の部分を隠せば臭いだけで氷柱へのデスダイブ。ぶつかる瞬間に飛び降りたので、しっかり確認できたが見事巨大氷柱が頭、そして胸あたりに突き刺さる。カモノハシムカデはしばらくビクビク動いていたがやがて動かなくなった。


「楽!でっかいのやっつけたぞ!オラ達最強だぞ!!」


喜ぶエティに安堵しつつ周りを見渡すと、こだまも1体仕留めるところだった。

魔法が効かないと分かったからか、今度は謎の黒い球を掌の上に生成し始めた。あれも魔法かな?

黒い球は圧縮されたようにどんどん小さく黒く濃くなっていき、同時に禍々しい雰囲気に。するとこだまはその黒い球をカモノハシムカデに向かってまるで子供が投げるみたいなオーバーアクションで放り投げる。

パクッ黒い球はカモノハシムカデに飲み込まれ、そしてピタッと動きが止まったと思えば、ドンッと落下。全く動かなくなったカモノハシムカデ。よくみると目の正気が抜けています。


「し、死んだのか?」

「うん。やっつけた。」

「今の黒いのは?」

「魔法外から効かなかったから、中でドンッした。」


ひえ〜ご愁傷様です。カモノハシムカデに手を合わせているとドンッとリアの方からも大きな音が。見るとカモノハシムカデがえびぞりで縛り上げられていた。矢に縄を括り付け、頭に縄を掛けると楽と同じように背中に飛び乗る。さらに尻尾付近にも器用に矢で縄をかけ、縛り上げたようだ。えびぞりで輪っか状になったカモノハシムカデはバランスが取れないのか落下。地面でくるくる回っている。俺たちすげーって思ってたけど、こだまとリアはもっと凄かった。しかもリア生捕って…。

そういえばと思ってきのこを見ると、この騒動に気づかなかったとばかりに普通に歩いていた。餌担いでるから下手したら狙われていた可能性あったんだぞ、お前?するとそこに、ガガガガガガッ、再び新たなカモノハシムカデが!


「おめぇら誰だ!」


と思ったら、よく見るとカモノハシムカデの頭にちょこんときのこ人が座っている。歩いていたきのこよりちゃんと人型だ。手に手綱を持っていて、鞍もついている。カモノハシムカデを馬がわりにしているのだろう。


「にいちゃ?」


今まで一切のことに関心を持たなかったきのこが初めて振り返った。ちっこいの、お前しゃべれたのか!?


「クル、そいつらは何だ?」

「?…!」


今気づいたようなリアクションしてますよ。エティ系ですね。


「この実とるの手伝ってくれた人だ!」

「なるほど。ついてきてるのに気づいてなかったってことか…。まぁ悪い奴らじゃなさそうで良かったが…。俺はベジ族のアル。クルが世話になったようだ。」


クルという名のきのこと話して、ため息をつきつつ警戒心を少し緩めたきのこ人は、カモノハシムカデから降りてきて自己紹介してくれた。聞けばきのこ族かと予想していたがベジ族だと。ベジ族ってことはきのこ以外のもいるのかな?

アルはクルの兄であり、ベジ族の見張りを主にする警備隊の一員だそうだ。ベジ族は魔の森の地下に国を抱える一族で、めったに地上に行かないのであまり外の世界の人には知られていない種族らしい。

クルは稀に砂と共に落ちてくるラクティスの実が好きで、危ないから外には出るなと言われているのにたまに抜け出しては怒られているそうだ。ほとんど成功することはないらしく、今回実を持ち帰れていることにアルは凄く驚いていた。まぁ確かに、実質何度も失っていますけどね。

カモノハシムカデが主な足。餌で調教しているそうだ。捕まえるのがかなり大変らしく、生捕にしたカモノハシムカデを是非譲って欲しいと言われた。もちろん快くお譲りした。


「ジャクブズの殻は固くていい素材だ。生きてるの貰う代わりに仕留めた2体の解体はこちらで引き受けよう。後で回収して解体したのち届けるのでそのまま置いておいていいぞ。」


親切なアルさんが解体を申し出てくれた。カモノハシムカデはジャクブズと呼ばれているらしい。


「こんなところに人が来るのは初めてだ。みんなに紹介してやろう。国まではまだ遠いからジャクブズの背中に乗りな。」

「乗っていいの!?乗っていいの!?オラ一番前がいいぞ!!」


はしゃいだエティが真っ先に頭に乗ったので、お言葉に甘えてみんなで乗り込むことに。もちろんクルも乗り込みいざベジ族の国へ。ジャクブズの乗り心地は、最高によかった。あんまり揺れないし、スピードを出してもあまり風の影響を受けない。


「ジャクブズは飛ぶ時に風もコントロールしてるからな。風で飛ばされるなんてことはない。」


アルがそう説明してくれたが、何故かひとり何度も落ちそうになるクル。ちょいちょいサポートしながらの空の旅は快適で、そして非常に早くていい。流れていく下の景色を見ながら、歩いたらかなりの距離だったなと、アルに出会えたことに感謝した。30分程飛んだところで、


「楽!楽!つえーのいたぞ!!」

「な!?ど、ドラゴン!?」


見えてきたのは丸まって寝ている巨大なドラゴン。


「大丈夫。あいつはもう何年もああして寝ているから。」


そういうと、アルはドラゴンの下に向かって高度を下げていきます。すると寝ているドラゴンの麓、尻尾に囲われた部分にゴロゴロと野菜やきのこが見えてきます。どれも巨大で、扉がついていて、煙突から煙が出ているものもあります。


「あそこが我々ベジ族の国、ハクシクスだ。あの野菜やきのこは我々の家だ。」


軽く聞いたところによるとベジ族は自分たちと同じ種類の野菜の形をした家を作る習性がありきのこならきのこの家、キャベツならキャベツの家といった具合だ。ドラゴンは何年も寝て過ごしているらしく、強い魔物の近くなら逆にジャクブズなどの魔物が襲ってくる心配もなく安心な場所としてここを住処にしているのだそうだ。過去に強い魔物が襲ってきたことがあったそうだがその時はドラゴンが起きて、尻尾で叩き落としたらしい。どんだけ強いんだろうあのドラゴン…。変にドラゴンを刺激するようなことにならないといいな。特にエティが。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ