「婚約破棄?お待ちになって貴女努力いたしまして?」後日談
本編の後日談です。バカップル2人の末路の詳細になります。
後小ネタとしてクイズ1問入っています。
後日談~エミのその後
レオン王子とエミだが、王様の言うとおり勉強中。
エミはしばらく私を転生者で、策略で本来の私の地位を奪った悪女だと喚いていたが、積み上げてきた実績が違うので信用されず、無視され。今では完全に諦めて死んだ顔で勉強し続けている。
しかし、心の底から甘え癖がついたエミが過酷な勉強についていけるはずもなし。
かつて自分に好意的だった男達に「真実の愛に気付いたの。私には貴方しかいないの。助けて」とひそかに助けを求めても。実家からぼこぼこにされ正気に返ったor追放された彼らからは当然のごとく返答なし(というか終始監視されているので、ばればれ)。
相手にされずここに至り、まだ私が邪魔をしていると(していません)喚き散らし、誰にも相手をされずストレスを溜めまくり、唯一自分に好意的な王子に当たりまくっているという。
とはいえ、恋人であっても相手を尊重せず、一方的に自分の欲望と承認を求めるだけの相手とそんな生活続けて愛が続くわけもなし。今ではギスギスしまくりらしいです。
だが、ここまで大事にして別れたら、王子の評価は地に落ち、エミも実家にもどることもできず、もうボロボロな関係らしい。
そして、当の私は絶賛自由を満喫中でございます。悪評は消え、その結果今では殿方から結婚希望の怒涛の申し込み中です。そろそろ身を固める年に近づいていますが、今回の件もあって父や母達から「結婚?あんなことあったんだから、好きにしなさい」なんて言われていますので、もう少し今を楽しみたいと思います。
とまぁ、そんなこんなで最終的には
エミは結局必要な教育をマスターできなかったみたいで、王子の愛も醒めたことで、伴侶となる資質なしと判断され婚約は解消、実家に強制帰還。
ゲームで言うならば必要ステータスが足りなかったからバッドエンド。という感じなのかな?
追放日当日は「嘘よ!私はヒロインなのよ!」「モブがさわんな!」などと大騒ぎだったみたい。
実家に帰ったけど、自由は奪われて政略結婚くらいしか道はないが、エミの起こした問題は国中の貴族が知っている。さらにあの我らがブラッドアイ一族に喧嘩売って、王族からも目をつけられた女性など厄ネタしかない。当然嫁の貰い手が全然いなくて、妥協した下級貴族でも嫌だと言われる始末。
となると問題児の女性の専用監獄、通称”贖罪修道院”くらいしか行き先がないみたい。ここは修道院の体裁を整えているが、中身は別物。中では強制労働を強いられて国の利益に還元させられる強制労働所である。
彼女に何をしてもハッピーエンドで自分中心に動いているなどという意識がなく、少しでも努力していれば結果は変わっていたのだろうにな。と遠く離れた自室でお茶を飲みながら思いをはせる私でした。
後日談2~レオン王子のその後
それはエミが完全に追放される前の出来事である
「・・・お嬢、手紙っす」
「ありがとミリア。どうしたの随分不機嫌そうね」
「手紙の相手を見ればこうなるっす」
「誰のこと・・・ってレオン王子」
その手紙は懐かしのレオン王子からだった。勉強中とやらで城の限られた場所にしかいないためほとんど会うことはなかったので、本当に久々である。
「はぁぁ!?今更お嬢様に何の用なのかしら?」
「まぁまぁ」
怒れるマリーをなだめながら、私は封を開く。そして中の手紙を読んでみる・・・。
「あのぉ、お嬢様どうしました」「どうしたんっすか?固まって」
尋ねる2人。私は黙って手紙をマリーに突き出す。
「え?え?お嬢様宛のお手紙を読んでいいのですか?」
こくり、私は無言でうなずく。
「ええと、それでは失礼して。・・・はぁぁぁ!?なんですかこれ!!」
普段クールなマリーが素っ頓狂な声を上げる。まぁ、そうなるわよね。
「ちょっ!一体マリーまでどうしたんっすか!?」
私とマリーの態度に困惑してか、ミリアが私も知りたいと声を上げる。
「ミリアも読んでみて。マリー、手紙をミリアに」
「えーっと
“我が親愛なるシャルディア=ブラッドアイ
たくさんの試練の中で俺は本当の愛に気が付いた。
シャルディア君こそが俺の真実の愛だと
野薔薇のごとく美しい君の愛に気づいたのだ。
会って話はできないだろうか?
いまさらだろうが、君ともう一度やり直ししたい。
はからずもこのような関係になったが、
きっとやり直せると信じている。
みんなも関係が修復したら祝福するはずだ。
だから、もう一度提案するよ。
結婚しよう!
二度とこんなマネはしないと誓おう!
追伸。この手紙には君の本当の思いを詰め込んだ。きっと君なら気づいてくれるだろう
”・・・・・・・・・新手の冗談っすかこれ?」
「私が未婚なことを知って、まだ心の底では俺を想ってくれている。だから俺のことを待っていてくれている。なんて勘違いしているみたいよ」
「うわぁ」
「ぷふぅ!」
どんびきマリーにツボに入ったのか笑うミリア。
「さらに、この文章全体的におかしくない?この文章は別の文章が隠されているのよ」
「はて?別の文章ですか??」
私の質問に2人は手紙を読み始める。
「はて?確かに頭の悪い内容でおかしいところだらけですが」
「ああ、そういえばなんか違和感あるっすね。変なところで改行したり、微妙に文脈おかしい単語出てくるし」
「ミリア正解―。文章の行の最初の一文字だけを続けて読んでみて」
「はぁ・・・えぇっと“わ”“た”“し”“の”“あ”“い”“は”“き”“み”“だ”“け”“に”・・・・私の愛は君だけに?」
「そう縦読みってやつね。大方、文章にそんな秘密を盛り込んで、自分がその内容に気が付いたら感動してくれる・・・とでも思っているんじゃない。まぁ、演出は悪くないんじゃない。肝心の土台が崩れまくっているから意味ないけど」
「はぁ・・・なんというか無駄な努力とはまさにこれですね」
「うげぇ。これ書いてドヤ顔してにやつく馬鹿王子の顔が思い浮かんでしまったっすー」
「まったく、ここまで来ると逆にすごいわね。とりあえずお断りの返事書いておくわ。マリー便箋とペン持ってきて」
数日後
王宮に王妃様専用の香水と菓子を持参&挨拶にいったときのこと
「シャルディア!会いに来てくれたのか!」
なんか馬鹿が笑顔で来ましたよ。ちなみに本当に偶然以外の何物でもありません。会うとわかっていたら時間をずらしていました。
「お久しぶりです。レオン王子」
ちなみに王子とはいえ、彼にまだ正式に王族の一員を名乗ることは許されていない。留学から帰ってきたリエン王子が思いのほか有能なことも関係している。今王子といったのはただの皮肉である。
「ああ!あのような手紙が来て、やはり私のことが忘れられないのだな。安心しろ。私はもう昔のことにこだわっていない。これから2人で新しくやり直そうじゃないか」
ふぇぇぇ、やだ、何?なんで御断りの手紙書いたのにこんなポジティブな思考できるの?
「いえいえ。手紙で書いたじゃないですか。私はもう貴方と付き合う気はないって。今日ここに来たのも王妃様に会うためです。貴方に会いに来たわけじゃないです。それではさようなら」
「待て!シャルディア!」
通り過ぎようとすると、自分の進行方向にざざっと出てくるレオン。邪魔である。
「なんですか?私はもう話はありません。というか婚約者殿がいるのにその言動不誠実ですよ」
露骨におまえエミがいるんだからもう私にかかわるなよ。といっても、安定のバカ。
「エミとは別れるつもりだ。もう問題はない。それに今の私にはお前がいるのだから。父上や母上にも私がなんとか説得しよう。だからシャルディア、ゆっくり話し合って互いの将来のことを考えよう」
問題ありまくりです。
「いやいや。王妃様待たせていますので!それではさようなら!あっ、宰相殿ご機嫌麗しゅう!」
いいところに宰相様が!
「おお、シャルディア様。これはこれは。ん?レオン様何をしておられるので?」
「いや、なんでもない、ただの挨拶だ」
笑顔で私に挨拶、レオン王子に不審な顔で質問する宰相様。レオン王子は一瞬忌々しげな顔をしたが、去って行った。
「・・・ということがあったのさ」
「馬鹿を超えて何かまずいですね。何考えているんですか」
ドン引き超えて何か怖がるマリー。まぁわからんでもない。
「一応その奇行には理由があるみたい」
あれから王妃様と世間話したのだが、第二王子であるリエン様の次期国王はほぼ確定らしい。覆すためにはそれ相応の成果を上げなくてはいけないが、ほぼ絶望的。
可能性があるとすれば私が王妃になること。他国との関係が深いブラッドアイ一族の娘、高度な王妃教育を過去例を見ない程の好成績で修了しているだけでなく、この国の大半の貴族から人望厚く、しかも他国でも人気が高い(原因は隣国の社交界の顔役である伯母)私が王妃になれば影響力の面から評価も変わるだろうと。そういう噂が流れているらしい。
無論それだけで国王就任が確定するわけではないが、可能性は0ではないようだ。あらやだ私の評価ストップ高ね。
「つまり、お嬢が好きというより、国王になるためだけにお嬢とよりを戻そうと必死なわけっすか?ちょいと舐めすぎてません?」
いつもみたいに笑わずに不愉快そうに眉をひそめるミリア。普段いい加減だけど私のために怒ってくれる優しいところが大好きよ。
「大丈夫よ。王妃様にも言っておいたから。もうそんなことはないでしょ。」
その通り王子は説教を受けて私に不用意に接触することはなくなった。しかし、その後はパッとした成果も出せず。結局次期国王は弟のリエン王子に決定と国内外に喧伝された。
今ではすっかりやる気をなくして、能力も平凡なのですっかりくたびれた死んだ目で普通の男になっていたとのこと。ご愁傷様。
後日談や設定が大好きなので、つい本編並みに長くなってしまいました。
少しでも楽しんでもらえれば幸いです。




