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13.奇跡の力の源

 ぺたぺたと素足のまま歩く。少し道に迷って今は貧困層のエリアを移動中だ。身なりは汚いままだが誰も俺のことを避けたりしない。


「やぁお嬢ちゃん。ひとりかい?」


 貧困層のエリアには似つかわしくない、少し小奇麗な格好をした男が声をかけてきた。


「え、そうだけど?」


 見たらわかるだろう? 俺はポカンとした表情を浮かべた。

 男はきょろきょろと周囲を見回し、鞄から何かを取り出そうとごそごそしながら近づいてくる。

 何か食い物でもくれるのかな?


 男は布のようなものを取り出しそれを俺の口に押し付けて担ぎ上げた。


「ぐへへ、これは良い拾いもんしたぜ!」


 しまった!こいつは人攫いだ!


 担ぎ上げられたら体に力を入れてはだめだ。全身から力を抜く。そうすると重くなる! だが体が小さいのだから全く意味が無いことに気がついた。


 俺は身体をひねってもがいた。大人しかったものが急に動き出したから男は抑えきれなかった。俺は上手く着地して男の手を逃れた。


 このまま逃げても追いつかれるだけ。次捕まったらもう逃げられないだろう。俺はだめもとで戦うことにした。


 奇跡の力で体の能力を向上させる。


 渾身の右ストレート!!


 男の顔面を思いっきり殴る。多少はダメージを与えられるはず! だが俺が想像していたよりも男は遠くへ吹っ飛んだ。


 男はぐったりとしている。死んだか?

 気絶しているようだが大したことはなさそうだ。

 少し気の毒な気もしたが、きっと他にもたくさんの悪事を働いていたに違いない。

 悪党め!これは裁きの鉄槌だ!


 貧困層で怪しげな男がうろついているのは然るべき人に報告するとして、これ以上トラブルに巻き込まれないように早く神殿に行こう。


 俺は凄いことに気がついてしまった。それは奇跡の力の源についてだ。俺はダンジョンばかり通っていたから、神殿で神に祈りを捧げることはあんまりしていない。それにも関わらず奇跡の力は毎日祈っている神官達よりも優れていた。つまり神への信仰などは奇跡の力に影響していない。奇跡とは強い想いによって引き起こされる現象。つまり信じる気持ち。内に秘める力を開放するのだから自分を信じる気持ち。それが奇跡の力の正体だ。言い換えれば自分への信仰心!


 いやー、悟りの境地に達してしまったな。人攫いのおっさんがきっかけになったのはしゃくだけど。

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