3の4 定住場所にグランピング的な話
全方位岩肌むき出しの洞窟。ダミーの最下層の宮殿のさらに下にある階層。ここに来るまでに紆余曲折なんてものはまったく無く、立ちはだかるモンスターどころか生き物すらまったく出会わずにマイダンジョンの真の最下層っぽい階層までたどり着く。最下層もまったく同じでザ・洞窟って感じ。どこからか水の流れる音が聞こえる。それにしても広大だなあ天井も高くて無限かよって高さ。今までの階層の何倍もの広さの岩場を歩いて低い草丈の植物が茂るその場所にたどり着いた。地下水脈と地底湖の畔。その周辺いや最下層全体がみょうに明るい。人工照明なんだろうか?
『ある程度、地上のサイクルに合うように昼と夜になるように調整されています。』
はあ、さいですか。なんかご都合主義な設定ですねえ。は置いといて、なんか岩肌ゴツゴツでも落ち着く雰囲気、上の宮殿は豪華過ぎてなんだか落ち着かない。
『宮殿の倉庫を探せばテントや寝具、調理の魔道具が見つかるかもしれません。雨や強風などの天候的なイベントは存在いたしませんし生活出来ない温度湿度にはなりませんので屋根も壁も必要ないですし、仮の施設だけで本拠として充分活用できます。何よりこの階層にダンジョンコアがございますのでマスターの御座所としては適しておりますかと。』
結局、最下層で見つけた地底湖の脇の芝生というか草原みたいな場所を定住地と決めて必要な荷物はどうしようなんて考えていたら
『ダンジョンマスターと眷属の権限でダンジョン内なら好きな場所に転移できますよ。』
転移紋を通って来たけど、転移紋の意味あるの?
ということでやってきました宮殿倉庫。自分自身のことは思い出せないけど、前世の道具は覚えてる。テントに寝袋に薪ストーブに焚き火台、薪に炭各種。
てな事で何往復もして頑張った結果に出来上がりました最下層のキャンプサイト。テントに外には焚火にアウトドア用のテーブルやら椅子やら。テントは俺とサクラで一つづつ。それぞれのテントの屋根には薪ストーブの煙突。大きさは両方とも遊牧民が一家族住めそうな大きめのテント、中は薪ストーブと寝袋じゃなくちゃんとしたベッド。生活に支障のあるような天候は無いとのことなのでテントの中は定住型で外の物は片付ける気無しの置きっぱなしの仕様にしてみた。
「美味しい、」
あまり表情を変えずにサクラがつぶやく。ポーカーフェイスだけど、嬉しそうなのは十分過ぎるほどに伝わってくる。
最下層の地底湖のほとりの野外にキャンプサイトには似つかわしく無い本格的なテーブルと椅子を置いてサクラとお食事。宮殿の倉庫で市販のカレールーを見つけたのでそれに合わせて他の材料も見繕て作ってみた。なんかいいなあ、レトルトの中華料理の素も見つけたから明日はあれを使おうなんて考えていたら少しづつ暗くなってきたので食事が終わったら急いで後片付けを終わらせる。
とは言っても暗くなったら直ぐに寝るわけじゃなく、焚き火を囲んでのサクラとのおしゃべりタイム。ココアを淹れてあげたらいたく気に入った模様。ダンジョンコアも乱入して就寝までの時間を過ごす。 ダンジョンコアって雑談も出来るんだね。心の声というか脳内音声がなんだがあっと言う間にサクラと仲良しになっているし。




