3の3 座敷童な彼女に名前をつけるな話
ここって地表から100階層以上地下で上の層が崩壊して閉ざされたダンジョンじゃなかったっけ?
『地震や侵食により途中は崩壊しましたが最上階層の5階層までの無事に生き延びた洞窟がマスターの登場にてダンジョンとして再生しております。もともとがひとつのダンジョンであったためにダンジョンマスターとその眷属はそちらへ転移が可能となっております。』
なんだかご都合主義だと思いながらも、なんとかなったと胸を撫で下ろす。
『この階層にも先代の残した食料もございますので外に出るのはチュートリアルと住環境の整備が終わってからでよろしいかと。』
そういうことは先に言ってほしいもんだと思いつつ、食料のある場所を聞いて材料を探して食事の準備をする。
座敷わらしと二人で食事を取りながら座敷わらしに問いかける
「そういや名前を聞いていなかったね。教えてくれるかな?」
「無い。」
とても簡潔なこたえ。
「主の名前はハジメ。」
そういや、自分の名前を忘れていた。思い出せなかった。どうやらこの娘は前の世界の記憶を思い出せてくれるようだ。そういや、あの家にはきれいな花を咲かせる桜の木が有ったよな。
「名前が無いってのアレだし、サクラでどうかな?」
「うん、サクラにする。」
いとも簡単に座敷わらしの名前が決まった。
それから、サクラと二人で宮殿内を見てまわる。この階層は1階層分って言ってたけど宮殿は平屋じゃないからそれに合わせて4、5階層分有りそう。しかも造りが豪華過ぎて落ち着かない。ダンジョンのラスボスの魔王様の王宮仕様っぽいしね。
そういや表向きの最下層って言ってなかったっけ。
『はい、さらに地下にあと10階層がごさいます。』
どうやって行くんだろう?と思っていたら、
『この階層からすぐ下の階層への移動手段は転移紋のみとなっております。そこから下は転移紋と階段どちらもございます。』
との解説、
本当に無駄に豪華でおちつかない。
『下の層を見てみますか?環境は穏やかなので寝具さえあれば、いや寝具のない状態で外でお休み頂いても充分に体力を回復できますよ。』
そんなもんなのかと思いつつ、下の階層への詳しい行き方を聞いてみた。




