玲真の存在、魔王が知る
今回、魔王が初めて出てきます。
魔大陸、そこはあらゆる屈強な魔物や魔獣、そして魔人達が住む大陸……そこの中央には、巨大な城があり、魔王と呼ばれる存在が住んでいた……。
コツ、コツ、コツ、コツ
その魔王が住む城を歩く1人の人物がいた。彼はビザルスト・ワーティガン、魔王直属の精鋭達、魔人十二柱のリーダーである。
「なんだなんだ!!戻っていたのか兄貴!!」
「ガンクか、息災の用だな」
「お兄ちゃ~ん、お帰り~」
「レルヴィ、お前もいたのか」
彼に声をかけてきたのは、弟のガンク、妹のレルヴィだった。二人もまた、魔人十二柱のメンバーだった。
「お前達、任務は遂行出来たのか?」
「もちろんだ!!この間も性懲りもなく来た船団を、全部返り討ちにしてやったぞ!!」
「私も~勇者達が来たから溶かしてやったわ~」
現在、勇者達は何度も魔大陸への上陸を試みているが、必ず失敗に終わる。それは、魔人十二柱のメンバーに、勇者達は誰一人として勝てないからである。
「兄貴はどうなんだ!!確か童大陸に偵察に行ってたんだろう!!」
「違うよ~清大陸に行ったんでしょ~」
「どちらも違う、俺が行ったのは交大陸だ」
「そうだったか!!それで、何か見つかったのか?」
「ああ、それをこれから魔王様にご報告に向かう」
「何が見つかったの~?」
「・・・・・・ガルゴ様の力を持つ者を見つけた」
その瞬間、二人の表情が一瞬で変わる。
「そ、それは本当か兄貴!!本当に先生の……!?」
「ああ、確認もした。間違い無い」
「せ、せせせ、先生が?戻って……?」
「レルヴィ、焦りすぎだ、まだ力を持つ者を見つけただけだ。ガルゴ様が復活した訳じゃ無い」
先程までから一転、レルヴィはかなり焦っている。その理由は、この3人とも、ガルゴが育て上げた弟子だからである。
「だが可能性が出てきたのなら!!遂にこの戦争を終わらせられるかも知れない!!さすがガルゴ様だ!!まさか本当に……!!」
「ガンク、あまり騒ぎ立てるな、糠喜びになるぞ」
そして、ビザルストは一人大広間に出る。そこの玉座に、その男は座っていた。
「魔王様、ご報告があります」
魔王と呼ばれるこの男が、玲真に力を貸しているガルゴの弟である。
「ビザルスト、私を魔王と呼ぶな、真の魔王は私では無い……何かあったか?」
「はい、実は急ぎご報告しなければならないことが……」
「なんだ?確かお前は交大陸に行っていたな」
「はい、その時に……ガルゴ様のお力を持つ者を発見致しました」
その時、一気に辺りの空気がざわめき立つ。
「それは……真か?兄上の力を……発見したのか?」
「はい、まだ使いこなしていないようですが、間違いなくガルゴ様のお力を使っておりました。事実、龍破と哭破を持っていました」
「そうか……そうか!!良くやったぞビザルスト!!まだ可能性の段階だが、兄上が戻ってくるやもしれん!!遂に……真の魔王が戻る!!」
「これからは、私が定期的に見張ります。今回見つけた可能性、簡単に消えて貰っては困ります」
「頼むぞビザルスト……兄上……今しばらくお待ちを……このアルゴ……必ず復活させます」
玲真の存在が、魔王に知られた瞬間だった。こうして、玲真も魔王に目を付けられたのであった。
次回は玲真達に戻ります。




