秘密を話す、告白する
今回、少しあれな表現が含まれます。
「なんで……そう思うんだ……?」
一体いつから……いや、ガルゴでは無いんだけどね。力があるのが……それでバレた?
「あの時……実は少しだけ……会話が聞こえたの……獄炎王の復活って……だから……」
聞かれてたのか……どうするか……ラミエラの事は信用している、だけどガルゴの名前は人間達にとって脅威としてデカすぎる、勇者を殺してるからな……もしかすれば……俺はラミエラと戦うはめになる。
「本当は……聞かない方が……良いと思った……けど……」
・・・・・・恐怖、か。そりゃそうだ、話を聞く限り、ガルゴはあのビザルストよりも強い。そんなのが復活する可能性があるのに黙って知らんぷりは出来ないよな……。
(どうするんじゃ?決めるのはお主じゃぞ)
ああ、分かってる……言うしか無いか、ラミエラとは戦いたくない。もしそうなりそうなら……俺は全力で何処かに消えよう。またキレエヌの森のダンジョンに行くのもありだ。
「・・・・・・・俺は獄炎王じゃないよ」
「そう、だよね……よかった……」
「だけど、獄炎王の力は持ってる」
「え……?」
安堵した表情もつかの間、またラミエラの顔が青ざめる。そんなに怖いか……。
「お前には話しただろ?俺には加護があるってさ」
「うん……まさか……」
「そう、俺は獄炎王の加護を持ってる。この世界に来てからすぐにな」
俺は包み隠さず全て伝えた。俺の力、この一対の魔剣、どうして手に入れたのか、俺の体にガルゴが宿っていること、全て伝えた。
「・・・・・この力を持ってるから、ビザルストは俺達を生かした。獄炎王の復活の可能性があるから」
「そう……だったんだ……」
「・・・・・・怖いか、ラミエラ」
「そんな……事は……!!」
「隠さなくていい、俺には全部見えちまう」
ラミエラの感情、ずっと青い、恐怖を感じている証拠だ。
「ラミエラ、お前はもう自由に生きる力がある。無理して俺に付いてくる必要は無いぞ」
「え……?」
「今のお前の実力なら、実家に帰らなくても生きていけるだろう。お前が辛いのなら……俺は消える」
そう言い、俺は走り出そうとした。つらい、ああ、やっぱり人付き合いは、好きじゃないな……。
「やだ!!」
タッタッタ、ダキッ
ラミエラが、後ろから抱きしめてきた。こいつ、こんなに早かったか……?
「私はレイシン君が好きだから!!だから一緒にいる!!獄炎王とか、そんなの関係ない!!レイシン君はレイシン君だもん!!一緒に居たいの!!」
「ラミエラ……お前……」
「私が怖かったのは……レイシン君がもしかしたら、獄炎王になってしまうと思ったから……レイシン君が居なくなるのは、もっとやだ!!」
そう言いながら、ラミエラは泣き出した。そんなこと、怖がっていたのか……お前……。
(お前にはなじみは無い感情かもしれんがの、己の好きな相手が消えるっちゅうのは、辛いのじゃぞ……)
ガルゴが少し暗い雰囲気で話す。お前も誰かを失ったのか……なあ、俺がお前になっちまう可能性は?
(無いぞい、わしの完全な力は人間の器には入りきらん、お前でも弾けちまうぞい)
喜べばいいのか……複雑だな……
(それよりほれ、娘が自分の気持ちを吐露したんじゃ、お主も本音を言わんか)
ああ、分かってる。ラミエラが本音を話してくれたんだ。俺も言わなきゃな……。
「ラミエラ……ありがとう……お前には,本当に救われた」
「レイシン君……」
「ラミエラ、お前が好きだ。誰よりも守りたい、一緒に居させて欲しい」
そういうと、ラミエラは抱きしめる力を強くした。
「私も……大好き……ずっと……一緒に居たい……」
「ラミエラ……」
クイッ、スッ
俺は、今度は自分からキスをした。額では無く、きちんと唇に。あーやばい、顔が爆発しそうだよ。
(かっかっか!!ようやくかい!!長かったの!!)
うるせぇ……まあ……そうだけどよ……
「・・・・・そ、それじゃ、戻るか」
そう言って、俺は宿に戻ろうと促すが……
「・・・・・・・・・・」
ラミエラは、服の裾を握ったまま動かない。
「その……別の宿に……行かない……?」
「え?なんで別の宿、に………」
「・・・・・・・・・・」
ラミエラの表情を見て気付いてしまった。かなり赤くなっている。そうか、二人に、なりたい、のか……。
(どうするんじゃどうするんじゃ~?安心せい、わしは見れぬからの)
何を安心すれば……さて……うん……
「それじゃ……別の宿に……行くか」
「・・・・・・・・うん」
そうして、俺達は別の宿に行き……俺達はまた一つ、大人の階段を上ったのだった。
まあ、テンプレですね。次回はまた依頼です。




