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二人の会話、似たもの同士

今回は、久しぶりにほのぼのしてます。

「ねえ……レイシン君……止まって……」


「ん?ああ、分かった」


ドルシンに向かっている途中、俺はラミエラに言われたので素直に止まった。どうしたのだろう。


「気持ち悪くて……吐きそう……レイシン君……早すぎ……もっと速度……落として……」


「あ、ごめん」


そういえば俺の俊敏性かなり上がってたんだった。ラミエラには少しきつかったか。


「うぅ……それで、これから、どうするの?」


「ん?ああ……とりあえず、冒険者の仕事をしようかなと」


よく考えれば俺は冒険者になってから仕事を一度もしたこと無い。資金が必要になるだろうし、稼げるだけ稼ぎたい、それでもかなり残ってるけど。


「それじゃ……冒険者登録するの?」


「いや、実は俺もう登録してあるんだよね。確か……Cランクだったかな」


「Cランク……?AかSじゃないの?」


「ああ~、いや、その頃はまだ普通の強さだったし……」


「普通……レイシン君が……?」


おいなんだそのお前は普通じゃないみたいな言い方は、他の異世界転移に比べれば常識的な強さだろ!!


(知っとるか?常識的な奴は時速何百キロも出せんよ)


あ~あ~聞こえない俺は普通俺は普通。


「それじゃ……私も冒険者になる……」


「ああ、それも考えてるし……冒険者ギルドで魔物の素材換金できないかなと」


あのダンジョンで手に入れた素材、ある程度を売り払いたい。多すぎても正直いらない、それに……。


「拠点となる家が欲しい、さすがにいつも宿ってのは、さ……」


「お家……二人の……ふふっ」


やめてくれ、変に意識してしまう。別にやましい思いとか無いから。


(くくく、お主の子供が拝める日が、案外近いかのぉ……)


うるせージジイ、やましい気持ちはないっての。


「ま、まあそんな訳で、できるだけ稼いで、家を買って、そこからまた何処かに旅に出れたらなぁと……それが当面の目標だな」


「うん、分かった……レイシン君」


「ん?なんだ?」


「学園を卒業したのに……故郷に連絡しなくて、いいの?家族がいなくても……心配する人は?」


・・・・・・・・・あ~、そっかそっか、そうだよなぁ……ラミエラには話すか。


「実はな、俺はこの世界に知り合いってほとんどいねぇんだ。まだ……八ヶ月か、この世界に来たのは」


「え……?」


「まあ、順を追って説明してやるよ」


それから、俺は今までの事を話した。俺はこことは違う世界から来たこと、その場所がたまたまキレエヌの森だったこと、帰れないと分かったので、こっちの世界で生きることを決めたこと、その森で龍破と哭破、そして加護を手に入れ、強くなるために修行をしていたこと、そして……戦闘の為のスキルが全てA級になるのに七ヶ月かかったこと、そして森から脱出した後、ドルシンのギルドマスターの手引きで、あの学園に行ったこと、そこで初めて、友達が出来たこと、話し終わった頃には、辺りは暗くなっていた。


「とまあ、こんな感じだな」


「そうだったんだ……大変だったんだね……」


「ま、そのおかげでラミエラに会えた、そう思えば楽だよ」


「う、うん……」


・・・・・・・・あれ、おかしい。なんだかめちゃくちゃ恥ずかしい、顔から火が出そう。


「レ、レイシン君は、他に家族は……?」


「いるよ、兄貴と妹が。妹はリリエルさんみたいに罵声を浴びせてくれるよ、全く……兄貴は、俺と妹に興味が無いから、特に話すこともないんだよな」


「そうなんだね……似たもの同士だね、私達」


「そうだな……さて、そろそろ行くか。俺達なら暗くても問題ないだろうしな」


「う、うん……レイシン君?あのね?出来れば……」


「速度を落とせ、だろ?大丈夫、ゆっくりにするよ」


「よかった……お願いね?」


「ああ、それじゃ……行くぞ」


ヒュン……


確かに速度は落ちていたが、それでもかなり早くて結局気持ち悪くなった……ラミエラは、これからは馬車に乗ることに決めた。

次回は、久しぶりにギルドマスターと受付の子が出てきます。

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