ラミエラの戦い、戦い方を知る
今回はラミエラ中心です。
「ど、どうしよう……」
ラミエラは現在、自分の得意な魔法を無効化する敵、ゴーレムと対峙している。玲真に任せたと言われたが、実戦経験の少ない彼女には、どうすればいいのか分からなかった。
〈ギー、ピー〉
カシャン
「・・・・・・・・・・!!」
ダダダダダダダダダダッ
ゴーレムの腕が変形し弾丸が射出される。この一発でも当たれば彼女は死ぬ可能性がある。玲真のように避ける事も出来ない。
「中位防御結界・陣!!」
かろうじて無属性魔法の防御結界で弾くが、それでも彼女には攻撃手段が無いことには変わりなかった。
〈ギー、ピー〉
カシャン
今度はゴーレムの腕が刃に変形する。そして、ラミエラとの距離を詰めて、彼女を両断しようとする。
「爆炎砲!!」
ボォン!!
中位魔法で吹き飛ばして距離を取るが、ゴーレムには傷一つ付かなかった。
「どうすれば……」
〈ピー、ギー〉
ズン、カシャン
ゴーレムは立ち上がると、刃が別の形に変形する。
「なに……?」
バシュン
ゴーレムは、刃を弾丸として射出した。
「嘘……!?」
ヒュ、ザクン
「う、ぐ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
かろうじて急所は避けたが、ラミエラの肩に刃が突き刺さってしまい、壁にまで貫通して、身動きが取れなくなってしまった。
〈ピー、ギー、ピー〉
カシャン
ゴーレムは再び腕を刃に変形する。今度こそ、敵を両断するべくラミエラに近付く。
「ふ、ぐ、うぅぅぅぅ……」
ラミエラは、恐怖で泣き出してしまった。今まで感じた事の無かった本当の死の予感。今までは、魔人に襲われた時でも玲真が近くにいたからそこまで恐怖を感じなかった。しかし、玲真は今自分の近くにいない、このままでは本当に死んでしまう。その恐怖心が今の彼女の心を支配していた。
(私、死ぬのかな……ようやくチャンスが来たのに……レイシン君に、凄い奴だって言って貰えたのに……)
ラミエラは、玲真と出会ってから、それまでの人生では無かった楽しい思い出を思い出していた。
(攻撃魔法が効かない相手……結局私は……あれ?)
ふと、ラミエラは玲真が言っていた事を思い出した。
(攻撃魔法が効かない……?っていうことは……攻撃じゃない魔法なら効く……?)
〈ピー、ギー〉
「!!」
気付けば、ゴーレムはラミエラの目の前に立ち、刃を振り下ろそうとしていた。
「ぐ、地面陥没!!」
ラミエラは、一か八か試した。この魔法は攻撃魔法では無く、罠として使われる事の多い魔法だった。地面に穴を空ける、その程度の魔法だった。
バコン
〈ピ、ピピピピ、ピ〉
「え……?」
だが、その魔法がゴーレムの固い体に穴を空けた。玲真も知らない事だが、魔物の魔石が媒体で出来るゴーレムの体は、地面と同じ材質で出来ているのである。だからこそ、攻撃魔法では無い地面に穴を空ける魔法で、体に穴を空けたのだった。
「まさか、本当に……?」
〈ピ、ギー〉
だが、それだけではゴーレムは止まらなかった。再びラミエラに刃を振り下ろす。
「ぐ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ブシュ、ズガァン
ラミエラは肩の刃を抜き、ギリギリでゴーレムの攻撃を避けた。
「まだ……死ねない……諦めたくない!!」
〈ピー、ギー〉
ゴーレムはラミエラに再度攻撃を仕掛ける。
「くっ…………!!」
バッ、ズガァン
ラミエラは魔法で防御しないで攻撃を避けた。
「約束したから……一緒に行くから……レイシン君と……!!」
〈ピピピピ、ギー〉
カシャン
ゴーレムの腕が、また変形する。今度は刃とマシンガン、両方を使う。
「地面陥没!!」
バコン
今度はゴーレムの頭に穴が空く。そして、頭の中に媒体である魔石が見えた。
「あれを、壊せれば……!!」
ラミエラは集中する。あの魔石一点に狙いを定める。ここで当てなければ、ゴーレムは再び攻撃してくる。外すことは出来ない。
「光線弾丸!!」
プシュン、パキン
〈ピ、ガガガガガガガガガガガガ……〉
ドシャン
魔石にも攻撃魔法無効化がある可能性もあったが、そんなのお構いなしに撃ち込んだ光魔法は、ゴーレムの魔石を砕き、砕かれたゴーレムは崩れて消えた。
「勝て、た……?っつう………」
ここでラミエラは、自分の肩を怪我していることを思い出した。
「中治癒」
ラミエラは自分の肩に治癒魔法をかける。完全には塞がらないが、それでも痛みは消えた。
「私……本当に……勝てたんだ……」
ポン
「わっ……」
「だから言ったろ?お前は凄い奴だって」
いつの間にか、玲真が後ろに立っていた。
「レイシン君……私……」
「よくやったな、本当に凄いよ。ラミエラ」
「う、うぅぅぅぅ……」
ポスッ
ラミエラは、玲真の胸でまた泣き始めた。自分を認めてくれる相手がいることが、どれだけ幸せか、彼女はここで知ったのだった。
次回は、少し先に飛びます。




