ボス登場、絶望を知る
今回は、少しやばいのが出てきます。
「さて、これで何日経ったのかな……」
ゴーレムとの戦闘の後、ラミエラは戦い方を改め、ただ魔法を放つのではなく、動きながら戦えるようになった。ちなみに成長率も上がった。
ラミエラ・バーボートン、18歳、女、成長率85
体力6500
筋力5800
防御力3650
俊敏性7700
魔力6500000
スキル、剣術F級、炎魔法(中位)、水魔法(中位)、風魔法(中位)、雷魔法(中位)、氷魔法(中位)、光魔法(中位)、闇魔法(中位)、土魔法(中位)、毒魔法(中位)、無属性魔法(中位)、治癒魔法(中位)
固有スキル、魔法複合(違う魔法を同時に発動出来る)
やはり、加護のある俺の上がり方がおかしいのか、そろそろ上がるのが止まりそうだ。
(まあ、このダンジョンだからこそここまで上がるのであって、普通のダンジョンだったらこんな上がり方はせんぞ)
だろうな。おおかた、このダンジョンもお前が作ったな?
(否定はせぬが、全部では無いぞい。場所を作っただけであって、中はわしじゃないぞい)
あっそう……しかし、そろそろ外に戻ってもいいかも知れない。つうか時間感覚が分からない、やらかしちまった。まさか、既に一週間経ってたり!?
(んな訳あるかい。せいぜい三日か四日じゃよ)
そうか、良かった……あれ?そういえば何で空腹感じてないんだ……?
(あいつがそういうふうに作ったんじゃろ、その辺りはわしはさっぱりじゃ)
あいつとは誰でしょう?
(それはその内じゃよ)
相変わらずけちぃおっさんですなぁ~。
(やかましいわい、ちなみにこのダンジョン、奥にいるダンジョンマスターを倒さんと出れぬからな?そこはわしが作ったからの)
マジかよ……ダンジョンマスターって何、ボス的な奴でいいのか?
(それで合っとるぞい。ちなみにダンジョンマスターはランダムで生まれるからの、わしも何かは知らん)
ええ面倒くさい……まあしかし、結構動けるようになってるし、大丈夫だろ。
(だといいがの……)
「レイシン君……また、何か大きいのがいる……」
「またかよ、今度はなんなんだ?」
「ううん……?なんだろう……生き物なんだけど……」
やれやれ、ラミエラの探知で引っかからないのか。また馬鹿でかい奴かぁ?
「まあ、とりあえず行ってみるか……」
「うん……」
そうしてしばらく歩くと、突然開けた場所に出ることが出来た。もしかして、ここにダンジョンマスターがいるのか?
「レ、レ、レ、レイシン君、あ、あれ」
ラミエラが怯えている。なんだ?
〈ほう、ここに人間が来るのは350年振りだ……わざわざ我に食われにきたのか〉
俺達の目の前にいるこの喋る生物、この翼、シルエット、おいおいおいまさか……。
「な、な、なんで、ドラゴンが?聖大陸にしかいないはずなのに……!!」
ラミエラが震えてる。当然だ、俺だって怖い。成長率115あるはずなのに、震えてる。
(あやつ、こんな物を配置しておったのか……!!)
〈おや?そこの人間の雄には加護があるようだ、加護のある人間は旨い、貪りたいなぁ〉
こいつ、俺のステータス全部見えるのか!?いや、誰の加護かは見えてねぇ!!だけど……!!
〈そこの娘の魔力、とても旨そうではないか……ご馳走が歩いてきたなぁ……〉
「ひっ………!!」
こいつ……!!ステータスは……!!
バイスドラゴン・カタール、成長率300
体力3000000
筋力900000
防御力500000
俊敏性60000
魔力800000
スキル、光魔法(上位)、土魔法(上位)、重力魔法(上位)、風魔法(上位)、龍族の真眼
・・・・・・・・冗談じゃねえよ!!
「ラミエラ、逃げるぞ!!」
〈待て待て、ご馳走が逃げるんじゃない〉
バシィン、ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
あのドラゴンが地面を尻尾で叩くと、俺達の退路に壁が現れる。やばい、やばいやばいやばいやばい!!
〈くっくっくっく、さあどうやって食べてやろう。生きたまま頭からか?それとも足から?悩むなあ〉
これは……マジで死んだかも知れない。どんなに頑張っても負けて食われる未来が見える。
「レ、レイシン、君」
ラミエラが泣きながら俺の腕を掴んでくる。すまねえラミエラ、俺が安易だった……。
「私、後悔してないから、レイシン君に会えて、嬉しかった、から」
ラミエラ……俺だって……
「俺の方こそ……お前に救われた……生まれて初めて友達が出来た……ありがとう、ラミエラ」
「うん……うん……!!」
ここで終わりか……案外、悪く無かったかもな。ラミエラに会ってからは。たかだか七ヶ月だったが……この世界に来れて良かった。
(何を諦めとるんじゃドアホがぁぁぁぁぁぁぁ!!)
うわうるさっ!!どうしたんだよ突然。
(お主、この程度のドラゴンに何を絶望しておる!!)
いやいやいやいや……だって見ろよこのステータス差、あの図体だから俊敏性こそ俺が勝ってるけど、他は大敗なんだよ。いくら魔剣が合ってもこれじゃ……
(たわけ!!そんなんでいいのかお主は!!)
人生諦めも肝心なんだよ……きっと。
(ええか思い出せ!!この森で!!お主は七ヶ月前に誓ったはずじゃろう!!自由に生きると!!誰にも縛られずに生きると!!ならこの程度の壁、打ち壊してみんか!!)
だけど……どうやって……
(お主の新しいスキル、二刀流を使うんじゃ)
二刀流を……?だけど、C級のスキルだぞ?
(大丈夫じゃ!!お主を信じろ!!問題ない!!わしがついとる!!生きて、その娘を助けてみんか!!)
・・・・・・・・・ちくしょう、このジジイ、簡単に言ってくれるぜ。
「ラミエラ……少し、待っててくれるか?」
「え……?レイシン、君?」
震える体を、俺は無理矢理立ち上がらせた。正直怖い、冗談じゃなく怖い、それでも……まだ、諦めない。
〈おや?絶望していたのに立ち上がるのか?よいよい、いくらでも抵抗するがいい。その後ゆっくりと食べてやる〉
「うるせえ……人間舐めんじゃねぇよ、トカゲが」
そして、俺は龍破と哭破を抜いた。この魔剣と聖剣、ちゃんと扱えるか分からないが……それでも!!簡単に終わってたまるか!!
次回、ダンジョンでの修行が終わる予定です。




