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覚醒後のステータス、同行人を得る

今回、玲真のステータスがおかしい事になります。

ダンジョンの外、そこには、もう既にほぼすべての生徒が外に出ていた。


「後戻って来ていないのは……レイシン君のペアだね」


「大丈夫でしょうか……」


学園長と供に玲真達を待つこの男は、玲真の入学初日に講義をしていた講師である。


「問題ないさ!!彼は私よりも強いからね!!このダンジョン内に彼の敵はいないさ!!」


この学園にあるダンジョン、実は学園長が過去に最深部まで潜ったことがあるのである。


「だといいですが……」


「あの転入生、バーボートン家の落ちこぼれと組んだんだってよ……」「マジで?見る目ねぇな」「転入初日にあんなことしたから誰も組もうとしなかったんだろ……」


「・・・・・・・あんな化け物が、あいつがいる程度でどうにかなるわけ無いじゃない」


リリエル・バーボートンは、彼の戦いぶりを見て戦意を失い、外に連れ出されていた。


「むむ!?戻って来るじゃあ無いか!!やはり彼は問題な……い……?」


ダンジョンの中から玲真達が戻って来る。しかしその姿は……決して無事とは言えない状態だった。





「ゲホッゲホッ、ゴホッ、クソ、全身いてぇ」


「もう外に出れたから、後少し、頑張って」


あの後、コボルトの群れの死体を解体バラす気力が無くなった俺達は、取りあえずコボルトの死体と魔人の死体両方を全て収納箱ボックスに入れて外に出てきた。ちなみに今はラミエラに肩を借りてる。なかなか情けない格好だな。


「レイシン君!!なんだいその怪我は!!一体何が!?」


俺の姿が見えて学園長が寄ってくる。


「ええと、ちょっと、ゴホッ、襲われまして……」


「ちょっとじゃ無いだろうその傷は!!まさか、昨日の……!?」


「ええまあ、半分合ってます」


刺客を送ってきた相手が予想外だったけど。


「まあ、相手は倒したんで……ゲホッ」


「こんな事をしてる場合じゃ無い!!早く医務室に……!!」


「ああ、いや、その前に……」


俺は収納箱ボックスの中に入れてた物を全部出した。


「これ、点数化お願いしますね……後、は……」


あれ……?俺、倒れてる?


ドサッ


「レイシン君!!救護班早く!!」


「いや、レイシン君!!しっかり……!!」


大丈夫、だ、ラミエラ……少し……気を失、う……だ……け……




「ん……?ここは……?」


気付けば俺は、何処かのベッドに寝かされていた。


(ようやく起きたかい、やれやれ、ハラハラさせるわい)


目が覚めてすぐにガルゴが話しかけてくる。仕方ないだろう、逃げられなかったし、やらなければ死んでいた。


(まあ、そのおかげでお主も完全に覚醒したからの、良かったわい)


そういや騒いでいたな……覚醒したのか?俺


(うむ、ステータスを見れば分かるぞい)


ステータスを?そういや魔人を倒したから上がっていそうだな……ステータスオープン


安藤玲真、18歳、男、成長率115


体力480000


筋力98000


防御力64000


俊敏性178000


魔力40000


獄炎王の加護


ステータス向上・極大


毒物完全無効(あらゆる毒物、猛毒の効果を無効化する)


成長率促進・極大(敵を倒した場合の成長率獲得量が5~10倍になる)


魔法耐性・大(あらゆる魔法攻撃によるダメージを三分の一にする)


獄炎王の真眼(相手の感情を魂の色として見ることが出来る、相手のステータスを見ることが出来る)


スキル、剣術A級、蹴術A級、解体術A級、気配遮断A級、二刀流C級


装備品、魔剣【獄刀龍破】、聖剣【天刀哭破】


なぁにこれ~上がり過ぎじゃな~い?龍破が魔剣になってるし哭破は聖剣になってるし。


(お主が龍破と哭破を両方扱えるようになったからじゃ、効果を見てみい)


効果?そんな物見れるのか、見てみよう。


獄刀龍破【この魔剣はあなたのステータスを2倍にする。この魔剣はすべてを切断することが出来る。この魔剣は破壊されることは無い】


天刀哭破【この聖剣はあなたのステータスを2倍にする。この聖剣はあなたの指定した物だけを切断することが出来る。この聖剣は破壊されることは無い】


・・・・・・・えっと、つまりどういうこと?


(龍破と哭破、この一対の刀の効果でお主のステータスは4倍になっとる)


なるほど~だからこのステータスか~ってなるか。なんだこのインチキ効果、てか他のもう一つの効果、龍破はともかく、哭破がよく分からないんだが。


(簡単じゃ、まず龍破はこの世の森羅万象を斬る事が出来る。何でもじゃ、たとえどんな強固な守りをしようと、どんな魔法を使い防御をしても、それごと斬ってしまう事が出来る)


それだけで強すぎじゃねぇか、やっぱりチートなのかよ。


(まあ、持ち主の強さによって斬れる物は変わるからの。そこまで万能じゃ無いぞい。次に哭破じゃが、簡単に言えば好きな物だけを斬れる)


いや、だからどういうこと?


(例えばじゃ、お主の友であるラミエラが人質に取られたとするじゃろ?龍破で斬ったらあの娘ごと斬ってしまう。じゃが哭破は娘を斬る事無く相手を斬り裂ける。つまり、斬る物を選べるのじゃ)


だからインチキ効果も大概にしろって、龍破よりも質が悪いじゃねぇか。


(ていうかお主、アラックと戦っていたとき、この効果使っていたぞ?気付かなかったんか?)


あ~?そういえば……あいつの魔法をすり抜けた気が……やっぱり強すぎだな。


(当然!!わしの素材を使っているからの!!)


あ、はいそうですね。すごいすごい。


(雑じゃのお主は本当に)


コンコンコン


「失礼しま~す……」


「よお~ラミエラ、大丈夫?」


「レイシン君……!!」


トトトト、ダキッ


「いてて、落ち着いてくれ……」


「あ、ごめん……」


「素晴らしい~!!素晴らしいよこの青春!!」


うるせぇのもおまけでついてきやがった……。


「いやぁ、無事で良かったよレイシン君!!素晴らしい生命力だね!!」


「ああ、ありがとうございます……何の用で?」


「おお!!そうそう、君達の得点を伝えに来たよ!!」


やかましい……俺は怪我人なんだけど……。


「まず、君たちが倒したレッサーデーモン、あれは10点だよ!!」


え、あれで結構高いの?どうなってんだ。


「そしてコボルト、あれは一匹で15点、28匹倒したから420点!!おめでとう!!卒業する権利を得たよ!!」


うわぁ楽ぅ~俺ここに来てまだ一ヶ月~


「そして……こっちが本題、君たちを襲った相手は?」


「あ~……名前は、アラック・ドナー、魔人でした」


「ま、魔人!?そんなものがこの学園に……」


「どうやら昔、バーボートン家に人間として仕えていたみたいで、ラミエラに呪いをかけていたのも奴でした、死体はここに」


そして俺は魔人の死体を収納箱ボックスから出した。


「こ、これが魔人……しかし、魔人が関わっているとは……まさか、魔王が!?」


魔王……ガルゴの弟か?あれ?もしかしてあいつ、ガルゴの知り合いか?


(知り合いも何も、アラックはわしが鍛えたんじゃよ、あの頃はまだまだひよっこじゃったな)


マジかよ、これから魔王に目を付けられるとかない?


(というか、もうこの娘には目を付けとるじゃろうな)


マジか……そういえばラミエラの呪いはどうなってんだ?解けたのか?


(恐らくの、恒久的に消えぬ呪いなら傍にいる必要はないからの)


ならいいが……見てみるか。


ラミエラ・バーボートン、18歳、女、成長率58


体力3000


筋力3500


防御力2000


俊敏性4000


魔力4500000


スキル、剣術F級、炎魔法(中位)、水魔法(中位)、風魔法(中位)、光魔法(中位)、闇魔法(中位)、土魔法(中位)、毒魔法(中位)、無属性魔法(中位)、治癒魔法(中位)


固有スキル、魔法複合(違う魔法を同時に発動出来る)


あっれ、跳ね上がってる。どうしてなの?


(恐らく、今までため込まれていた成長率が一気に解放されたんじゃろ。それに、アラックに魔法を当ててたからの、その分の成長率も得たんじゃろうな)


そうか……けどさ、呪いが解けて今までの成長率が戻ってきたのに剣術F級、しかもこのステータスの伸び方……


(まあ……魔法特化の力じゃな、剣術は諦めた方がええの……)


だよね~、しかし魔法だったらこれ俺でも勝てねぇよ。なんだこの魔力のふざけた数値、加護のある俺よりも高いんだけど。


「・・・・・・取りあえず、魔人のことは神王国サリガナの聖女様に報告するとして……君達はこの後どうするのかな?」


ああ、そうだ卒業出来るんだった……。ここの授業はつまらねぇからなぁ……卒業してもいいんだが……。


「私は・・・・・・・」


ラミエラが悩んでいる。そりゃ、自分の家の事とかあるだろうし……多分……。


「お前さ、多分剣術クラスに残って剣術を上げたいんだろ?」


「・・・・・・・・・うん」


やっぱりな、そうだと思ったよ。


「だけど、呪いが解けたのに剣術のスキルはF級だ。間違い無く、お前は剣術において致命的に向いてない」


「・・・・・・そう、だよ、ね」


ラミエラは静かに涙を流し始める。どんなに頑張っても、父親には認めて貰えない事実、きついだろうな……。


「・・・・・・・なあ、よければさ、俺と一緒に来ないか?」


「え・・・・・・?」


「いや、さ……何だかんだ助けられたし……お前と一緒に走り込みした三週間は楽しかったし……」


(かっはっはっは!!お前は本当に、こういう時は面白いのぉ!!)


やかましい!!慣れないんだよこういうのは!!


「でも……私は……」


「ああもう!!お前がいると嬉しいんだよ!!初めて出来た友達だから!!だから一緒に来てくれ!!」


「・・・・・・・・・・・・」


ポロポロ……


え!?また泣き始めた!?そんなに嫌だった!?


(かはははははは!!この娘の感情の色を見てみい!!答えが分かるぞい!!)


うるせえなジジイ!!そんなの分かって……る?


「グスッ……私で……本当に……いいの?」


色が……緑と淡いピンク……?


(緑は安心じゃ、そしてピンクは……まあ、自分で考えた方が面白いぞ~くくく!!)


こんのクソジジイ……でも……それなら……


「お前でいいんじゃねえ、お前がいいんだよ、ラミエラ、一緒に来てくれ」


「グスッ、グスッ、うん、行く、一緒に、行く」


「ああー!!素晴らしい!!素晴らしいよこの青春!!」


うるせえなこいつも……まあ、一緒に行きたいと思えた奴が初めてだったし……いっか。


コンコンコンコン


「学園長!!学園長はおりますか!?」


「おやおや、どうしたのかね?」 


「実は……ハリアド・バーボートン郷がいらっしゃいました!!」


「お父様……が?」


「・・・・・・・・・・」


やばい、また嫌な予感がする……その予感は、あっさり当たるのだった。

次回、この父親に関していろいろ悶着があります。

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