歴史を調べる、驚愕の事実
今回、この世界の構造と、どういう文化なのか分かります。
サンタラニア聖学園、図書館
「おおう、かなりでかいな……」
「うん……王都の中でも、最大……」
そんなにでかいのか……こりゃあ、探すの面倒くさいな。
「・・・・・・・こっち」
「あ?そっちって?」
ラミエラさん、ズンズン進みますね……もしかして。
「ラミエラ、もう既に何回か魔道書を見に来てたのか?」
「・・・・・・・・うん」
「そうか……だからか」
「?」
「いや、お前さ、かなりの量の下位魔法使えるだろ?読んだからじゃないのか?」
「うん……それも、見えるの?」
「まあ……そうだな」
「・・・・・・ありがとう、レイシン君」
「何がだ?」
「レイシン君が言ってくれなかったら、私はずっと呪いに気付けなかった……だから……」
・・・・・むずがゆいな、こういうのは初めてだ。
「やめろやめろ、まだ何も始まって無いんだから。せめて呪いが解けてからにしてくれ」
「うん……それじゃ、持ってくる……」
そう言ってラミエラは魔道書を取りに行った。さて、俺は……。
「すいません、この世界の……歴史の本とかありません?」
図書館の管理人であろう人に聞く。そう、実は俺はこれを調べたくてここに来たのもある。
「世界の歴史の本ですか?でしたら、こちらなどどうでしょう。読みやすいですし、様々な種族の情報も載っていますよ」
ふむ、様々な種族か、それも知れるならいいかも知れない……。よし、じゃあそれを借りようかな。
「では、それを見せて貰いたいです」
「はい、ではこちらに名前をお書き下さい」
「はい……それじゃ、借ります」
俺は歴史の本を借りてラミエラと合流した。なんだその量、どっかの魔法使いの映画にいたぞ、その量読む魔女。
「レイシン君……歴史の本?歴史に、興味があるの?」
「いや、そういう訳じゃ無いけど……世間知らずだから、俺」
「?」
そんなこんなで、俺は歴史の本を、ラミエラは魔道書を読み始めた。
「・・・・・・・・・ふむ」
この世界は複数の大陸に分かれている。主に人間が支配権を握っている交大陸、鉱石人や獣人が住む童大陸、エルフやドラゴンなどの高位種族の住んでいる聖大陸、魔獣や魔物、魔人が住み、魔王が支配する魔大陸……魔王って居るんだ。他にも知的生命体がいない清大陸、神獣や神が住まう天界の存在も確認されている。天界に通信が出来るのは聖女がいる神王国サリガナのみ。童大陸と聖大陸、交大陸は友好関係を結んでおり、魔大陸とは未だに戦争中……そこで約四百年前に5人の勇者様が生まれ、その力を受け継いだ者達が魔大陸に出向き魔王達を倒そうと試みている。原初の勇者様は
炎の勇者、バーニャ・フェルノー様
水の勇者、スクイーア・ボール様
風の勇者、ベータ・シアード様
光の勇者、メルノ・アタニスク様
闇の勇者、タイチ・ヤマナカ様
・・・・・・闇の勇者の名前……もしかしなくても日本人か!?そんな昔から迷い込んでる奴がいたのか!?
(そうじゃよ?中々に食わせ者じゃったがな)
へえー……ん?お前、会った事あるの?
(下の方を見てみい)
ん~?どれどれ……この世界の女神、エルナーテ様に傷を付け、炎の勇者様と風の勇者様の命を奪った現魔王の兄、獄炎王ガルゴは、残された勇者様達によって討伐され、その素材は一対の魔剣に加工された……。
「はあ!?」
「レイシン君、図書館では、静かに……」
あ、すいません……てかお前、魔王の兄貴だったのか?
(まあの、一応そうじゃよ)
やっぱりやべえ奴じゃねぇか、勇者殺してるし。
(まあ弱かったからの~、タイチ・ヤマナカがいなけりゃ全員死んでたろうな)
てか女神に傷を付けたって……どんなヤバさだよ。何でそんな事に?
(まあ……いろいろあったんじゃ……)
なんだよ歯切れの悪い……一対の魔剣って……龍破と哭破のことだよな?魔剣なのかこれ、納得だわ。
(そうじゃよ、だからこそその性能なのじゃから)
それじゃあ、リリエルさんが持ってたグリッターみたいになんか飛ばせたりする?
(まだ無理じゃ、覚醒しきってないからの)
え、まだ覚醒するのか?すげぇな……。
(当然じゃ、わしの素材で出来ているのじゃから)
うん、そっすね。
「・・・・・・・ん~、読み終わった」
「早くないか……?八冊はあるよな……?」
「うん、慣れてる、から」
「そうか……それじゃ、これからを話したい」
「うん……」
ラミエラの顔が真剣になる。自分の将来がかかってるからな、当然か。
「多分、呪いが解けないとラミエラはまともに成長率を上げれないし、スキルも獲得出来ない」
だからか、魔道書を読んでも未だに下位の魔法しかない。それでもこの量はやばいよね。
「だけど、走り込んで俊敏性を上げる事は出来ると思うんだ」
実はキレエヌの森にいた頃ガルゴに聞いたのだ。成長率を上げなくても、特定のステータスを上げる事は出来るらしい。それでも成長率を上げる事に比べれば悲しいくらい非効率的なので、やる奴は少ないらしいが……それでも、呪いを受けてるラミエラにとってはそれしかステータスを上げれない。
「走り込み……分かった」
「俺も一緒にやるから、三時間くらい走って、少しの期待を込めて……魔法の練習したいな、俺も少しくらい覚えたい」
「ありがとう……優しいね、レイシン君」
・・・・・・優しい?俺が?
「・・・・・そんな事言われたの、初めてだな」
「そうなの?・・・・レイシン君は、優しいよ」
「・・・・・・・・そうか」
何だか……悪い気はしないな、むずがゆいけど。
(かっかっか!!照れ取るのぉ!!その気になれば誰でも脅すお主が!!)
やかましいぞジジイ!!
「まあその……クラスメイトだしな」
「友達……じゃ駄目なの?」
「駄目じゃ……無いけど……そんなの、作った事無いっていうか……ええい、走りに行くぞ走りに!!」
「ふふふ……うん、行こう」
(がっはっはっは!!あの学園長の気持ちが少し分かった気がするわい!!)
うるせえ!!いろいろ複雑なんだよ!!いいから行くんだよ!!
「それじゃ……頑張ろう?」
「・・・・・・・・ああ」
その後、すぐに俺達は走り込みに向かったのだが……十分程度ですぐにバテてしまった。まあ、残り三週間あるので、根気よく行けば何とかなる。そう信じてます、はい。
(もう少し落としてやりゃいいじゃろ……お主の俊敏性、あの娘の十倍以上じゃぞ?)
あ、はい、そっすね。じゃあそうします。そんなこんなでやっていたら……ダンジョン試験まで残り一日になっていたのだった。
意外と初心な玲真です。次回はダンジョン試験前日に飛びます。




