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第4話 最後の祈り
第四話:最後の祈り
その日は、待ちに待った最終面接の結果が出る日だった。
「これに受かったら、もっと大きな部屋に引っ越そうな。ハル、広い公園で思いっきり走ろうな」
出かける前、俺はハルの頭を何度も撫でた。ハルはどこか切なさの混じった瞳で俺を見つめ、静かに「ワン」と短く鳴いた。それがまるで、最後の別れを惜しむ声のようだったことに、当時の俺は気づく由もなかった。
面接の手応えは悪くなかったはずだった。
だが、スマホに届いた通知を開いた瞬間、視界が真っ暗になった。
『厳正なる選考の結果——』
まただ。また拒絶された。
全身の血が引いていく感覚の中、俺は重い足取りでアパートへと向かった。
雨で濡れた階段を上り、自分の部屋の前に辿り着く。
——その時、違和感を覚えた。
鍵をかけて出て行ったはずの鍵穴が、なぜか少しだけ傾いていた。
ドアノブに手をかけると、カチリと軽い音を立てて、ドアが吸い込まれるように奥へ開いた。
「……ハル?」
嫌な予感が背筋を駆け上がる。濡れた靴のまま部屋へ踏み込んだ瞬間——暗闇の中に、見知らぬ人影が立っていた。




