表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキルを奪われてお詫びチートをもらったので余生を楽しく……過ごさせてくれ  作者: 紫楼


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/25

第3話 草。

「クソッタレェェェェ……」


 俺は罵詈雑言を吐きながら、何かの映像が走馬灯のように見える空間を落下した。


 宇宙の無重力……亜空間とでもいうのだろうか、なんかそんな感覚の中、物凄い勢いで引力のある場所に引っ張られた感じだ。


「はぁぁぁぁぁぁ……」


 地に足がついたような安心感を得た後、物凄い脱力感だ。崩れ落ちるまま立膝で座った。


 恐る恐る周りを見渡してみれば、大草原。


 草。


 写真を撮って「w」をいっぱいにしてSNSにアップしたいところだ。


「ここはどこなんだよ……」


 やっべぇ。判断できる建物が何もない。


 じゅんぴーたちからあまり離せないとか言っていたから、近くに召喚者がいる街があるはず。


 詰んだ気持ちになり、とりあえず胸元からタバコを取り出して出そうとして、胸ポケットがないことに気が付いて腰のバッグを探る。手にポンと飛んできたような感覚でタバコとライターを取り出せた。


 便利なカバンだなーと思いながら、咥えたタバコに火を付ける。


「はぁー」


 口に広がる苦みと周りに漂う少し甘い香りで気持ちを落ち着ける。


「はぁー……」


 ……ため息しかでない。


 とりあえず、自分の荷物を確認することにした。


 何を持っているんだろうと考えながらことのバッグを触ると目の前にPCのウィンドウのような画面が現れた。


「おお……」


 なんかいちいち独り言のような声を出してしまうな。


 まずは手持ちの金が大事だ。無一文怖い。


 金貨十二枚、銀貨五十七枚、銅貨三十七枚、銭貨六十一枚。


 ……価値がよくわからんが多分結構持ってるんだろう。


 着替え、靴、水筒、懐中時計、火打石、手帳、マント、この国と周辺国の地図、保存食。


 ……商品らしき、塩や細かい生活用品がある。


 これはあれか。俺の荷物はほとんど身分証の持ち主、ウォリスさんの物っぽい。


 金もかなぁ……


 いつか遺族と会えたら返したほうがいいかもしれない。


 手帳。ちょっと開いてみたら出納帳と日記の兼用みたいな。


 じっくり読んでしまったらダメな気がする……まずは俺の状況を安定させてから、余裕があったら読もう。


 そして改めて自分のスキルを見た。ウィンドウが出てくるのは理解したからな。


「……わぁーお……」


 なんていうか、生活魔法、属性魔法はほぼ網羅していた。

 そして〈転移〉と〈アイテムボックス〉はアニメでよく聞くやつだよな。


 〈生成〉〈隠避〉〈鑑定〉もレアっぽい。


 俺の職業スキルが〈無職〉から〈断罪者〉に代わっていた。


 ……これは無職のままのほうがよかったのでは。


 身分証はやっぱ「行商人」で通すしかないな。見せ(・・)職業スキルは〈商人〉のまま。無難に目立たずにいこう。


 あー……神様がくれたもう一つの特別なスキルは見なかったことにしたい。


 召喚も理不尽でイラつくのに、面倒の後始末まで押し付けようってどうなんだか。


 「……だる」


 タバコが残り数本だと気が付いて〈生成〉を試すことに。


 いつものタバコ、目の前にある物を思い浮かべたらすぐにポンっと宙にタバコが現れた。……残り数本の状態で。


 しまった。


 改めて封を開ける前のタバコを思い浮かべて〈生成〉したら思い通りの姿で現れた。


「ひと箱ずつはめんどくさいな。カートンでいくか」


 イメージがうまくいけば、その通りに出てくることが分かった。

 当面、作れなかったりすると困るから10カートン分作った。


「じゃ、酒とコーヒーと……」


 ビール、ちょっとお高いワイン、ウィスキーと……つまみもいっとくか。

 んー……食い物は買えばいいかなぁ。まずかったらどうしよう。

 宿とかとれたらこっそり〈生成〉すればいいか。


 タバコが確保できたので新たに一本咥えながら地図を確認した。


 街と町、村の間は空き地か農地が多い感じか。


 王都はでかいな。勇者召喚なんてするのだから、王都でやった可能性がたかいだろう。と、言うことはここは王都最寄りと想定して……


「んー」


 大きな草原が地図のここのことならば、一旦王都に行って長旅の準備をしないと無理っぽい。


 さすがに徒歩で一人旅とかはなぁ。


 ……どっちに向かえば王都なんだ。見渡す限りの大草原だ。

 方位磁石とかないぞ。まさか太陽や星の位置で方角を確認する能力が必要なのか。


「ドゥルルル」


 は!?


 いつのまにやら、目の前に大きな猪が……


 ウソだろ。どこに隠れていたんだ!?


 目が合った瞬間に俺はダッシュで逃げようとした。


「うぉぉぉぉぉ!!猪突猛進ーーーーーーーーー」


 人生で初めてってくらい全力で走った。


「ブルゥォオオオオ!!」


 無理だ。人間の足で逃げ切れるわけない。そして隠れる場所も足止めできそうな岩も木もない。


 異世界に飛ばされたおっさん、1日で死んだ件。


 そりゃ平和ボケで戦い方もわかんないおっさんが放り出されたらすぐ死ぬよな!!


 現実的に生き延びられないわ。


「ギャアアアアアア」


 せめて狩猟免許とか取っておけば……インドアが狩りなんかするかぁ!!


 ダッシュしている間に魔法が使えることを思い出した。


「ファーーーーイィヤァァァァァーーー!!」


 なんかそんな感じの技あったよなーーー、やけくそに技を思い浮かべて放つ。火だるまになってくれー!


「アフォォォォォーーーー」


 神様のバカーーーーー。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ