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スキルを奪われてお詫びチートをもらったので余生を楽しく……過ごさせてくれ  作者: 紫楼
三章

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第31話 ノータッチで……

 ミミズ肉が食えるかは置いといて、俺はみんなの動きを観察した。スキルを色々持っていっても使いこなせなければ意味がない。学習にはちょうどいいと思った。


 が、ミミズは雑魚の部類らしく恐ろしく簡単に輪切りにされた。風魔法と付与魔法、剣や拳に魔力が集まっていたことくらいか。

 

 若干生臭い。土の臭いと体液……だろうか?


「ちゃっちゃと解体して泥抜きするよ」

 無口な方かと思っていたメリッサがイキイキしている。ミルキーほど激しくないが、なかなか気が強いのか。

 ハンクとライズがミミズの皮を剥いで、シューサーが水魔法で洗浄した。

 食べる準備が着々と進んでいる……

「今夜は肉がいっぱい食べられる」

 ニコッと笑ったメリッサはエクボができて可愛い。おじさんには少し眩しいぞ。

 アーノルドはミミズ切れ端をファビアンたちにあげた。チャプルたちがこっちに視線を送っているのは「焼いておいしくしてほしい」と言うことだろうか?


「肉をまとめて、休憩が済んだら出発するぞ」

「「おーす」」

 ハンクの声に、ライズやカドルが返事をして、ファビアンたちがもらった生の肉をバクバクッと食べた。

 とりあえず今すぐミミズチャレンジじゃなくてホッとした。

 みんなが肉を包んだりしてしまっている間に俺は慌てて用を足してもどり、馬車に乗った。


「ボアかオークが出てきたら完璧なんだがなぁ」

 ルーカスがつぶやいた。ボアはともかくオークってあれだろ?二足歩行のブタ。ブタ……なら美味いか。ミミズよりは断然受け入れられる……捌きたくはないが。

「もう少し進んだらオークも出てくるだろ。今夜はワームだ。食べ放題だぞ」

 待て、オークがでるってやばいよな。護衛を付けておいて本当に良かった。 ミミズ食べ放題は喜ばしいのだろうか。

 ハンクは夕飯が楽しみのようで声が弾んでいる。

「……俺はフロッグのほうが良かったなぁ」

 ルーカスの一言にビクッとなる。あのワームと並べて語るほどのサイズのカエルが出るのか!?

 おおぅ。鶏肉っぽいらしいから不味くはないだろうけど。

 ミミズかカエルって、二択を迫られる日が来るとは考えたこともなかった。もしかして「ミートかフィッシュか」くらいメジャーな扱いなのか……

 郷に入っては郷に従え……とはいうけど……食の冒険はちょっと厳しくないか。


 そんなことを考えている間にガタゴトと馬車は進んで今夜の野営地に到着した。

「よーし、テント張るぞ」

「私たちは料理の仕度をするわね」

 ライズとハンク、カドルがテントを広げる。

 メリッサとシューサー、ルーカスが火をおこし鍋を出した。

 アーノルドとファビアン、ネッラ、そしてレムルスが周囲の警戒をするらしい。


「俺は料理を手伝えばいいか?」

「助かる!本来は雇い主にはゆっくりしてもらうんだが、シュウの味付けは美味いからな。頼みたい」

 ハンクにそう言われてしまう。それを聞いていたチャプルたちのつぶらな瞳が期待一杯で見つめてくる。そして、メリッサとシューサーも目がキラキラだ。

 ……でもミミズの調理なんてしたことがない。

「メリッサ、シューサー、俺はワームの調理はしたことがないからワームは任せる。俺は手持ちの鳥肉を使ってスープと串焼きを作る」

 逃げの一手を入れた。

「ワーム、食べたことないの?」

 メリッサが不思議そうに首を傾げる。そんなにメジャーな食べ物なのか。ワーム。

「ん……そうだな。俺は牛(ブル)が好きだから」

「そうなんだね。ブルは確かにおいしいけど、これだってコリコリのプルプルなんだよ」

 ホルモンのようなものだろうか……


「あんな大きいもの、俺では倒せないし、肉屋に行ったら牛買っちゃうからな」

 うん。牛、鳥、豚がいい。豚はオークなんだろうが。

「あー、そっか。そうだね。街中ではあまり出回らないか」

 メリッサとシューサーは手際よく、ミミズの下処理をしている。

「ま、一般にはあまり出回らないか。ギルド内で回してしまう」

 

 ……それは良い情報だな。

 俺はたくさんの鳥肉をハーブで揉んで、下味をつけて一気に焼いた。唐揚げにしたい気分だが、ここで揚げるわけにもいかない。

 スープには野菜をいっぱい刻んで、焼いた肉の一部とともに鍋に入れた。

 俺の作業をチャプルたちがかわいく見守ってくれていた。ヨダレが出ているのご愛嬌かな。

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