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神々は特段争うこともなく、平穏な暮らしを送っていた。
ある神は73日経つ毎に月を改め、5ヶ月経過すると年が変わる“フィリオ新暦”を採用した。
一週間を6日とし、それぞれに文化の生まれを祝う生誕、良きことあれと願う吉日、災いを除かんと祈る免災、知への探究心を後押しする真理、五穀豊穣を願う引水、狩りの大成を願う呆獣の六つの名を付け、それぞれに分けて行事を執り行うことになって行った。
また、ある神は空に強い結界を張り、そこに住まいを造り始めた。
ある神は人の次に獣に白羽の矢を立て、獣らの体を作り変えるようになった。
それにより、後に人に災いをもたらす魔獣を作り出すことになる。
またある神は他の神を愛し、愛された。
するとやがて元あった47の原神らから、新たに24の子が生まれ、成長し、互いに愛し合うようになった。
その総数が1400にも及ぶ頃になって、事件は起こる。
山中にて智神グラナートが惨殺されたのである。
それに神の痕跡は無く、誰の仕業かはその時は主神ビリスを始め誰もわからなかった。
するとその翌週、また山中で神の遺骸が見つかった。その神は武神イズと言った。
これに主神ビリスは“必ずもう一つの神と一緒に行動するように”と皆に告げた。
するとまもなくもうひとつの事件が起こる。
人類が宣戦布告をしてきたというのだ。
人類と、神。この衝突は、総勢3400万の人と、その四分の一の数の大型の兵器と、残りの四分の三の小型の兵器と、301の神が衝突したのである。
最初の三週間のうちは、人が極めて有利に進めておりそれにより26の神を葬られた。
豊穣の神ティンバナは怒り、反神教徒らの大地の栄養を取り上げた。
鋼鉄の神ナーディカは人が扱う金属から磁力を取り上げ、そのうちの多くの金属の硬さを低下させた。
37の戦と武の神々は、その力で数々の将軍を討ち、実に四割の兵らを死に至らしめた。
命を司る四つの神、アーデ、アルテミス、ファラクト、リリンはその権能を以て数多の命を奪っていった。
性を司る10の神は人の性欲を暴走させ、その秩序を乱して回った。
それらの権能は、戦争が始まって五週間のうちに十全に発揮された。
しかしその次に、豊穣のティンバナ、武のジーン、生命のアルテミス、リリンをはじめとした47の神が人の手によって葬られた。
愛する妻リリンを失った生命の神ファラクトは激怒し、同じく生命の神アーデ、戦神シャルス、鋼鉄神ナーディカを引き連れ、反神派の有数都市のひとつ“ウーベルン”を襲撃。
一億と七千万の命が犇く都市は消え失せ、瓦礫と煙の町へと変貌を遂げたという。
また次の免災の日には反神教徒派最大の都市のひとつ、イルバーディ漁港が壊滅。
有数の都市ニューフランクフルトも神の御技によって塵へと消えた。
すると、有力な周辺の都市を四つのうち三つを4日にして失った反神教徒らは、最後の有力都市、タンネアに残党を集結した。
籠城し、他の都市からの援軍を待つと言った。
しかし、戦へ駆り出された怒れる四神は止まることを知らない。
残党の1000万人はしかし、多くがその士気をまともに保ってはいなかった。
ナーディカが外壁を脆く変え、シャルスが外壁を破壊し、ファラクトとアーデは己の半径20キロフズ内の(神を除く)全ての生命を天に還す。
この多段構えに、徒党は瞬く間に敗走。
結果、神の排斥を掲げた3国の連盟がここに文字通りの全滅を喫したことで(主神ビリスが止めに入ったこともあり)この40日間の戦争は終結を迎えたのである。
この戦争は第一次神狩り戦争と呼ばれています(本文にそういう記述があります。)
あと、ウーベルン、イルバーディ、ニューフランクフルトの壊滅の出来事をこの新約聖書(原本)の著者は死の4日間と記述しています。




