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やがて、人々の実に七割が神々の血を継ぎ、神もまたもとあった神口の八割が人に関わりを持った。
そうして幾年かが過ぎて、事件は起こった。
始めはよくあるような軽い口喧嘩だった。
それはやがて殴り合いへと発展し、死人が出るまでになった。
神と、亜人の諍いだった。
神はその亜人を殺し、有り余る怒りをその周囲の群衆へ向けた。
1420人と、三つ、人と神を葬った後にやっと本人が別の神に討ち取られ、争いが終わる。
短い時間の諍いと少しばかりの殺戮は、人々に強い不信感を植え付けた。
するとやがて、神の住処と人の住処は別れて行ったのである。
神と人との関わりは、一度そこで途絶えることとなった。
人は、神への不信感を募らせ、その全てを邪神と考える者、神々を一つ一つ別の個体として捉え、その全てを邪神と捉えない者へと分裂し、やがてジンブル教と呼ばれる親神の宗派と、反神教と呼ばれる神を敵視する宗派へと別れ、それぞれ穏健派、中立派、過激派へと分裂し、それぞれ対立して行った。
するとまた、住まいを分けて人の領域を広げて行く。
それは九つの都市と百と幾多の村落に別れ、うち十四つが互いに競い合う様になって行く。それは時に徒党を組み、また分裂し、軋轢を生んで、別の党へと融合していった。
その争いは10年続いた。
神のもたらした魔法と、圧倒的な技術が競り合い、殺し合う。
新しい生命が生まれ、また別の生命が人の手によって、散る。
その争いに、神々は頭を悩ませるばかりである。
だが、“我々が口出しをするのは火に油を注ぐことになるのではないか”そう懸念して、これからも沈黙を貫くという意見が総意であった。
それから4年ほどこの大戦は続いたものの、延べ五千万にも及ぶ屍を積み上げ反神教が勝利を収めた。
敗北したジンブル教は、多くが東へ潰走。残りは反神教へ改宗。
するとやがて力を回復して神々へと攻め入ることになる。
ここで描かれている戦いは、後世にて“フーシェの大戦”と呼ばれることになるが、それはまた別の話・・・




