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コケて立ち上がったら伊能忠敬でした。歴史に名を残す人は頭のネジが外れてるみたいです。もう俺は歩けません  作者: まろじろう
第一次測量 蝦夷地

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40/85

第40話「西別着いたぁぁぁ!」

船。


進む。


西別。


近づく。


俺は。


前を見る。


もう。


目を。


逸らさない。


三日。


待った。


船。


来なかった。


待った。


また。


来なかった。


夜。


天測した。


そして。


やっと。


船。


来た。


ここまで。


長かった。


いや。


姉別だけじゃない。


江戸。


出た。


歩いた。


測った。


船。


乗った。


酔った。


蝦夷地。


着いた。


また。


歩いた。


測った。


夜。


星。


見た。


雨。


風。


寒さ。


人。


馬。


海岸線。


ずっと。


東。


東。


東。


そして。


今。


ようやく。


西別。


「…………」


来た。


     ◇


船が。


着く。


人が。


動く。


荷。


降ろす。


器具。


確認。


俺も。


動く。


でも。


足。


地面に。


着いた瞬間。


止まった。


「…………」


地面。


俺は。


踏む。


一歩。


もう一歩。


西別。


俺。


立ってる。


本当に。


着いた。


     ◇


「先生」


門倉隼太。


呼ぶ。


でも。


ちょっと。


待って。


今だけ。


待って。


俺は。


西を見る。


俺たちが。


来た方向。


ずっと。


向こう。


厚岸。


その向こう。


もっと。


もっと。


向こう。


函館。


そして。


海の。


さらに。


向こう。


江戸。


「…………」


俺。


そこから。


来たんだ。


     ◇


胸。


熱い。


自分でも。


驚く。


こんな。


気持ちに。


なると。


思ってなかった。


最初。


嫌だった。


歩きたくなかった。


帰りたかった。


なんで。


俺が。


伊能忠敬。


なんだよ。


そう。


思ってた。


今も。


ちょっと。


思ってる。


でも。


ここまで。


来た。


自分の。


足で。


みんなと。


一緒に。


測って。


つないで。


ここまで。


来た。


「…………」


俺。


頑張ったな。


     ◇


門倉。


宗平。


みんな。


いる。


俺は。


見る。


六人で。


始めた。


でも。


ここまで。


六人だけじゃ。


来られなかった。


道。


教えてくれた人。


荷物。


運んでくれた人。


馬。


出してくれた人。


泊めてくれた人。


飯。


用意してくれた人。


船。


出してくれた人。


三日。


待たせた船も。


今は。


許す。


ちょっとだけ。


     ◇


「門倉」


「はい」


俺は。


笑う。


「着いたな」


門倉も。


頷く。


「はい」


「西別だな」


「西別でございます」


「本当に?」


「はい」


「鳥じゃない?」


「…………」


門倉が。


俺を見る。


「西別です」


「よし!」


もう。


間違えない。


     ◇


俺は。


大きく。


息を。


吸う。


そして。


「着いたぁぁぁぁぁ!!」


叫んだ。


周り。


見る。


知らない。


俺。


気にしない。


「西別!」


来た。


「やっと!」


本当に。


やっと。


「終わったぁぁぁ!」


「先生」


門倉。


「何!?」


「終わってはおりませぬ」


「…………」


早い。


現実。


来るの。


早い。


     ◇


「いや」


俺は。


言う。


「分かってる」


西別。


到達。


終わり。


じゃない。


分かってる。


でも。


今くらい。


いいじゃん。


「今日は喜ばせて」


「もちろんでございます」


「よし」


理解。


ある。


     ◇


俺たちは。


西別で。


必要な。


ことを。


進める。


役人。


会う。


話。


する。


この土地の。


こと。


聞く。


そして。


俺の耳に。


聞き覚えのある。


言葉。


入る。


鮭。


「…………」


俺。


反応。


する。


鮭。


漁。


網。


人。


この土地で。


生きる人たち。


大事な。


仕事。


「…………」


魚。


俺は。


思い出す。


前。


思った。


地図より。


魚。


そりゃ。


そう。


幕府にとって。


測量。


大事。


でも。


ここで。


暮らしてる人には。


今日。


食う。


明日。


生きる。


そっちも。


大事。


     ◇


俺は。


鮭の。


話を。


聞く。


「…………」


なんか。


分かる。


江戸から。


来た。


俺たちは。


日本のため。


地図。


作る。


でも。


ここには。


ここで。


生きてる人が。


いる。


俺たちの。


都合だけじゃ。


世界。


動かない。


「先生?」


「いや」


俺は。


首を。


振る。


「何でもない」


また。


一つ。


覚えた。


気がする。


     ◇


そして。


ウインドウ。


現れる。


来た。


俺。


待ってた。


今度こそ。


絶対。


増える。


西別。


着いた。


東進。


到達点。


これで。


二十四。


だったら。


怒る。


俺は。


見る。


【第一次測量 蝦夷地】


【測量進捗率:25%】


「…………」


俺。


止まる。


もう一回。


見る。


【25%】


「…………」


増えた。


二十四。


終わった。


「よっしゃあああああ!!」


門倉。


振り返る。


「先生!?」


「増えた!」


「何がでしょう!?」


「一パーセント!」


「何のお話です!?」


知らなくて。


いい。


今は。


喜ばせて。


     ◇


俺は。


ウインドウを見る。


二十五。


四分の一。


「…………」


四分の一。


俺。


ここまで。


来て。


やっと。


四分の一。


「…………」


待って。


喜び。


少し。


止まる。


四分の一?


西別。


着いた。


俺。


あれだけ。


歩いた。


なのに。


二十五?


「…………」


残り。


七十五。


俺は。


考えない。


今日は。


考えない。


絶対。


考えない。


     ◇


仕事。


一段落。


俺は。


座る。


西別。


空。


見る。


達成感。


ある。


めちゃくちゃ。


ある。


俺。


本当に。


ここまで。


来た。


「…………」


明日くらい。


休めるかな。


思う。


西別。


到達。


節目。


一日。


くらい。


いいよね。


俺。


五十五歳。


頑張った。


     ◇


「先生」


門倉。


来た。


嫌な。


予感。


する。


最近。


分かる。


門倉が。


この顔で。


来る時。


大体。


俺に。


いい話。


じゃない。


「何?」


「今後の行程についてですが」


「…………」


来た。


でも。


大丈夫。


俺。


知ってる。


帰る。


それだけ。


「うん」


「ここより折り返し」


「うん」


「測量を続けながら戻ります」


「…………」


知ってる。


知ってた。


ずっと。


知ってた。


俺は。


西を見る。


来た道。


「…………」


あれ」


門倉。


「はい」


「全部?」


「はい」


「測りながら?」


「もちろんです」


「…………」


俺は。


東を見る。


西別。


着いた。


次。


西を見る。


帰る道。


長い。


めちゃくちゃ。


長い。


「…………」


俺。


深く。


息を。


吸う。


大丈夫。


知ってた。


最初から。


知ってた。


だから。


ショック。


ない。


ない。


はず。


「先生?」


「…………」


俺は。


門倉を見る。


「今日くらいは」


「はい」


「帰りの話しないでよ!」


門倉。


黙る。


「俺、今着いたばっかりだから!」


「申し訳ございませぬ」


「達成感返して!」


     ◇


夜。


俺は。


横になる。


西別。


着いた。


進捗。


二十五。


四分の一。


折り返し。


明日から。


西。


「…………」


西。


久しぶり。


あれだけ。


東。


嫌だった。


今度。


西。


ずっと。


西。


「…………」


絶対。


途中で。


西に。


文句。


言うな。


俺。


もう。


分かる。


     ◇


目を。


閉じる。


今日。


西別。


着いた。


これは。


本当。


誰にも。


取られない。


俺たちが。


測った。


歩いた。


ここまで。


来た。


だから。


今日は。


それでいい。


明日の。


ことは。


明日。


考える。


「…………」


帰り。


厚岸。


通るよな。


牡蠣。


俺は。


少し。


笑った。


そうだ。


帰りにも。


楽しみ。


ある。


大丈夫。


やれる。


たぶん。


     ◇


伊能忠敬。


五十五歳。


第一次測量。


西別。


到達。


【測量進捗率:25%】


残り。


七十五パーセント。


「…………」


やっぱ。


長えわ。

ここまで読んでいただきありがとうございます!


ついに西別到着!


長かった……。

作者も浩哉と一緒に歩いてきた気分です(笑)。


そして――


【測量進捗率:25%】


……ん?


西別まで来たんだよね?


この数字、本当に何なんでしょうね(笑)。


次回も浩哉と一緒に伊能忠敬の旅を追いかけます!


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