↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コケて立ち上がったら伊能忠敬でした。歴史に名を残す人は頭のネジが外れてるみたいです。もう俺は歩けません  作者: まろじろう
第一次測量 蝦夷地

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
35/85

第35話「もうすぐ西別じゃん!」

朝。


目が覚めた。


「…………」


牡蠣。


ない。


厚岸。


もう。


後ろ。


少し。


寂しい。


でも。


今日の俺には。


別の。


目的がある。


西別。


近づいてる。


昨日。


門倉に。


聞いた。


ノコベリ別。


姉別。


その先。


西別。


「…………」


もうすぐじゃん。


俺は。


起きた。


     ◇


「先生」


門倉隼太。


来る。


「起きてる」


「最近はお早いですな」


「成長した」


「左様ですか」


「もっと褒めてもいいよ」


「支度をお願いいたします」


「はい」


流された。


     ◇


外。


今日も。


東。


でも。


もう。


嫌じゃない。


いや。


ちょっと。


嫌。


でも。


前ほどじゃない。


「門倉」


「はい」


「今日は?」


「ノコベリ別を経て、さらに先へ」


「よし」


俺は。


頷く。


最近。


地名を。


聞いても。


絶望しなくなった。


むしろ。


一個。


進むたび。


西別。


近づく。


そう。


思える。


「行こう」


俺たちは。


歩き出す。


     ◇


測る。


歩く。


記録。


止まる。


確認。


また。


歩く。


海岸線。


相変わらず。


真っすぐじゃない。


「…………」


でも。


今日は。


言わない。


俺。


大人。


だから。


曲がる。


測る。


また。


曲がる。


測る。


「…………」


海岸線。


もうちょっと。


協力してくれても。


いいと思う。


言わない。


心の中。


だから。


セーフ。


     ◇


進む。


人に。


聞く。


道を。


確認。


また。


進む。


俺は。


最近。


測量隊の。


動きが。


分かってきた。


止まる。


理由。


進む。


理由。


人に。


聞く。


理由。


全部。


最初は。


「なんで?」


だった。


今。


少し。


分かる。


「先生」


宗平。


「何?」


「こちらを」


記録。


見る。


俺は。


確認。


「うん」


普通に。


返す。


宗平。


次の。


仕事へ。


戻る。


「…………」


今の。


俺。


ちょっと。


伊能忠敬っぽくない?


誰にも。


言わない。


言ったら。


門倉に。


変な顔。


される。


俺。


伊能忠敬。


なんだけど。


     ◇


昼。


休憩。


飯。


食べる。


俺は。


聞く。


「門倉」


「はい」


「ノコベリ別の次、姉別だよね?」


「はい」


「その次」


「西別へ向かいます」


「…………」


俺。


笑う。


「もうすぐじゃん」


門倉が。


俺を見る。


「何がでしょう?」


「西別」


「まだ先でございますが」


「でも、もう名前並べたら二個じゃん」


「距離は名前の数では測れませぬ」


「…………」


正論。


嫌い。


     ◇


でも。


気分。


いい。


西別。


最初。


聞いた時。


絶望。


した。


地図。


見た。


遠い。


折り返し。


知った。


もっと。


絶望。


した。


でも。


今。


厚岸。


越えた。


ノコベリ別。


向かってる。


姉別。


その先。


「…………」


本当に。


着くんだ。


当たり前。


だけど。


なんか。


嬉しい。


     ◇


午後。


進む。


測る。


歩く。


記録。


繰り返す。


足。


痛い。


疲れる。


でも。


止まらない。


俺。


前なら。


何回。


「休もう」


って。


言っただろう。


今。


言わない。


理由。


一つ。


西別。


近い。


     ◇


そして。


ノコベリ別。


「着いた……」


俺は。


周囲を見る。


厚岸ほど。


名前に。


馴染み。


ない。


牡蠣も。


ない。


たぶん。


でも。


俺には。


重要。


ここ。


越えたら。


姉別。


その先。


西別。


「門倉」


「はい」


「次、姉別?」


「はい」


「よし」


門倉が。


俺を見る。


「随分と急がれますな」


「だって」


俺は。


東を見る。


「もうすぐ折り返しだろ?」


「…………」


門倉。


少し。


考える。


「まあ」


何。


その。


間。


「何?」


「いえ」


「今なんか言おうとした?」


「何も」


怪しい。


でも。


俺。


気にしない。


今。


機嫌。


いいから。


     ◇


必要な。


こと。


済ませる。


記録。


整理。


確認。


俺は。


働く。


普通に。


働く。


そして。


気づく。


「…………」


今日。


俺。


あんまり。


文句。


言ってない。


成長。


すごい。


ウインドウ。


出る。


【第一次測量 蝦夷地】


【測量進捗率:24%】


「…………」


お前。


空気。


読めよ。


     ◇


「いや」


俺は。


ウインドウに。


言う。


「いい」


【24%】


「もういい」


【24%】


「数字じゃない」


【24%】


「俺には分かる」


【24%】


「西別が近づいてる」


【24%】


「もうすぐ折り返し」


【24%】


「勝ったな」


【…………】


俺は。


笑った。


完璧。


完全に。


勝ち。


何に。


勝ったのか。


分からないけど。


勝った。


     ◇


夜。


今後の。


話。


聞く。


姉別へ。


進む。


そこで。


この先の。


手配。


確認。


そして。


西別。


「…………」


手配?


ちょっと。


気になった。


「門倉」


「はい」


「手配って?」


「先へ進むためのものです」


「ふーん」


俺は。


それ以上。


聞かなかった。


進むため。


なら。


問題ない。


     ◇


横になる。


目。


閉じる。


俺は。


頭の中で。


数える。


ノコベリ別。


今。


ここ。


次。


姉別。


その次。


西別。


「…………」


二つ。


あと。


二つ。


いや。


地名の数で。


距離。


測るな。


門倉に。


言われた。


でも。


いい。


もう。


見えてる。


折り返し。


そして。


帰り。


厚岸。


牡蠣。


「…………」


完璧じゃん。


西別。


着く。


折り返す。


厚岸。


戻る。


牡蠣。


食う。


そのまま。


帰る。


俺。


完全に。


未来を。


理解した。


「…………」


よし。


明日も。


頑張ろう。


この時の俺は。


本気で。


そう思っていた。


進むための。


手配。


それが。


整うまで。


待つ。


という。


当たり前のことに。


まだ。


気づいていなかった。


そして。


俺は。


知らなかった。


待つというのが。


歩くより。


ずっと。


腹が立つことを。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。