師匠…?
数日後、商業ギルドからの報告書を見た私は困惑していた。
報告書には何人かの名前があり、アレッタ国で開発されていたと思われる魔導具や魔法陣を登録した土地は様々だった。
これは、各地に逃げ延びた人がいたなら納得の結果だ。
その中に、私の魔導具の師匠の血縁者と思われる人がいなければ。
登録した人の名は、ロダ・ヤビツ。
登録地は、カオナ王国。
「え?師匠…?」
「どうした?」
師団長が怪訝な顔で私に問いかける。
「私の魔導具の師匠が子孫かもしれません。連絡をとってみてもいいですか?」
「へえ?アンジェリーナの師匠は他国の者だったな」
「はい。冒険者活動中に寄った魔導具店で出会いました。カロル・ヤビツという名です。繊細なデザインの魔導具を作る方で、攻撃魔法は得意ではありません。一応、警戒して接触してみます」
「そうだな。犯人がアレッタ国の子孫で構成された組織なのか、個人なのか判明していない。師匠の知り合いが犯人の可能性もあるから慎重にな」
「かしこまりました」
師匠以外の報告書に載っていた人については、各国に調査依頼をすることにした。
アレッタ国の滅亡後に消えてしまった有用な魔導具や魔法陣を、逃げ延びた国用に子孫が改良して発表し現在まで残っているなら、子孫はそれなりにいい生活をしていた筈だ。
魔導具や魔法陣の貢献度が高ければ、逃げ延びた国で貴族になっている可能性もある。
お金のある大きな家なら、過去の研究を続けている可能性もあるだろう。召喚魔法を改良した犯人の研究費用は、かなりかかってる筈だ。
壊れた魔導具に使用されていた魔石は、最低でもワイバーンの魔石が使われていた。
今回使い捨てられた魔石の費用だけでも、相当な額がかかっている。珍しい魔石は、入手経路も探っている最中だ。
師匠に会いにカオナ王国に来ている。
カオナ王国は大陸の東部に位置する国だ。山岳地帯を開拓した国なので、あまり他国と交流せず、おおらかでのんびりした国民が多い。
ダンジョンもあるし他国からくる冒険者も多少いるが、山と生きてるからか民のほとんどが戦える為に、冒険者ギルドに依頼が少ないことで有名な国である。
討伐や採取など、ギルドの依頼になる案件は、国民は友人知人で解決してしまうらしい。
冒険者として立ち寄った時、宿屋や市場で出会った人達がアットホーム過ぎてびっくりした。
犯罪抑止の為に見慣れない人物は街の皆で声かけする方法があるが、この国では国民が素でそれをする。
だからか、犯罪率も低いらしい。
こぢんまりした魔導具屋の前に立つ。
「師匠、お久しぶりです!」
「ん?アンジェじゃないか!よく来たな!」
次の更新は10/13です\( ˆ ˆ )/




