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これは想定外です  作者: らんらんらん
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禁句の理由

 


 北部の国へ問い合わせた結果、嫌な結果が届いた。


 “アレッタ国”は北部の魔術師の中では、禁句と言える扱いだった。



 アレッタ国の最後は、魔術師の地位を著しく貶めたらしい。


 民の暴動に広範囲攻撃魔法を打ち込み虐殺を行ったり、弾圧の為に民を強制的に奴隷にしたり、無理な魔法契約で縛りつけたり、余りに酷い状況にアレッタ国から民は逃げ出し、近隣諸国は難民問題に苦しめられた。

 アレッタ国が滅んだ後も、一時期、近隣諸国の魔術師は謂れのない誹謗中傷に苦しめられ、高給取りだった地位から引きずり落とされ、奴隷同然の迫害を受けた。


 これは、禁句にもなる。




「召喚魔法が禁忌になった理由って数万人の死者を出したからだと思ってましたが、これは…」


「当時の魔術師からの怨み、いや、教訓か?」



 報告書をみた師団長と私は、ドン引きしていた。

 アレッタ国関係の書籍は、北部の国では保管していないだろう。当時の魔術師が絶対に焼いている。



「まさか一番情報もってそうなとこがコレとはな〜。解読が進まないわけだ」


「北部の国々の魔術師の方の心情は複雑でしょうね」


「召喚魔法の被害によっては、国が荒れるだろうな」


「過去の亡霊に苦しめられるって、こういう事なんでしょうね」



 しかしまあ、魔術学院の図書館にアレッタ国関係の書籍がよく残ってたな。

 もしかすると逃げ出した人達は、北部に居られなくて南下したのかもしれない。



「逃げ延びた人もこの北部の迫害を知っていて、こちらまで来たのかもしれませんね」


「…アンジェリーナ、商業ギルドができたのは250年程前だ。お前が調べたアレッタ国でつくられた魔法陣や魔導具を、子孫で盗用した奴がいたかもしれない」



 今では読める人がいない言語だ。それなのに、魔法陣や魔導具が現在まで存在してる。他国語で作り直した可能性が高い。

 200年近く経ってから商業ギルドを利用して登録したってことは、それは、研究資料を持って逃げ出した人の子孫!

 登録された場所や名前が分かれば、子孫が見つけられるかもしれない!



「師団長、商業ギルド長への手紙書いてください。すぐに問い合わせます!」


「お、おう。まあ、古い情報だ。あまり期待するなよ」



 私は、商業ギルドに調べて貰えるようにすぐに向かった。数日で結果はでるだろう。








「アンジェリーナは最近慌ただしいな」

「召喚魔法の件、進展があったのですか?」

「新たに被害が出た報告は来てないけど〜」

「クロードが心配してるぞ」


 帰り際にアルフォンス殿下達に声を掛けられた。

 これは、クロード様に限界がきてるってことかしら?


 そっとクロード様に視線を向けると、あわあわと視線を泳がせた。


「皆様、いつもありがとうございます。まだ解読の途中ですが、一段落したので近々休みを取りますわ」


 私が苦笑して答えると、満足そうに笑われた。

 クロード様は嬉しそうだ。ここのところ、休みも取らずに働いていたし、家に帰ってから夜も解読作業をしていたから心配させたのだろう。

 気を張っていた自覚もある。


 うん、今日はしっかりスキンシップをとりましょうか!


「クロード様、今日は帰ったらゆっくりしましょう」

「うんっ!」


 パァっと眩しい笑顔で抱き着いてきたクロード様は、本当に可愛い。

 なんとなくほっとして、肩の力が抜けるのがわかった。


「クロード様が居てくれて良かった」

「アンジー?」


 思わず、ぎゅっと抱き返した。

 クロード様が、とても得難い存在だと改めて感じた。







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