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Fランク能力者の存在理由‐レゾンデートル‐  作者: トウミ
第2章 反能力者主義

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第2章 反能力者主義 その10

第2章 反能力者主義 その10


銀と麗が今回の騒動のリーダーを倒す少し前。

B棟内、如月会長サイド。


「あなたは一体、何者かしら?」


サッと戦闘態勢に如月会長。

しかし、相手は余裕なのか、全くそんな素振りは見せない。


「やだなぁ、お姉さん。僕は戦うつもりはないんだけど? それに、仮に戦ってもお姉さんには勝ち目は“ゼロ”だよ?」


「普段ならそんな安い挑発には乗らないのだけど、残念ながら、生徒会長として校内にいる不審者を放置するわけにはいかないのよ♪」


「うーん、今回はタダの傍観者でいるつもりだったけどな〜。仕方ないか♪ それっ!」


そう言うと、少年はズボンのポケット中から、何やら丸くて小さな金属のような物をいくつか取り出し、空中へと投げた。

と同時に、それは姿を変え、それぞれが人の顔のサイズくらいの、小型の犬のようなロボットになった。

そして、それらは一斉に如月会長を襲い始めた。


如月会長は、それらを一つずつ対処、“消滅”させながら、考えていた。


(今は能力が使える。さっきはどうして使えなかったのかしら? それにこの少年は一体何?)


「さすがは如月蓮花、考え事しながら消しちゃうんだからすごいすごい♪」


「それはどうも♪ ただ、このまま消すのもいいのだけど、ずっとだと面倒なので、そろそろあなたにも学校から消えて貰うわよ」


「あはは♪ お姉さん面白いね! さっきも言ったけど、“消滅”はお姉さんの専売特許じゃないんだよ?」


そう言いながら、少年は近くの犬型ロボットに触れた。すると、それは一瞬にして消えてしまった。


「ね? 僕にもできるんだ♪」


(消えた? わたしと同じ能力? いえ、また何か違う感じがするわ。でも一体?)


「わたしと同じような能力を使えるみたいね? でも、それがあなたを捕まえない理由にはできないのよ」


如月会長は、最後の一体を消し去り、少年の方へと走り出す。

少年は特に逃げる素振りも見せることなく、如月会長に捕まった。


「どうして逃げないの?」


「逃げなくても平気だからね♪」


「そう。あなたが何者か知らないけど、犯人の仲間なのは確かのようだから、とりあえず消えて貰うわよ?」


如月会長は、腕に力を込め能力を発動させようとした。いや、正確には能力を発動したはずだった。

しかし、少年は消えずにその場に残っていた。


「な、なぜ? あなた一体何をしたの?」


これには如月会長も驚きの表情を隠せなかった。


「だから言ったんだけどなー、専売特許じゃないって。ごめんね、お姉さんの能力は厄介だから無くすね♪」


少年を掴んでいたはずの腕から徐々に力が抜けていく。気づくと、如月会長は少年から手を離していた。


(なに? 力が入らない)


と、外の方から大きな爆発音が響いてきた。


「ん? あー、どうやらおじさんが負けちゃったみたいだね。ということは、今回は生徒会の勝利みたい♪ おめでとー、お姉さん♪」


そう言うと、少年は歩きはじめた。


「どこへ行くつもり? まだ逃がすなんて言ってないわよ?」


「言ったでしょ? 今回は傍観者だからね、おじさんが負けたから、もう帰るんだ♪ 遊んでくれてありがとー♪ また会おうね、生徒会のみんなにもよろしく♪」


「ま、待ちなさい!」


しかし、少年はその場から数歩歩いたと思うと、一瞬にして姿を消してしまった。


「どんでもない化け物ね、参ったわ。宇佐見くんたちは倒したみたいだけど、悔しいけど、こちらは負けね」


(それに、さっきの少年の能力、なにかわからないけど、わたしと同じような能力者がいたなんて。“また会おうね”ってことは、そういうことよね。ふぅ、これから忙しくなりそうだわ。今は、とりあえず疲れたから少し休みましょ。)


そう思いながら、如月会長は廊下の壁に背中を預けながら少しの間眠るのだった。




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