5/8
04:ある緑の話
ある村に、満月の夜に生まれた女の子がいました。
女の子はみんなから妬まれていました。
美しい髪と瞳を持っていたからです。
彼女には不思議な力がありました。
満月の夜には洋緑の髪と黄金の瞳が月の光に輝き
“ふつう”の人間には使えない力
『私は本当は、生まれてきちゃいけなかったのかな』
彼女は悲しみました。
彼女は自分の居場所を見つけられませんでした。
少女が18歳の頃、大きな千年樹で一人の青年に出会いました。
『どうして、泣いてるの』
『生まれてきてはいけなかったの』
『誰が?』
『私よ』
『どうして。こんなに綺麗なのに』
青年は微笑んで答えました。
少女は顔も見ずに怒鳴りました。
『あなたに何がわかるの』
『だって、君も僕も同じだもの』
そういって青年は少女の瞳を見て笑いました。
洋緑の髪と銀色の瞳が月明かりに輝いていました。
まるで少女の鏡写しがそこにいるようでした。
『あなたは』
『僕はサム』
『私アシュリー』
似たような容姿と、似たような境遇をもっていました。
少女と青年は恋をしました。




