02:瀬戸物
「だから、一緒でいい?部屋」
「いいわけないでしょ?!」
「おや急に元気だ」
「急にも何もあんたが急に言うから急に怒ってんでしょ!」
ロベリオはきゃんきゃんと怒るカイリに苦笑いするがキャンサーは何も言わない
「ちょっとキャンサー!お前もなんか言えよ!」
「なんかって…」
「嫌だろ普通に!」
「別に?だってキミとはなんとも起こらないでしょ」
「は!?」
「だから、いくら男女でも僕達普通にお互い興味ないじゃない」
キャンサーは眉尻を下げてオーバーに呆れる
その一言にカイリは数秒経って意味に気づき、顔を朱のごとく染めた
「なっ…」
「やだな、想像しないでくれよ。僕はキミみたいなもやしに興味ないんだから」
「もやっ…!?」
「そう、“モヤシ”しらない?アジアの植物だよ」
「それくらい知ってるよ!」
「じゃあなにさ、僕の言ってることが処理しきれないの?そのアタマ」
「お前…!」
「はいはい、お二人さんそこまでだよ」
いがみあう二人を引き剥がし、ロベリオは笑った
「本当に仲良しなんだねぇ…」
いや、その笑みは笑ってもないように見える
その言わんとするオーラに二人は冷や汗をかく
☆
「…結局キミと一緒なんだからホント最初から強制って言ってくれればいいのに」
「お前な…」
「いいじゃん、観念してここに居るんだから」
明らかに不機嫌そうに腕を組み、顔を反らす
その洋緑の髪が揺れ、右の耳には金色のピアスが見えた
ベルではないのにリン、と鳴る
「…お前さ」
「な、なに」
「そのピアス…」
「コレが、何?」
_『綺麗でしょう、カイリ』
「…いや、綺麗な金だなって思って」
「まぁ…そうだね」
表情を暗くしたキャンサーに、慌てて言い直す
「お前の緑の髪によく…その、映えてるよ」
「…緑…?」
「そう、綺麗な、色だよな」
たどたどしくも言うが、キャンサーは顔をしかめたままだ
「何言ってるのキミ…」
「は?だから…」
「田舎者は独創的だね」
呆れたようにベッドへ寝転がり、壁に向いてしまった
「んな…!田舎者じゃねぇよ」
「さぁ、どうだか」
「お前…!」
「ほら、喚いてたら明日の依頼こなせなくなるよ」
「…」
正論に言葉も返せない
カイリは仕方なくベッドに寝転がって瞼の裏に明日の朝を描いていた




