詩「儚いものは」
詩「儚いものは」
儚いものは
誰もがアイオーンの海に還るからだ
孤独は生まれてきたものが
授かる夢のように長く
砂のように脆い自分というもの
魚達が君を追い抜き
鳥達が君を飛び越えたのを
君は知っているだろうか
獣達が大移動を始め
原住民たちが
歌い囃したことを
君は待っているのだろう
彼らとともにあり
ともに去ることを
だが、育ったところはどうだ
君の秘密を知ろうとはしない
君は舞台に立って
振る舞っているに過ぎない
それが君の望みでもないのに
だから、悲しくなるのか
飛び降りたくなるのか
ここから出られないなら
潔く断ち切ってやろうと
ああ、そんなことはしないでくれ
慰めるものが幾つもあるだろう
模造した音楽や
人間的な源泉
田畑からの清水
友好や語らい
群生化した争い
君はわざわざ旅しなくてもいい
遠吠えはここまで届くだろうか
銃撃に怯える震えはどうだろう
断層の擦り合わせたかすかな接触は
ブラックホールを作り
悲しみのための生け贄を用意した
そぞろに死にに行くことはないだろうが
当選してしまうこともあるようで
少しは生き延びられる街
そんなところだろうか
決して死のうと決めないなら
老衰や発作死するまではどうしたい
なんて言葉はこの時代に必要か
平素は勤しみ
学業と労働と気晴らしの道から
置いてけぼりには誰もされないだろう
書き記すことはどうだ
君の記憶と集積された認識の深みは
漂う君が呑みこまれた世界を
また君らしく生かそうとし
嬉しいことは悲しいこととともに
酒の恩恵に預かれば能天気に
まったく素晴らしいのだ
動けるということは
そして冷めていくと
身体の血管を駆け巡る澱み
加えて振る舞いの疲れ
本当に素晴らしいのか
動けるというのはなんて
夢に頼らずに眠ろうとする
どうあれ君はここまで歩んでこれた
まだまだ歩んで行くだろう
残りの方が短いとどこかから聞こえたような
まだ何も始めていないとも聞こえたような
どんなことでも動かすだけ
意味といっても動かしているだけ




