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詩「ただの形」
布団のなか
電車の通り過ぎる音が聞こえる朝
愛しい人の寝息は
ここでは聞こえない
片思いが両思いに通じたときの
喜びと切なさはなんだろう
それは両思いが両端から中心へ
向かい合い形を整える
あや取りのようなもので
どちらかが崩れれば
忽ち
元に戻せない可能性を
秘めているからだろうか
だとしたら
一組の男女が老齢となり手を差しのばす
その日までその手を離れぬことを
誓うあや取りは
なんと希少なことで
なんという喜びだろうか
バイク便が通り行く音が聞こえる
私は音楽を流す
あなたと出会えた美しさを
この詩に記して




