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恋する話  作者: チーズ
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嘘つきな心 前編

  「晴美、ごめん! 今日、部活が・・・」

  いつもの場所で佐賀屋が私を拝むように手を合わせて謝る。

  彼は陸上部に所属していて一応期待されているらしい。だから、3年生引退のインターハイに向けて部活が忙しくなるのは当然で、どうしようもなくて

  「うん、わかった! 頑張ってね! でも、体を壊すような事はしちゃダメだよ?」

  「うん、わかった」

  「過度なロードワークは禁止です!」

  「う・・・・・・ハイ・・・・・・あ、じゃあ、もう行くな!」

  「うん、ばいばい」

  すごい速さでグラウンドの端にある部活党に走っていく彼の後ろ姿を見ながら私はため息をこぼした。

  かれこれ2ヶ月も一緒に帰っていない。

  学校で会えるのにそれだけじゃ足りないと思っている自分がいる。彼が何よりも陸上を大事にしている事を私は知っているから、私の我が儘で彼を邪魔しないように気持ちを隠してきた。だが、

  (ちょっとくらい気づいたっていいじゃない)

  私が無理しているのを気づかないくらい陸上に集中する彼にグラウンドを横切りながらちょっとほっぺたを膨らまして拗ねる。

  付き合い始めて半年記念日はもうすぐだ。でも、この調子だとその日は会えそうにない。

  (陸上の、ばーか)

  部活にまでヤキモチを妬いてしまうめんどくさい女、それが私だ。でも、陸上には嫉妬する以上に感謝している。だって、

  「佐賀屋、飛びます」

  「はい!」

  そんな声がして振り返ると佐賀屋が立ち幅跳びのバーを飛び越えるところだった。

  身体をしねらせて飛ぶ彼の顔は真剣そのもので、陸上に感謝する。

  (こんな顔が見れて、ラッキー!)

  さっきまでの気持ちはどこえやら、私はるんるん気分で家に帰るのだった。

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