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恋する話  作者: チーズ
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27/32

-両片想い-


  初めてあったのは春でした--


  「また、同じクラスだね!」

  友達が私の席に来る。

  知り合いがいて良かった・・・

  クラス替えの時ほど緊張するのは入試の結果発表の時ぐらいだろう。

  周りを見渡せば知らない人ばかりで自分が浮き出ているような感覚になる。

  ほう、と息を吐いて目の前に立つ友達に笑いかけた。


  「自己紹介しよう」

  新しいクラスになって初めてのホームルームで先生がそう切り出した。

  「富永矢子です。好きなものはアニメです。よろしくお願いします」

  自己紹介を終えて着席するとまばらな拍手が湧く。

  多分、間違えたんだと思う。

  (アニヲタみたいなこと言っちゃったよ!)

  内心焦りながらも、1度口にした言葉を取り消すことはできない。

  男子と話すことはないだろうなと考えながら進んでいく自己紹介を聞き流す。

  「--翔太です。矢子さんと同じように、アニメが好きです。矢子さん、俺と友達になりませんか?」

  男子が私を見ながら自己紹介をする。

  いや、自己紹介というより、ナンパをされてるの、か?

  きょとんとしながらなんとか翔太くんを見つめると、クラス中の視線が私に集まった。

  「え、あの子、矢子さんって言うの? つか、タイプなんだ?」

  「矢子何さん?」

  いやいや、自己紹介しただろ

  ざわつき始める教室。

  「えっと、」

  なんて反応したら良いのかわからないので困ってしまう。

  「ご、ごめんなさい?」

  とりあえず、謝ってしまう。

  すると、なんとか翔太くんがしょぼんと肩を落とす。

  「そうですか--」

  「いや、あ、何翔太くんだっけ?」

  全然関係ないのに名前を聞いてしまう。

  いやほんと、何言ってるかわからないや

  「翔太でいいよ、や、矢子」

  ちょっと寒気がした。

  普通に気持ち悪いと思うのだが。

  「あ、うん」

  私は真顔で返事をした。

  これが、私の春の前触れだった。

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