[Arc 2] 第十二話:喪失 (The Mourning)
ダイゴ先生の悲劇的な死から、ちょうど二日が変わ(過ぎ)ていた。空を覆う真っ黒な雲から糸のような雨が降り注ぐ中、魔法警察組織全体が敬礼していた。棺の前では、弱々しく傷ついた女性が泣いている姿が見えた。何人かの警察官は悲しみに沈み、何人かは不安そうだった。二部隊の先生が亡くなったことで、他の警察官たちにも、自分たちがいつ死んでもおかしくないことを思い出させた。隊長リュウデンが前へ出て、ダイゴについて話した。埋葬が終わると、全員が散っていった。子供たちも自分たちの先生と一緒に部隊の部屋へ入り、それぞれ離れていった。
レイはベッドへ横になり、本を手に取って読み始めた。一方アキラはベッドから起き上がり、着替えて外へ出ようとしていた。レイはアキラの肩をつかんで声をかけた。
— ねえ、このくらいで十分だろ? そんなに自分を追い込むなよ。
アキラがレイの手をつかんで肩からどけようとしたとき、レイはアキラの手を見た。手の表面はほとんどズタズタになり、治療されたとしてもひどく変形していて、皮膚の形まで変わり始めていた。アキラは無表情な声で言った Lights(冷たく)。
— 心配するな、レイ。俺は大丈夫だ。
レイはアキラが扉から出ていくのを見つめ、深く息を吐いた。
— まあいい。本を読む気分じゃなくなったし、少し歩いてくるか。
と言って部屋を出た。
ヒナは部屋に閉じこもっていた。トマとリンが彼女を元気づけようとしていた。アカネは少し頭を冷やして休暇をもらおうとして、姿が見えなかった。
アキラが外で狂ったように訓練していると、他の部隊の警察官たちがアキラの訓練を目にした。そのうち数人は、わざと歩く速度を落とし、アキラに直接聞こえるように声を上げながら話し始めた。
— あの子、本当に恥ってものがないみたいだな。それに、どこからそんな勇気が出てくるんだ? 外へ出て訓練してる。恥ずかしさもない……。
アキラは無表情で訓練を続けた。
ジン先生はまたアキラを止め、部屋へ戻そうとした。
— アキラ、これで七回目だぞ。そんなに自分を追い込むな。訓練を増やせば力が増すわけじゃない。休むことも必要だ。
アキラは無表情で敬礼した。
— 分かりました、了解しました。
と言って部屋へ戻った。ジン先生は心配そうで悲しげにアキラを見つめた。しかしアキラは部屋へ入ると先生の言葉を聞かず、訓練を続けた。
***
警察署の長い廊下を、ミルクシェイクのカップを手にだらしない足取りで歩くレイは、通り過ぎた職員たちの噂話を耳にした。
— 聞いたか? ダイゴ隊長の妻、自殺したらしいぞ……。
— 何!? 気の毒だな。でも葬式の時にはもう限界だったし、夫まで死んだら耐えられなかったんだろうな。まあ、普通だよ……。
*パチン!*
突然、指を鳴らす音が聞こえ、ミルクシェイクが地面へ落ちた。しかし、そこには誰もいなかった。
レイはすぐ指を鳴らし、自分たちの部屋へ入った。アキラはまだ狂ったように訓練を続けていた。レイは彼の腕を強くつかんだ。
— 俺について来い、今すぐ!
— でも、もっと強くならなきゃいけない!
とアキラは抵抗しようとしながら言った。
— うるさい、来い、この野郎!
と言って、レイはヒナの部屋の扉を蹴って中へ入った。
ヒナはベッドの中で布団にくるまりながら座っていた。
— レイ、何してるの? あ、アキラも来たの?
と驚いて尋ねた。
レイはアキラをヒナのベッドへ放り込み、全員へメッセージを書いた。
「みんな緊急で来てくれ!」
少し時間が経ってアカネが部屋へ入り、慌てた息遣いで尋ねた。
— ヒナが昏睡状態に入ったとか!?
ヒナはベッドから手を振った。
— やあ、アカネ。私は元気だよ。
アカネはヒナが無事なのを見て深く息を吐き、続いてレイの頭を強く殴りながら馬鹿だとぶつぶつ言った。レイは頭を撫でながら呻いた。
— どうしろっていうんだよ。他の方法じゃ、みんなここまで来なかっただろ!
アキラ、ヒナ、アカネはベッドへ座った。向かいにはトマ、リン、レイがいる。レイは怒ったように話した。
— イッタ(一体)いつまで、生きてる死人みたいにしてるつもりだ? みんな、起きたことが悪いことなのは分かってる。ひどく負けた。でも――
アキラが突然遮った。声は氷のように冷たかった。
— 俺たちは負けたのか?
レイは言葉を続けられず、部屋の空気が張り詰めた。トマがすぐに割って入り、アキラの前へ立って目を見た。
— おいアキラ、傷つけるようなことを言うなよ。部屋で何を話した? 俺たちはチームで、問題は一緒に解決するって言っただろ。それを絶対に忘れるな。そうだろ、ヒナ? そうだろ、アカネ?
しかしヒナとアカネは罪悪感から目をそらした。ヒナは小さな声でつぶやいた。
— そうだけど……もう分からない。
レイはそれを聞くとヒナのそばへ瞬間移動し、軽く頭をぶつけた。
— 何言ってるか聞こえない。もっと大きな声で言え! 他の誰かが助けを必要としているときはすぐ飛び出していくくせに、自分が助けを必要とすると「いや、一人でいるよ」なんて顔をする。そんなのは駄目だ! 俺たちはチームだって言う前に考えろ。そうだろ、アキラ?! そうだろ、アカネ?!
アカネはレイを見ずに目をそらした。
— レイ、そう言われても少し時間をちょうだい。
レイは皮肉っぽく笑った。
— はいはい、時間ね! 分かった。どれくらい欲しい? 一日? 一か月? 一年? それとも一生か?! 俺たちがここにいる間にも、外ではシロバラがまだ好き勝手に歩き回ってる。それを絶対に忘れるな! アキラ……お前はダイゴ先生の仇を取りたくないのか?
アキラはゆっくりベッドから立ち上がり、静かにつぶやいた。
— 取りたい……。
レイは手を耳に当てた。
— 聞こえない。
— 取りたい!
とアキラが叫ぶ。部屋の全員がびくっとした。
— 何よりも取りたい! あいつに、自分たちをこんな目に遭わせたことを死ぬほど後悔させたいんだ!
レイはそれを聞いて笑い、トマの両腕の下からつかんで持ち上げ、耳元へ素早く何かをささやいた。トマはうなずいた。レイがアキラへ歩いていき、トマは彼の顔へ強烈な平手打ちを食らわせた。
*パチン!*
アキラはショックを受け、頬を押さえながら驚いた表情でトマを見た。トマは小さく怒った子猫のように両腕を上下させ、眉をひそめながら叫んだ。
— 僕は弱いかもしれない! 小さいかもしれない! 戦場で君たちの隣に立って戦えないかもしれない! でも僕は機械で、ロボットで、いつだって君たちを助けられる! 君たちの後ろに立って最後まで支えられる! だから……もう二度と僕たちをこんなに心配させないでよ! 次は本当にもう一回叩くからね!
レイは後ろからトマを抱えてにやりと笑った。
— おいおい、この小さな暴走特急を止めるのは一苦労だぜ! 怒らせるなよ。こいつ、足元に入れて全員まとめてやっつけるぞ。エサはないけどな!
アキラはトマの可愛くも決意の固い怒りを見て、突然こらえきれず大笑いした。アキラが笑うとヒナとアカネも顔を見合わせ、安心したように息を吐きながら楽しそうに笑い始めた。リンは部屋の隅から、トマとレイは驚いたように彼らを見ていた。アキラは目の涙を拭い、友達のところへ歩いていって、全員をまとめて強く抱きしめた。
— みんな……こんなに心配させて、本当にごめん。
レイは抱きしめようとした瞬間、瞬間移動して逃げた。他の者たちが彼を見て「なんで逃げたの?」と尋ねると、レイは答えた。
— お前たちの汗まみれの状態に触りたくないんだ。
アカネは腕を巨大化させてレイを捕まえ、二人の間へ引き戻した。レイは顔を赤くして言った。
— うわ、近すぎる! 離してくれよ、まったく。
そのとき部屋の入口にジン先生が現れた。腕を胸の前で組み、目を潤ませながらも少し悲しみが晴れた表情で、子供たちの抱擁を見ていた。
— これが青春ってやつだな……。
と言って中へ歩いていく。アキラ、ヒナ、アカネのところへ行き、頭を叩く代わりに、三人の額へ優しくキスをした。
— もう一度、六部隊へようこそ、みんな。
それを見たレイはすぐ先生へ頭を伸ばし、にやりと笑った。
— 先生、俺にはキスは?
ジン先生は一切ためらわずレイの頭を殴った。
— お前にはこれで十分だ、レイ!
レイは頭を押さえて叫んだ。
— でも、これはあまりにも不公平だろ!
トマが後ろから跳ねた。
— 僕も! 僕もキスしてくれる人がいい!
リンは眼鏡を直しながら少し微笑んだ。
— まあ……そんなに欲しくはないけど、私も参加していいと思う。
部屋の明るい笑い声が廊下へ響く中、警察署はダイゴの死後初めて、これほど温かく穏やかな一日を迎えていた。これまでの苦しみをすべて越えたあと、子供たちは抱い(強く抱き合い)、その日を完全に後ろへ置いていった。
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