第22話 レオの焦りと邪悪な計画
「クソがッ! なぜだ、なぜ俺たちがこんな目に遭わなければならないんだ!」
王都の裏スラム、薄暗い廃屋の一室。
レオは机の上のグラスを叩きつけ、激しい怒りに顔を歪めていた。
彼の自慢だったきらびやかな鎧は汚れ、隣に立つミリアは魔力枯渇による衰弱で顔色が悪く、ダグは包帯を全身に巻いて椅子に力なく寄りかかっている。
彼らのクラン『金色の獅子』は、度重なるクエスト失敗により、すでにBランクへの降格が確定していた。
「レオ、もう限界よ……。アルスがいないと、私の魔力は数回の大規模魔法ですぐに底をつくわ。あいつ、どんな魔法をかけていたのよ!」
ミリアがヒステリックに叫んだ。
「俺の身体もガタガタだ。前は丸一日戦っても平気だったのに、今は数時間で筋肉が引き裂かれそうになる。あいつのバフがないと、もう戦えねえよ……」
ダグが痛々しく呻いた。
「うるさい! あんな無能の力など、ただのまやかしだ!」
レオは爪を噛み、狂気染みた目で机の上の小さな小瓶を見つめた。
小瓶の中には、妖しく紫色の光を放つ液体が入っていた。
「ハッ、無能のアルスのくせに、美少女奴隷を何人も従えて、郊外の豪邸を買って暮らしているだと? そんなこと、この俺が許すわけがない!」
レオが手に入れたのは、裏スラムの闇商人から金貨三枚で買い取った、違法薬物『隷属の魔毒薬』だった。
一度服用すれば、対象の精神を完全に破壊し、最初に見た者の命令に絶対服従する人形へと変える、禁忌の薬だ。
「これを使えば、あの獣人も、エルフも、ドワーフも、すべて俺のものだ。彼女たちの圧倒的な戦闘力があれば、我が『金色の獅子』は再びSランクへ返り咲き、王都最強になれる!」
レオは下卑た笑みを浮かべた。
「しかしレオ、どうやってあの豪邸に侵入するのよ? あそこには強力な結界が張られているって噂だけど」
ミリアが不安そうに尋ねた。
「フン、裏社会の暗殺ギルド『黒い蛇』の一流の暗殺者を雇った。奴らは結界の解除にも長けている。今夜、奴らがアルスのアパート……いや、屋敷に侵入し、アルスを暗殺して、娘たちにこの薬を投与して強奪する手はずだ」
レオは小瓶を握りしめ、暗闇の奥を見つめた。
「アルス、お前の幸せも、お前の奴隷も、すべて俺が奪い取ってやる。無能は無能らしく、裏路地で野垂れ死ね!」
レオの狂気に満ちた笑い声が、薄暗い廃屋の中に不気味に響き渡っていた。
その邪悪な計画が、今まさに、俺たちのクランハウスへと牙を剥こうとしていた。




