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奴隷紋を魔改造したらヒロインたちが覚醒しました 〜追放された最弱付与術師、最強の従者たちと世界最深ダンジョンを制覇する〜  作者: 悠々


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第11話 神匠 pillars とマイホームへの夢

「旦那様! ルナ姉ちゃんの剣、うちが魔改造してやったぞ!」


朝、アパートのテーブルの上に、クララが自慢げに一本のショートソードを置いた。

それは、昨日までルナが使っていた、俺の錆びかけた古い鉄の剣だったはずだ。

だが、目の前にあるのは、白銀の美しい輝きを放ち、刀身に微細なルーンが刻まれた、どう見ても国宝級の魔剣に変貌したシロモノだった。


「これ、本当に俺の古い剣か……?」


俺が恐るおそる手に取ると、驚くほど軽く、そして吸い付くように手に馴染んだ。


「そうよ! うちの『神匠の加護』の力で、鉄の分子構造を組み替えて、旦那様の魔力とルナ姉ちゃんの俊敏性に一番合うようにカスタムしたんだ。名前は『閃光の白牙』! 凄まじい切れ味だぞ!」


クララが短い手を腰に当て、ふんぞり返って笑った。


「すごいです、クララ! この剣、持っているだけで身体の中に魔力がみなぎってきます!」


ルナが嬉しそうに剣を抜き、シャキィンと鋭い音を立てて構えた。

その一振りだけで、アパートの空気が一瞬で切り裂かれるような感覚があった。


「ありがとう、クララ。本当に素晴らしい腕前だ。……これで、戦闘の準備は完璧だな」


俺がクララの頭を撫でると、彼女は嬉しそうに目を細め、旦那様旦那様と懐いてくる。

それを見ていたセレナが、少し羨ましそうに口を挟んだ。


「ねえ、クララ。私の杖も魔改造してくれるのよね?」


「当然だ! セレナ姉ちゃんには、精霊の伝導率を百倍にしたすごい杖を作ってやるから待ってろ!」


頼もしい言葉だ。

クララはしばらく部屋の中を見回し、腕を組んでうーんと唸った。


「だけど旦那様。このアパート、四人で暮らすにはあまりにも狭すぎるぞ。うちの鍛造ツールを置くスペースもないし、ルナ姉ちゃんとセレナ姉ちゃんが旦那様の隣を取り合って毎晩狭そうだしな」


「う、うるさいわね! それは関係ないでしょ!」


セレナが顔を真っ赤にして抗議する。


「関係あるぞ! だから旦那様、うちは提案があるんだ。……みんなで安心して暮らせる『クランハウス(マイホーム)』を買わないか?」


「クランハウスか……」


俺は前世の社畜時代を思い出した。三十年ローンで都内に小さな建売住宅を買うのが夢だったが、その前に過労死してしまった。

この世界で、自分たちの「我が家」を持つ。

それは、俺にとっても、そして傷つき捨てられてきた彼女たちにとっても、これ以上ない「安住の地」の象徴だった。


「いい提案だね、クララ。でも、クランハウスを買うにはかなりの大金が必要だ。王都の郊外でも、安くて金貨五十枚はする」


「それなら、ダンジョンで稼げば一発だぞ! うちが頑丈な盾になって、セレナ姉ちゃんが魔法で一掃して、ルナ姉ちゃんが切り刻む! 旦那様のバフがあれば、どんな高難度ダンジョンも楽勝だ!」


クララがスコップを掲げて力強く言った。


「そうね。アルス、私たちが稼ぐわ。あなたと一緒に暮らす家のためなら、どんな魔物だって倒してみせる」


「主様、ルナも全力で頑張ります! 主様とのマイホーム、絶対に欲しいです!」


ヒロインたちの力強い言葉に、俺の胸は熱くなった。

よし、と俺は拳を握りしめた。


「それじゃあ、目標は『マイホームの購入』だ。早速ギルドに行って、もっと稼げる依頼を探そう!」


「おーっ!」


四人の元気な声が、狭いアパートの部屋に響き渡った。

新たな目標に向けて、俺たちの最強チームが本格的に始動したのだ。

だが、その夢の前に、あの傲慢な影が再び立ち塞がろうとしていることを、俺たちはまだ知らなかった。

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