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狼と呪いの紅玉  作者: 馬之群
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狼の連続死(9)

「真白様、やはり僕の過去を知ってしまわれたのですね。あいつに聞いたのでしょう。」

光琉の目は不気味に煌めいている。

「ええ。」

真白は言った。


「光琉、それはどういう…。」

小麦は尋ねた。光琉は胸を押さえて呻く。

「光漓!」

真白は初めて怒りを露わにし、光漓に掴みかかる。


「違います。僕は何も…。」

光琉の左腕は弁明する光漓の首を掴んだ。

「全員動くな!…ごめんな、光漓。」

光琉は薄ら笑いを浮かべている。光漓だけが異様に蒼ざめる。


「仕切り直しにしましょう。小麦様は僕に涙石を渡して正さんと去って下さい。」

「そんなことをしたら私と正が危ないではないか。」

小麦は光琉の意図が分からない。光琉は小麦と目を合わせる。

「…それもそうですね。光漓は状況が分かっているだろう?」

「お願い、助けて…。」


光漓は涙目になっている。小麦は混乱した。いくら首根っこを掴まれていても、傍に真白もいるし、さして危険が迫っているとは思えない。『石』を持っているなら尚更だ。

「仕方ない。これ以上真白様と話すのは諦めて、真白様を先に逃がします。真白様、お行き下さい。」

光琉は言った。真白は躊躇う。

「光漓はどうするつもり?」


「相変わらずお優しい。ご命令とあれば、責任を持って逃がしますよ。」

光琉は光漓の首筋に掛けた手を緩めずに言った。

「命令よ。光漓を無事に逃がしなさい。」

光琉は真白から久々に命令され、背筋がゾクゾクした。

「御意。」


真白は去ろうとした。小麦は追い駆けようと走り出した。三歩と歩かないうちに悲鳴を上げた。脚がずたずたになったのだ。正は小麦に駆け寄って様子を見る。傷はすぐに消え、涙石が黒ずんだだけだったが、小麦が顔を上げた時には真白の姿がなかった。


「お前の仕業か?」

小麦は光漓に言うが、震えながら首を横に振る。

「真白様は逃がすと言ったでしょう。追おうとなさるからですよ。」

「光琉、まさか貴様が…?」

光琉は静かに笑っている。


「ゆっくりと歩け。妙な動きをすれば殺す。」

光琉は光漓に言った。光漓は怯えながら頷く。

「お二方もついてきて下さい。」

光琉は光漓の肩に手を回し、横から首根っこを掴み、道路の方に向かう。車は殆ど通らない。光琉は何かを待っている。光漓は光琉の横顔を見て嫌な予感がした。


「おい、光琉。真白様からは、僕を無事に逃がすように言われていたよな?」

光琉はニヤリとした。

「僕に似て察しが良いな。どうせすぐに治るだろう?小麦様に引き裂かれる方がいいならそうするけど。」


狭い道を猛スピードでトラックが走ってきた。傷が治っても痛いものは痛い。光漓は光琉の腕から抜け出そうとするが、手遅れだった。光琉は笑いながらトラックの前に光漓を突き飛ばした。光漓は光琉を呪おうかとも思ったが、これから生じる大怪我を治すために力を温存しなければならなかった。


「殺してやる、光琉!」

口だけの呪いを吐いて、光漓はトラックに轢かれた。無残にも身体は宙を舞って、地面に叩きつけられる。関節が変な方向に曲がっている。

「行きましょう。あれでも光漓は死にません。目撃者が多いから、止めを刺しにいけませんね?」


小麦と正は絶句した。光琉があまりに残忍だったからだ。

主人公の性格があまりに怖くて自分でも引いています。過去編に行くまでの間に、思考回路についていけなくなりそうです。過去編を読めば光琉がどうしてこのような性格になったのか、少しは分かってくるはずです。やっと全体の四分の一くらいになりました。前にも書きましたが、自分が作者でないならこの作品を読まないですね。読者の方々を見捨てて突っ走っていくスタイルになってしまっていますし、長すぎます。皆さまも無理ない範囲でお付き合い下さい。

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