冬の贈りもの4(ザ・ファイナル)
たいせつな幼馴染に。
ずっと気になってる、あの笑顔の子に。
お世話になっているスパルタクールビューティーに。
3人に、それぞれプレゼントを渡し終えた。
(うん、俺、やりきった……!)
「いや~、プレゼントイベントって楽しいな! いいことづくし! 最高だったよ!」
ルンルン気分で、俺は訓練場へと向かった。
……が。
そこには、レティとセラさんが、すでに待っていた。
「お待たせー。今日もよろしく……」
――と思ったら、レティがぴたりと俺の前に立ちふさがった。
「ルクス。これ、どういうこと?」
「……え? なにが?」
「セラさんにも、あげたんだってね」
「あ、うん。そりゃもちろん」
言った瞬間、セラさんの視線がバッサリと突き刺さる。
冷たい。むしろ氷属性。冷気が視界に見えるレベル。
「……フィリア様にも、差し上げたと聞きました」
「あ、うんうん。あげた」
すると、ふたりそろって――
盛大に、頭を押さえて、ため息。
ズーン。
(な、なんだこの空気!? 俺なんかやらかした!?)
「ルクス……女心、わかってなさすぎ!!」
レティが怒気たっぷりに詰め寄ってくる。
「ファッ!?」
つい、ネットスラングが口を突いた。
「……あなたには失望しました」
セラさんまで冷たく言い放つ。
「ちょ、ちょっと待って!? なに!? なにがだめだったの!?」
だが、誰も答えてくれない。
そのまま、俺は――
いつも以上に本気モードのスパルタ訓練へと投げ込まれたのだった。
「レティさん、あの攻撃は……ッ、普通に重すぎッ……!」
「黙って受けろ家臣ッ!」
「セラさんッ! その構えは実戦用ですよね!? しかも剣の速さがおかしいッ!?」
「……“教訓”の時間です」
(これはプレゼントの代償!? え、まって、俺だけが知らないルールとかあった!?)
そして――
膝をついた俺のもとに、ひとりの天使がそっと現れる。
「ルクスくん……大丈夫ですか? えっと……“癒しの光”、いきますね」
フィリアの優しい声とともに、やわらかな光が体に降り注ぐ。
回復魔法で、痛みがすうっと引いていく――
……けど。
心のダメージだけは、まだ回復していない。
(俺……なんで怒られたんだろ……)
プレゼントイベントは、楽しかった。
たしかに楽しかったはずなのに――
ラストはなぜか、地獄だった。
――ちゃんちゃん。




